忘失のイストリア【ゲームレビュー】

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『忘失のイストリア』は、オーソドックスなスタイルの王道ファンタジーRPGだ。物語の舞台となる世界「エーデルシュタイン」には3つの種族が共存しており、個性あふれるキャラクターたちが多数登場。しかしその中には、ジェムを拾い食いして成長するユニークなヒロインも!? シンプルなシステムながら、じっくり遊べるやり込み要素もたっぷり盛り込まれており、長く遊べる作品となっている。

懐かしい雰囲気だけじゃない! 安心感あふれる誰もが楽しい王道RPG

目を奪われるような美しいグラフィック、あるいはこれまでになかった斬新なシステムなど、日々量産されるゲームにはさまざまな売り文句が用意されている。確かに、それらは人の目を引きやすいのだが、「ゲームとしての楽しさ」はまた別のところにあるのかもしれない。この『忘失のイストリア』は、そのような華々しさを持つ作品とは違った位置に属する、オーソドックスで安心感あふれる1作だ。

Android版が先行リリースされたばかりの『忘失のイストリア』。今後、iOS版もリリース予定とのこと

どこか懐かしい、1980~90年代のPCゲームを思い出させるようなグラフィック。特徴的ではあるものの、複雑すぎないゲームシステム。キャラクターのセリフ1つひとつに自然と感情移入してしまうような、あたたかみのあるストーリーなど……。本作をひと言で表現するのは難しい。豪華声優陣を起用したキャラクターボイスなどはないものの、しっかりとファンタジーの世界観に没入できる王道RPGとなっている。

キャラクターたちの会話は眺めているだけでも面白い。それだけ、感情移入しやすいシナリオということなのだろう

テキストアドベンチャーのように、会話の内容を振り返って確認することもできる

ゲームの操作もかなりシンプルだ。キャラクターの移動や戦闘などは、基本的に画面をタップするだけで行うことができる。昔ながらの操作方法に慣れた人であれば、バーチャルパッドを表示させてコントールすることも可能だ。いずれの場合もサクサクとプレイを進めることができ、ストレスを感じる場面はあまりない。ゲームが苦手という人のために4つの難易度が選べるようになっているので、手軽に楽しみたいなら「EASY」、ディープにやり込んでいきたいなら「HELL」と、自分に合った難易度を選択してゲームを始めよう。

ダンジョン内では、某国民的RPGでおなじみの「あの床の仕掛け」も登場!?

ヒロインはジェムを拾い食いして成長!?

本作の舞台である「エーデルシュタイン」には3つの種族が暮らしているが、主人公のバインは普通の人間とあまり変わらないファイ族、序盤から旅の友となるジェイドはイース族で、猫のような外見をしているといった感じ。さらに、スライムのような体質を持つルタ族も登場する。

それぞれに特徴的な能力を備えているのだが、中でもユニークなのは、ルタ族とファイ族のハーフであるヒロインのルナーリアだ。通常、本作のキャラクターたちは戦闘を通じて成長し、より強力になっていくのだが、このルナーリアだけはレベルアップしない。その代わり彼女は、敵が落とした「ジェム」を拾い食いしたり、手持ちの「ジェム」を食べさせてあげたりすることで成長していくのである。

バトルの戦利品として、ランダムで入手できるジェム。種類によって、得られる効果が異なっている

普段は美少女の姿をしているルナーリアだが、ときにはこんな姿を見せることも……

ジェムを食べることで成長していく、ヒロインのルナーリア。「食べさせたくないジェム」を選べば、どのように成長させたいかをプレイヤーがコントロールすることもできる

それ以外にも、種族ごとの特徴的な能力もある。例えば、ルタ族は物理ダメージをほぼ受けない代わりに魔法に弱い。イース族は瀕死状態で全パラメーターがアップする。ルナーリアのような混血のルタ族は、物理ダメージは半減できるものの、魔法スキルに弱いといった感じだ。強力なボスキャラクターと戦闘するときは、これらの特性を考えながら、隊列などの戦略を練っていくのがいいだろう。

隊列の前列と後列では、攻撃でも防御でも発生するダメージが大きく変わる。この点をおろそかにしていると、効率よく戦うことは不可能だ

オートバトルで楽々プレイ! スキルは使えば使うほど強力に

敵モンスターとのバトルは、素早く行動できる順番で次々にアクションを解決していくスタイルだ。画面の左下に行動の順番がアイコンで常に表示されているため、これを確認しながら戦っていこう。

戦闘自体は「AUTO」ボタンをタップすることで、自動で進めていくこともできる。普通のザコ相手なら、このオート攻撃だけでじゅうぶん戦っていくことができるだろう。ただし、ボスキャラクターの中には戦闘の途中で性質が変異し、物理攻撃を受け付けずに魔法攻撃でしか倒せなくなるものも登場する。そうした場合は、手動に切り替えて戦おう。

ちなみに、バトル中は通常の攻撃に加えて、スキルによる物理攻撃や魔法攻撃を繰り出すこともできる。スキルはそれぞれ、使い続けていくことによってレベルが上がっていく。レベルが上がるほどに威力が増したり、消費するMPが減ったりしていくので、積極的に使っていくのがいいだろう。

画面左の「AUTO」をタップすると、オートバトルに切り替わる。メンバーの体力や敵の攻撃スタイルなどを考慮して、操作を適宜切り替えるようにしよう。

「FARM」で「お豆」を育ててキャラクターを強化

ちょっとユニークな要素として、本作には「FARM」というものが用意されている。これは、画面右側にあるメニューからいつでも選択できるのだが、空いている植木鉢に「お豆」を植えると、時間の経過とともに成長し、やがて「実」として収穫できるようになる。植える豆は、戦闘の報酬や宝箱から入手することが可能だ。豆や実は、各キャラクターのステータスをアップさせるのに利用するのだが、豆のままより実に成長させたほうが、ステータスをより効率よく上げることができる。

植えた豆は、一定時間で収穫することが可能。植木鉢は追加購入することで数を増やすこともできる

これら以外にも、強敵と戦える「格闘場」など、やりこみ要素も多数盛り込まれている。ゲーム自体は、特に課金せずとも最後まで遊ぶことが可能だ。ただし、中盤あたりから広告が若干多めに表示されるように感じるため、気になる人は課金で表示させないようにするといいかもしれない。いずれにせよ、じっくり長く、昔ながらのRPGを楽しみたいというプレイヤーにはおすすめの1本だ。

  • 使用した端末機種:Xperia Z2
  • OSのバージョン:Android 4.4.2
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0g
  • 課金総額:0円

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