【Ingressアハ体験】第34回: 祝Ingress4周年!古参プレイヤーから聞いたおもしろ昔話

11月15日でIngressが誕生して4年だそうです。2014年12月26日からIngressを始めた自分は、もうすぐ丸2年。Ingressの歴史の半分しか見ていません。そこで、かなり初期のころからプレイしている“古参”の方々に声をかけて、飲みながら昔話をしてもらうことにしました。

Ingress4周年にカンパーイ!

知り合いの中からクローズドβのころからの参加者であるTさんとSさんを中心に、近所の親しい仲間、懐かしい仲間に声をかけてみました。

昔の話を聞かせて! 昔のスキャナの画像とか見せて! なんか面白いエピソードあったら教えて! という私の適当な要望に、快くお応えいただました。

知らない話が(書けない話も)たくさん飛び出して、楽しいひとときになりました!

今回飲み会に参加したのは、私のほかにTさん、Sさん、Nさん、Aさん、Mさん、4さん、Eさんの合計8名

いつから、なぜ始めたんですか?

suzumari:まずはいつから始めたのか、始めたきっかけをおしえてください。

ちなみに私は2014年12月26日からで、ある媒体の納会でお世話になってる編集さんから教えてもらったのがきっかけで、その場で登録しました。

この中でいちばん若いですね(年ではなく!)。

Tさん:いつだったかなぁ? もう全然覚えてない(笑)。メール探せばあると思うけど……あーあった。

Ingressを知ったのは2012年12月からかな。Google+のこの記事を見たからかな。

もともとジョン・ハンケの追っかけみたいな感じで、Google Earthとか彼の開発したサービスをけっこう愛用してたんだよね。

で、興味を持った。Googleのゲームだからやった感じだね。

Ingressとの接点では、参加者の中でもっとも古いと思われるTさん

最初は招待制のクローズドβで、自分にアクティベーションコード付きの招待状が届いたのが2013年1月21日。

でもインストールしようとしたけど、当時使ってたスマホがJelly Beanの「Sony Ericsson Mini」で、対応してなかったんだよ。

Tさんに届いたパスコード付きの招待状。昔のスキャナ画像に注目

suzumari:ものすごく小さいスマホですよね! 昔リアキャプ(現実世界での声かけ)したときに見て、よくこんな小さい画面でやるなあってびっくりしたんですけど(笑)。

Tさんの手大きいので、完全にすっぽり隠れちゃいますよね。

Tさん:オレ、小さい端末が好きなのよ。これだと敵に会っても、話しながら手の中でさりげなくバースター打てるし(笑)。

Sony Ericssonの端末を愛用。こんな小さな画面でよくぞ……

で、そのときは端末が未対応でインストールできなくて、2月に入ってやっとインストールできた。

でも起動しようとしてクラッシュ! 3月後半ぐらいのバージョンで、やっとチュートリアルができるようになった。

「さぁやるぞ」って思ったら、地元にポータルがあまりにないので呆然としたよ(笑)。

Tさんが持つとこんなに小さい! 握ったら完全に見えなくなります

とはいえ、7月ぐらいまでのバージョンは、しょっちゅうクラッシュしたり本体再起動したりで、一度のプレイ持続時間は10分が限界だったな。

6月ぐらいのバージョンでやっと動作が安定して、一気にレベル6になった。そして2013年の8月にレベル8になったかな。

レベル8になったとき本格的に「このゲームは楽しい!」って思えたね。

ちなみに、今はその端末ではIngressできなくなった。起動画面は表示するんだけど、最初のボタンが見えなくて先に進まないから、違う端末でやってるけどね。

これが貴重なSony Ericsson Miniのスキャナ。ボタンが重なりまくり、上のほうは見えていない部分も

Sさん:(スマホでひたすらメールを探しながら)自分はもともとゲーム大好きなゲーマーだったのと、Googleのサービスだったから。

Sさんもクローズドβの招待メールを保存していました

なんかGoogleがゲーム始めたって聞いて、これはやってみないとって。

正確にいつからっていうのは覚えてないけど、招待メールが来たのが2013年8月5日で、まだクローズドβでした。2013年9月5日にはレベル5だったな。

Sさんに届いたパスコード付きの招待メール。Tさんに届いたものと比べると、ゲーム画面が少し変わっています

Nさん:自分は2013年11月15日でした。申し込んだら誰でもできるオープンβになってから。

やっぱり「Googleがゲーム?」って思って。もともと仕事でもモバイル系のサービスとかやってるので、面白そうって思ったのがきっかけです。

自分がスキャナ立ち上げたのは渋谷の駅前だったな。

渋谷は見渡す限り真っ青で、すべてのポータルがガチガチに硬かったので、ハックするくらいしかできなかったな。1ヵ月くらいでレベル8になりました。

Aさん:自分は2014年3月からですね。IT系のウェブ媒体の紹介記事を見て、「へーそんなゲームあんねや」と思ったのがきっかけ。

Mさん:自分は2014年7月から。まだ iOSが始まる前でしたね。

4さん:自分は2014年8月3日かな?

Eさん:私は2014年8月8日。iOS版が出たときAndroidで始めた。

suzumari:iOS版が出たときに、Androidで!?

Eさん:そう(笑)。

suzumari:ワールドワイドなゲームだから、AG(エージェント)名が短くてシンプルな人って、早めの人が多そうですよね。

ちなみに、クローズドβ時代にIngressを始めた人の中には、難解なAG名の方もチラホラいらっしゃると聞きましたが。

Tさん:クローズドβ開始当初は、よくよく注意して英語を読まないと、何が書かれていて、何をしないといけないのかが大変わかりにくいインターフェイスだったの。

だからパスコードをAG名にしてしまう人が結構いたみたいなんだよね。

昔、どんなプレイをしていましたか?

suzumari:私がプレイし始めたころって、アイテム含め環境もかなり整ったくらいのタイミングだったんじゃないかと思うんですけど、昔はポータル数も相当少なかったわけですよね?

こんなプレイしていたとか思い出せることがあったらおしえてください。

左からMさん、Tさん、Aさん、Sさん

Tさん:初期のころ、レベル低くても高レベルのレゾとかバースターとか入手できるのだけど、使えないのでどうすりゃよいのか悩んだな。

suzumari:確かに最初どうしたらいいかわかりませんよね。今でもそうかも(苦笑)。

Tさん:始めたころは、朝にその日歩くルートをインテルマップで検討したりしたね。今より立ち寄り先がいろいろ分散していたので、ルートに合わせて打ち合せ時間調整したり。

suzumari:Ingressが仕事のスタイルに影響を(笑)。

Tさん:とにかくポータルが全然なかったからね。ポータルの名前まで覚えられるくらい少なかった。

渋谷で働いてたけど、青山まで歩いて、そのまま四ッ谷から市ヶ谷まで行って、大江戸線から東新宿まで行って、青梅街道のほうまで行って、中野通りを降りて笹塚まで来たり。

それでも、全部で30個くらいだったかな(笑)。

suzumari:それだけ歩いて30個!? 今では考えられませんね(汗)。

Tさん:だって昔は明大前から池袋までク○リンク張れたもん(コントロールフィールドの形成を意識しない、やたら長いリンクのこと)。すげーいやがられたけど(笑)。

しかも、レベルキャップ開放以前は(初期はレベル8が最高だった)、富山、福岡、熊本、宮崎とか行ったら、最寄りポータルまでの距離が120kmとか46kmとかでね。

標高差なくて、直線距離でだよ。えー!って。人もいなかったよね。NHK放送センターのポータルが360日とか維持できて。でも、そのときガーディアンなかったんだよね。

suzumari:そのころガーディアンメダルあれば! 今じゃとても無理ですもんね。

Sさん:都内でやってるのは20人くらいしかいなかったんじゃないか、ってくらいでしたね。敵の名前も全部覚えられるくらいの数だったと思います。

特に、外国人が多かったな。参加したハングアウトが外国人ばっかりで、みんな英語でやりとりしてた。

suzumari:Sさんは英語堪能みたいですけど、ほかのAGはみんな英語できたんですか?

Sさん:片言でみんな必死に(笑)。

Tさん:昔はまだGoogleのハングアウトがなくてCOMMだけだったんだけど、5kmのCOMMでおとといのメッセージが読めた時代があったしね!

Sさん:COMMで「日本語で書いてもOK?」とかも聞いてた(笑)。

Tさん:カプセルもなくて、レベル8のエージェントもなかなかいなかったから、補給は大変だよね。

パワーキューブはあったけど、なかなか出なかったし。ツブツブ(XM)を集めるために山手線乗ったりしたね。

suzumari:そんな当時からリアル課金!

4さん:カプセルがない時代は、キーも落とさないと複数所持できなかったんですよね?

Tさん:そうそう。カプセルが登場したとき「カプセルに入れるとインベントリ総数にカウントされない」という希望的デマが一瞬だけ流布しました(笑)。

4さん:それが今のキーカプセルの思想につながってると。

Tさん:あと最初リサイクルなかったね。

Sさん:ポータル少ないし、人も少ないから、MODS(ポータルに追加する補助アイテム)の入れ方にも細かく指示を出されたことあります。

そうだ。昔、ナイジェリアにポータル生やしたことがある。出張で行ったんだけど、全然なかったから。そしたら現地の人からほんとに大よろこびされた思い出が。

suzumari: 自分たちで申請しなかったんですかね?

Sさん:どうなんだろ。やり方分からなかったのかな。

suzumari:ナイジェリアに自分の生やしたポータルがあるってすごいですね。 ドンパチ系で何か思い出ありますか?

Tさん:X8(レベル8のバースター)を800発もって敵地に乗り込んだら、あっさり返り討ちにあった話とか聞いたね~。人数少なかったけど、めちゃ熱かったね。

バースターも今とはちょっとデザインが違ったようです

地方に行ったとき、そこのポータルでレゾのわんこ(ポータルへの攻撃にリアルタイムで対抗すること)をやったら、それを見てた地元のAGさんから「わんこ、初めて見ました!」といってCOMMで感動されたことあったな。

こちらは旧型レゾネーター

Sさん:P8ポータルができると、敵がどこまででも壊しに来た(笑)。あいつ生意気だからっていって、20人くらいでうちのポータル焼きに来たり。

suzumari:おお……当時からSさん、やんちゃで目立ってたんですね。

Sさん:自分のシマを焼かれたら3日以内に相手のシマを焼きに行く! とかいってたこともあった。有休とってね。

suzumari:え! それで有休とったんですか?

Sさん:ええ。

suzumari:アツい(笑)。

Sさん:昔は全員特定できたんだよね。お互いの動きは結構監視してたんじゃないかな。アノマリーでも参加したAG全員の名前をクレジットにのせられる規模だったしね。

suzumari:そこまで相手がわかってると、トラブルとかなかったんですか?

Sさん:もちろん個人に対するヘイトはあって、それが激しいモチベーションになってたところはありますね。

殴り合いに近いこともあったけど、どんどん減った。今は人数は増えたけど、個性が減ってる気がする。

Tさん:戦うの大変だったよね。最初のころ、US(ウルトラストライク)はモトローラの端末でしか使えなかった時代があったんだよ。

ほら、モトローラはGoogleが買収してたから。売却されたらUSもみんなに解放された。その後iOS版が出て、一気にゲームの質が変わった気はするな。

suzumari:まだ続けられてるのはなぜですか?

Sさん:自分は最近ちょっと飽きてきてて、『Pokémon GO』(以下、ポケモンGO)に浮気したりして(笑)。でもアノマリーで戻ったりしてる。

Nさん:負けず嫌いの人が続いてるんじゃないですかね。

Sさん:あー。うちは奥さんもAGなんだけど、確かにメダルとか自慢されるとちょっと悔しいっていうのはありますね(笑)。

Ingress始めて変わったことは?生活にどんな変化が?

suzumari:そんなこんなでIngressも丸4年なわけですが、Ingress始めてどんな変化があったかおしえてください。自分はすでに生活習慣の一部になっていると感じます。

左からEさん、4さん、Nさん

Tさん:4年で10kg痩せたなあ。歩く目的ができたのと、知らない場所に行くモチベーションが生まれた。

元々国内旅行好きで、午後から日帰りで京都行って呑んで帰ってくるような感じだったけど、今までバスに乗ってたところも、歩いてみると面白い事に気付かされたね。

iOS版登場前の話だけど、知らない土地へ行ったときに、地元の人にCOMMでおすすめの(観光客向けじゃない)呑み屋とか聞いたりした。

Mさん:あーわかります。自分も出張のときCOMMで情報収集したりします。

Tさん:あとは若い知り合いが増えたことかな? 今は入ってないけど、最初のころちょっと入ったコミュニティがあったんで。

Sさん:地域社会との接点ができました。

住んでいながらほとんど地元のサービスを利用する機会はなかったんですが、Ingressをきっかけに区内の飲食店などを教えてもらって使うようになりました。

あとは睡眠時間が減りましたね……。

Mさん:自分は残業が減った(笑)。ご近所のコミュニティで子持ちの先輩AGから、子供の塾とかいろんな情報をもらえるようになりました。

あと、夫婦仲が一時悪くなりました。始める前はわりと家にいたんですよ。今は外出が増えて、「またスマホ見てる」っていわれてヤバかった。

ポケモンGOが始まったら今度は妻がハマって、出かけたくなる衝動を理解してくれたのでそこから持ち直し。助かりました。

Eさん:私も1日20kmとか3万歩とか普通に歩くようになり、10kg以上やせました~。

Aさん:大阪から転勤してきましたが、Ingressで友だちがたくさんできてさびしくなかったです。

体重はずっと右肩上がりの成長を続けていたのが、増えなくなりました。最近またちょっと怪しくなってきたけど。

suzumari:4さんは出会いがありましたね!

4さん:ええ。出会いが(笑)。

suzumari:そこんところは別の機会にじっくりうかがいたいところです!

Sさん:変わったといえば、うちのコミュニティ、Ingressを飛び越えてもうカルチャークラブみたいになってますよ。集まって料理したりなんか作ったりしてて。

suzumari:わはは! 確かに地元にリアルな友達ができるわけなので、ほかのこともいろいろやってみたくなりますよね。

とまぁ、こんな感じで飲みながらざっくばらんにお話しをうかがっていたわけですが、閉店時間がなければ、いつまでも話していそうなほどの盛り上がりでした。

Ingressが産声を上げてから4年。AGの数だけドラマがあると感じた夜でした。

これからもIngressはいろんな変化を飲み込みながら進化していくのでしょう。今後もIngressとともに、自分の歴史を刻んでいきたいですね!(出会い、いいなぁ……)

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