【西川善司のモバイルテックアラカルト】第29回: クセになる10インチタブレット「ZenPad 3S 10」

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大画面☆マニアとして「大画面映像機器評論家」の肩書きを持つボクは、スマホも大画面のものが好きで、このことはこの連載で数回にわたって語ってきました。

初10インチタブレット体験に挑戦

ボクは、もともと電話をあまりしない人間なので、携帯電話を持つことはあっても、価格の高いスマートフォン(スマホ)にはあまり関心がなかったのです。

携行する情報機器としては11インチ前後のノートPCで必要じゅうぶんだったんです。

その後、当時は最大級の画面サイズのスマートフォンとしてデビューした5.3インチの初代「Galaxy Note」(SC-05D)に触れて感動し、2012年についてスマホデビューを果たします。

それから、スマホの世界には大画面ブームが訪れ、ソニーの「XPERIA Z ULTRA」(SOL24)の6.4インチに移行しました。2014年のことです。

そして、大画面スマホブームがひと段落してしまい、今年初旬にボクはMVNO移行に伴って、FREETELの「KIWAMI」(6.0インチ)に乗り換えました。

しかし、8月にこのKIWAMIが購入して1年も経たずに故障してしまい、その無償保証修理の期間(10日間)、HUWAEIの通話できる8インチのタブレット「MediaPad M2 8.0」をピンチヒッター的に購入したのでした。

ここまでは、この連載でお話ししてきたと思います。

そんな中、ここ最近、ふたたび魅力的な大画面スマホが幾つか発表されており、大画面スマホ好きとしては「そわそわが止まらない」状況です。

あ、ちなみに、ボクの中では「大画面スマホの定義」は「6インチ前後か、それより大きいもの」を指します。

その理由はこの連載の過去記事にさんざん述べていますが、そんなわけで、5.5インチサイズのiPhone 6/7 Plus系はボクの中では大画面スマホの範疇になっていないのです(笑)。

「西川さんはなぜiPhone Plus系を使わないのですか」という質問をよくいただくんですが、まぁ、そんなわけであまりそそられないんですね。

そうそう、完全な余談ですが、ボクはアップル製品に興味はあるのですが、いまだiPhoneを使ったことがありません。

スマホデビューが遅かったことも原因しているのですが、最新のiPhoneはとても高価なので、手が出ない状況です。

つい安価なAndroidに目が行ってしまいがちなのです。

iPhoneのレビューもやったことがありません。

iPhoneのレビューは、iPhone好き/iPhoneマニアがやらないと「お前、なんも知らねー」とすぐに批判されてしまうので、評価機がボクの所に回ってくることもなく、今でもボクは「アップル・チェリーボーイ」なのであります。

そう、リンゴでサクランボというややこしいステータスなのですよ。

余談はさておき、ここ最近、発表/発売された(西川善司的)大画面スマホで気になっているのは以下の機種です。

  • Lenovo「Phab2 Pro」:6.4インチ/2,560×1,440ピクセル
  • ASUS「ZenFone 3 Ultra」:6.8インチ/1,920×1,080ピクセル
  • Huawei「Mate9」:5.9インチ/1,920×1,080ピクセル

Phab2 ProはGoogleのAR技術「Tango」に対応したARスマホとしても魅力があります。

画面サイズはXPERIA Z ULTRAとほぼ同等なのもいい感じです。

Lenovo「Phab2 Pro」

これよりもさらに大きいのがZenFone 3 Ultraですが、解像度が画面サイズの割りにはフルHDどまりなのがちょっと気になります。

ASUS「ZenFone 3 Ultra」

Mate9は、6インチに届かないので、ボク的には魅力は薄目なんですが、SoCがかなりハイスペックで、メモリ(RAM)も4GB搭載していますし、カメラも二眼構成だったりして、そのハイスペックぶりが気になります。

Huawei「Mate9」

そんな最中、ASUSがZenFone 3 Ultraを評価させてくれるということで、9月下旬に評価機貸し出しの依頼を仕掛けたのですが、どうも各誌編集部間でレビュー用にぐるぐる回っているらしく、こちらにはなかなか届かずじまい。

そんな最中、代わりに「ZenPad 3S 10を評価してみますか」という打診をいただきました。

最初、「タブレットかあ。今はMediaPad M2 8.0使っているからなぁ。あまり興味ないかなぁ」とか思ったのですが「あ、ちょっと待てよ」となりました。

思い返してみると、前述したようにアップル・チェリーボーイですから、10インチタブレットとして超有名なiPadも使ったことがありません(正確には9.7インチ)。

KIWAMI修理期間中のMediaPad M2 8.0は8インチでしたから、ZenPad 3S 10は、ボクの10インチのタブレットの初体験相手となるのです。

自分の私物の8インチタブレットよりも大画面のタブレットが当いう使い勝手なのか、興味が湧き、ちょっと使って見ることにしたのでした。

それにアップル・チェリーボーイの状況は変わらないですが、疑似iPad体験はできることになりますからね(笑)。

ZenPad 3S 10の魅力……それは「10インチ」「2,048×1,536ピクセル」で読む電子書籍?

届いた評価機を開封して手に持ってみて感じたのは、「薄い!」ということに尽きます。

それでいて頑丈で手触りもソリッドで、高級感があります。ただ、ZenPad 3S 10は、私物のMediaPad M2 8.0よりは少し重いです。

まあ、ZenPad 3S 10は公称430gで、MediaPad M2 8.0は公称330gなので、そのまんまです。

次に感じたのは「画面がでかい」ということです。

8インチのMediaPad M2 8.0をネックストラップを付けて首からぶら下げていたボクでも、このZenPad 3S 10を首から下げて歩き回るのには抵抗感を抱きました(笑)。

8インチのMediaPad M2 8.0をネックストラップを付けて首からぶら下げていたころの西川善司

両方を見比べると明らかに違うのは画面のアスペクト比です。

MediaPad M2 8.0は16:10ですが、ZenPad 3S 10は4:3なんですね。

解像度はMediaPad M2 8.0が1,920×1,200ピクセル、ZenPad 3S 10が2,048×1,536ピクセルです。

両方とも縦解像度多めの「16:9ではない」のはいいとして、ZenPad 3S 10の方はテレビ画面のようなワイドアスペクトですらないのがユニークです。

4:3というとブラウン管時代のテレビとか昔のノートパソコンみたいなアスペクト比です。

まあ、これは「ライバルのiPadに合わせてきた」と言うことなのかも知れませんが、解像度自体はフルHDよりも高いため、フルHD映像をドットバイドット表示しても解像感劣化はないので実害はないかなぁ、と感じました。

左がアスペクト比4:3の10インチ、ZenPad 3S 10。右がアスペクト比16:10の8インチ、MediaPad M2 8.0

普段使うアプリも試してみました。

ゲームでは『Ingress』と『ポケモンGO』をプレイしてみましたが、さすがに10インチのタブレットを手に持ってプレイしていると人目が気になります(笑)。

『ポケモンGO』は、右手で画面端を持つと、画面が大きすぎて右手の親指がモンスターボールに届きません。

両手プレイが必須になります。まあ、スマホでプレイしているのとは違った迫力で楽しめて新鮮ではありますけれども。

『ポケモンGO』は10インチのタブレット片手持ちでプレイするのはつらいかも(笑)

『Ingress』は、より多くのアイテムをゲットするためのミニゲーム「Glyphハック」をやる際、画面が大きいと不利だということがわかりました(笑)。

Glyphハックは与えられたお題の記号を記憶して、素早く指で手書きをするミニゲームで、早く書けば書くほど多くのアイテムをボーナスとしてもらえます。

ZenPad 3S 10は、画面が大きいので、手書きの際の指の移動量が多くなって時間が掛かりボーナスが少なくなりがちでした。

画面が大きいことが不利になるゲームってあるんですね(笑)。

Ingressのプレイ画面とIngressマップの画面。4:3アスペクト比の10インチ大画面は結構見やすい

8インチのMediaPad M2 8.0を購入してからボクは、漫画のデジタル版をAmazon Kindleのアプリで買って読むことが多くなってきています。

紙の漫画本の味わいも捨てがたいですが、光る画面上で見る漫画も独特な見映えも悪くないです。

漫画本は縦画面にして1ページずつ読むか、横画面にして見開きで読むか、迷うところです。

8インチのMediaPad M2 8.0だと画面の大きさ的に見開きにすると、全体的に小さくなってしまうので、縦画面にして1ページずつ読んでいました。

10インチのZenPad 3S 10は、横画面で見開きにして読んでもそれほど小さく感じません。

単行本コミックスの見開きの大きさと比較してみましたが、若干、ZenPad 3S 10の方が小さいくらいで、ほぼ同じ大きさでした。

ZenPad 3S 10は解像度も2,048×1,536ピクセルもあるので、見開き表示にしても1ページあたり1,024×1,536ピクセルもあるので、解像感の劣化は感じません。

MediaPad M2 8.0は1,920×1,080ピクセルですから、見開きにすると1ページあたりは960×1,080ピクセルになってしまいますから、これは大きな違いです。

左がアスペクト比4:3のZenPad 3S 10。右がアスペクト比16:10のMediaPad M2 8.0。見開き表示にしたときの余白の出方の違いにも注目

大変高性能なZenPad 3S 10ですが、評価中、最も時間を割いて使ったアプリはこのAmazon Kindleだったかも知れません(笑)。

スタイラスペンの使い心地は?

ZenPad 3S 10は、「Z Stylus」という名前のタッチペンがオプション設定されています。

今回、送付されてきたZenPad 3S 10の評価版には、このZ Stylusペンが同梱してきたのですが、実際の商品では別売です。実勢価格は大体3,500円前後で、まあまあの値段がします。

最初、ZenPad 3S 10にペンをあててもまったく反応せず「??」となってしまい、かなり慌てたのですが、理由は簡単。電池が入っていなかっただけなのでした。

しかし、ここから少しだけ苦労してしまいました。

このZ Stylusペンに使用する乾電池は単6乾電池(E96:AAAA型)なんです。

慌ててコンビニに行きましたが、コンビニで売っている乾電池は単4までで(想像通り)、単6電池は比較的大きめの電気量販店に行かないと買えませんでした。

なお、単6電池はエネループみたいなニッケル水素充電電池タイプは市販されていないため、基本的にはアルカリ電池のみとなるようです。

別売りの「Z Stylus」ペン 

使用には単6電池が1本必要。電池は上端キャップを外して挿入する方式

実際に電池をいれれば、何の問題もなく使うことができるようにはなりました。

「SuperNote」というアプリが、このペンを使う基本アプリのようで、手書きのメモや簡単な図版を描くことができます。

書き心地はやはり紙とは違い、ペンが当たるたびにカツカツという硬い音がしますが、ペン先と画面上に描かれる線分の距離は本当に近く、昔のタブレットであったようなペン先の1~2mm下に描いた線が描かれるような、「浮いて描いている」ような書き心地にはなっていません。

ここは立派ですし、技術の進化を感じます。

ただ、早いスピードで描いたときにごくごくわずかな遅延を感じます。

筆者がアクションゲーマーなせいかもしれませんが、早く描いても破線になったりはしないのですが、ペンで描いた軌跡の数点が飛ばされてしまう印象はあります。

ZenPad 3S 10を実際に取材の現場に持ち込んでメモ書き用タブレットとして使用してみた。速記をするとやや遅延を感じる

このペンは1,024段階の筆圧に対応したタッチペンで、細い線から太い線までを描くことができるのですが、本格的なお絵描きをやるには、この遅延感は障害となるかも知れません。

一方で、普通の手書きスピードで「手書きメモをとる」用途にはじゅうぶんな性能だとは思います。

ペンの根本には細長いボタンが付いており、手に持ったときに上に来るボタンを長押しすると消しゴムモードになります。いちいちペンを置いて消しゴムに持ち直さずにさっと消せるのでかなり便利でした。

IPS液晶ながらハイコントラストな画質に惚れる!スピーカーの音質も良好

この連載でも取り上げたことがありますが、自分は『ストリートファイターV』が好きで、今もずっとやり続けています。

この記事の時は、腕前を表すリーグポイント(LP)は2400前後でしたが、11月現在のリーグポイントは5,500を突破したところで、SUPER GOLDリーグに到達しました。

9月以降は、PS4のSHARE機能を使って、1週間に数回、オンラインプレイ時の実況を「バルログでがんバルログ」という番組名で行っています。

配信していても見てくれる人は最大で10人、普段は1~3人前後という状況なので、あまり盛況とはいえませんが(笑)。

そんな新しい生活習慣ができたなかで、よくやるようになったのは、他の著名プレイヤーたちのプレイ動画の閲覧です。

トイレに入っているときやベッドで寝入る直前などは、格好のYouTubeタイムとなっており、以前と比べると、本当にYouTubeを見る機会が増えました(見るのはストV動画だけですけど)。

今回のZenPad 3S 10評価期間中は、このYouTubeタイムをZenPad 3S 10で見ていたのですが、画面が大きく迫力がありますし、画質的にもいい感じです。

ZenPad 3S 10にも採用されているIPS液晶は発色や広視野角に優れる特性はありますが、一方でやや暗部の締まりに難があります。

しかし、ZenPad 3S 10の映像は、ASUSが誇るVisualMaster機能の恩恵なのか、暗部の締まりも良好でコントラスト感もとても強めです。

動画の見映えとしての「切れ」もよく、『ストリートファイターV』の目まぐるしく動く映像も鮮烈に見えます。

ZenPad 3S 10評価中は、Amazon Kindleの次によく使っていたアプリがYouTubeでした(笑)。

左がアスペクト比4:3のZenPad 3S 10。右がアスペクト比16:10のMediaPad M2 8.0。ZenPad 3S 10の方が、16:9のゲーム映像の上下にYouTube側のUI画面を余裕に表示出てきているのが分かる

ZenPad 3S 10は「バーチャルサラウンド機能」「DTS:Headphone-X」サウンド機能など、各種サウンド機能が充実していることが謳われています。

ボクの使い方だと、タブレットにあまりヘッドフォンは接続しないため、これらの機能の恩恵をあまり享受する機会はなかったのですが、内蔵ステレオスピーカーの音質が優れていることは実感できました。

縦置きにしたときに下部の左右にステレオスピーカーが付いており、音量を上げてもびびることがないため、YouTubeを見る時には重宝しました。

ただ、気になったのは、このスピーカー機能、横置き状態でフル画面でYouTubeを楽しむとスピーカーの実装されている片側しか音が鳴らないのです。

MediaPad M2 8.0は、横置きにしたときにも左右に音が広がるステレオサウンドが楽しめたのでこの部分はちょっとマイナスという感じでしたね。

ZenPad 3S 10はフル画面(横置き)で映像を楽しむときにはヘッドフォンを使った方がいいと思います。

おわりに

ZenPad 3S 10のSoCは「Mediatek8176」で、CPUは「Cortex-A72」×2、「Cortex-A53」×4の総計6コア、GPUは2クラスタ構成の「PowerVR GX6250」を搭載します。

クラス的にはアッパーミドル級といったところでしょうか。

プリインストールされている『Need for Speed No Limits』をプレイして見ましたが、PS VITAクラス以上のグラフィックスは余裕ででている感じです。

まぁ、ゲームプレイ時の操作感はさすがにゲーム専用機には及びませんけれどもね。

『Need for Speed No Limits』より。グラフィックス表現能力はPS VITA以上か

ASUS製端末を使っていることを誉められて、ボーナスとしてスペシャルアイテムがもらえた(笑)

それと、今回の評価では10日間あまり、ZenPad 3S 10を使っていましたが、バッテリーの保ちが非常によいことが印象的でした。

バッテリー容量は5,900mAhもあるそうで、Amazon KindleとYouTubeメインの使い方では充電を頻繁に行わずともかなり長時間、使い続けられました。

それこそ充電するのは3日に1回ペースくらいで、バッテリーの保ちを気にしている方にはおすすめだとおもいます。

特徴的な機能の指紋認証付きホームボタンは、今回の評価機ではうまく動作ができませんでした。

評価機固有の問題だと思いますが、指紋登録がどうしても6%以上進まなかったのです。

今回評価機では、なぜが指紋登録がここから先に進まず

しかし、ホームボタン自体の使い勝手は良好で、タッチ操作で画面下辺からせり出させるバーチャルなホームボタンよりも、常にワンアクションでホーム画面に復帰できる手軽さはいいですね。

今回はうまく活用できませんでしたが、背面ではなく、ここに指紋認証機能を持ってきているアイディアもグッドだと思いました。

10インチサイズの画面アスペクト比4:3のタブレット。

今後、ヘッドセットの通話機能なんかにも対応したらMediaPad M2 8.0の後釜として購入を検討してしまいそうです。

ZenPad 3S 10の背面カメラ(800万画素)で明暗差の激しいシーンや夜間シーンを背面カメラで撮影してみた。取り立てて高画質という印象はないが、自動露出補正などは優秀で実用上は全く不満のない機能レベルに達している

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