[黒川文雄のゲーム非武装地帯] 第22回: 「Nintendo Switch」スイッチを入れるのはあなた

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日本時間とロサンゼルスなどに代表される西海岸との時差は、マイナス17時間。ニューヨークなどの東海岸との時差は、マイナス14時間。つまり、日本の23:00は、ロスの16:00、ニューヨ-クの13:00ということになる。これは去る10月20日に発表された、任天堂「NX」改め「Nintendo Switch」公式発表の時間のことである。

全世界標準時間の解禁

Appleの発表会などとは異なり、Nintendo Switchの発表は全世界的に見ても常識的かつフェアな時間に開催されたといっても過言ではないだろう。

ちなみに、ヨーロッパ諸国は日本との時差はマイナス8時間ほどなので、こちらも10月20日夕方には情報が解禁されたことになる。

スマホ並みの画面サイズ

Nintendo Switchの公式サイトをチェックしてみても、現状情報量は少ない。

写真は10点程度で、機能関連のテキストでの説明は皆無。あるのは4分足らずの公式デモムービーしかないが、この映像の中からいくつか推測をしてみたい。

液晶画面部分は、iPhone 7 Plus並みの5.5インチ程度だろうか……?若干、もうひと回りほど大きくも見えるが、スペックに関しては続報を待ちたい。

さらに、その液晶画面部分を挟み込むようにコントローラーを両サイドにアタッチすることができる仕様のようだ。

コントローラーの名称は「Joy-Con」と呼ぶ。本体用のドック(Dock)も付属しており、テレビと直接接続することでゲームを楽しんだり、ネット対戦を楽しむことができるようだ。

さらには多人数対戦も可能とのことだが、このあたりはWii Uで培ったナレッジやテクノロジーが活かされているのではないだろうか。

おそらくは、従来のゲームスタートにおけるプラグインなどのストレスを排除したエンタテインメントの触媒のようなデバイスを目指しているのではないだろうか。

そして、それはエンタテインメントのSwitch(以下、スイッチ)であると同時に、生活(ライフスタイル)を切り替えるスイッチというコンセプトも含まれているはずである。

発売は2017年3月

公式デモムービーを見ておわかりのように、家庭用ゲーム機と携帯型ゲーム機の両方の機能を兼ね備えたマシンに仕上がるようだ。

発売は2017年3月、具体的な日時を予想することはできないが、おそらく歓喜を持って迎えられることだろう。

しかし、個人的には懸念しているポイントがある。

それは、Nintendo Switchの市場でのポジショニングだ。おわかりのとおり、Nintendo Switchは、従来の家庭用据え置きゲーム機と携帯型ゲーム機の両方のいいところ取りというポイントだ。

もちろん、それが強みであるという主張はもっともだろう。

現在、日本をはじめとして世界のゲーム市場のメインストリームになりつつある(すでに成立している側面もある)スマートフォン系ゲームとの市場のパイ争いになるのではないかと予測している。

スマホゲームはもちろんだが、PlayStation 4やSteamなどのPC系ゲームなどとモロに競合する可能性も否定できない。

何でもできるマシンは何にもできない!? というジンクス

私がセガいたころに登場した、次世代機と称されたPlayStationとセガサターンは「何でもできるマシンは何もできない」とメディアに揶揄された時期があった。

残念ながらセガサターンは早期にPlayStationに完敗し市場を撤退したが、期待度が大きかった分、その撤退のインパクトも大きかった。

今回発表されたNintendo Switchは、「家庭用と携帯用ゲーム機の連携により、その枠組みを超えたもの、もしくは超えるもののスイッチ」がコンセプトのようだが、果たしてそれをほしいと思ってくれる人、必要だと思ってくれる人がどれほどいるかということだ。

持ち運ぶものは少ない方がいいに決まっている

序盤に予測したように、5.5インチ程度の画面+コントローラーという大きさだと仮定すると、iPhone 7 Plusほどの縦約16cm(正確には158.2 mm)の画面に、Joy-Con部分の4cm相当のものが2つアタッチされる。

あくまで予測にすぎないが、全長は25cm程度のデバイスになると思われる。

みなさんの日常生活で持ち歩いているものを考えて見てほしい。

ビジネスマンならばノートパソコンかiPad、さらにスマホ、Wi-Fi端末などをバッグに入れている人は多いだろう。学生ならばそれにプラスして教科書、雑誌、筆記具などだろうか。

さらに追加で、Nintendo Switchを持って歩くか? という疑問が浮かぶ。スマホかNintendo Switchかというガチな選択を迫られるような市場が待っていることは明らかである。

ヒットキャラクター・コンテンツとe-Sportsへの取り組みのファイナルアンサー

公式デモムービーにもあるようにマリオ、ゼルダ、スプラトゥーンなどの任天堂を代表するキャラクターやコンテンツがフィーチャーされている。

さらにすでに、パブリッシャーとして参加の名乗りを挙げている企業も世界的に見てもトップクラスのパブリッシャーばかりだ。それを見れば期待感も否応なく高まる。

ただ、e-Sportsなどの取り組みは、Nintendo Switchのみで完結するものではない。

ここに来てAppleへの「マリオ」などのコンテンツ供給、ポケモンカンパニーを介しての、Google改めNianticの「ポケモンGO」への取り組み。

そして、トリを飾るのは今回のNintendo Switchとすれば、ここ数年、つまづき、傷ついてきた任天堂にとって希望の匂いがするデバイスである。

そのスイッチを入れるか入れないのかというファイナルアンサーは、あなた次第だ。

(c)2016 Nintendo