#コンパス【戦闘摂理解析システム】

たま×40mPが教える『#コンパス 』マルコス’55誕生秘話

  • 2017年07月05日

『#コンパス~戦闘摂理解析システム~』(以下、#コンパス)の、ヒーロー誕生に迫るインタビューシリーズ第4弾。今回は、ハイスペックニートの「マルコス’55」の誕生秘話に迫るべく、キャラクターデザインを担当したたまとテーマソングを担当した40mP(40メートルピー)に話を伺った。

ハイスペックすぎるにもほどがあるマルコス’55

今回、話を聞くのは、アタッカータイプのヒーロー「マルコス’55」(以下、マルコス)。

ステータスは低いが、ヒーロースキル(HS)「スーパーニート」を発動することで能力を大幅に高めていくという一風変わったタイプのヒーローだ。

自身が大ファンであるリリカが近くにいるとパワーアップするなど、他のヒーローと比べても、仕様的にも設定的にもトリッキーなヒーローでもある。

キャラクターデザインはたま、テーマソングは40mPが担当。声を演じるのは下野紘さんだ

今回は、このマルコス’55のキャラクターデザインを担当したたまと、テーマソングの40mPに、マルコスの誕生秘話をうかがった。

ボカロPVのヒットメーカーたま

今回、マルコスを担当したたまと40mPは、『#コンパス』以前から、一緒にVOCALOID-PV(ボカロPV)を作ってきた名コンビ。

2013年に、NHK『みんなのうた』に取り上げられた初のボカロ曲「少年と魔法のロボット」では、作詞作曲と40mP、アニメーションをたまが担当している。

少年と魔法のロボット

まずは、キャラクターデザインを担当した、たまを紹介しよう。

ボカロPVのイラストや動画を手掛けるほか、プリントシール機「Cinderella Time」のイメージキャラクター「プリプリンス」のデザインや、PASH!+にて4コマ漫画「豆しば学園」を連載するなど、幅広い活躍を見せる人気絵師。

写真はNGということで、自身のTwitterアイコンでもあるハムスターのような小動物のぬいぐるみに出演いただいた

初音ミクが発売されたころから、イラストの投稿を初めていたという絵師のなかでも大ベテランのたまは「PVや音楽でなく、絵から入ったんです」と初音ミクとの出会いを語る。

ある日、友人が描いた初音ミクのイラストを見たのをきっかけに、ニコニコ動画に投稿されている楽曲を聞き、VOCALOIDの世界にはまっていったという。

PIAPROがサービスを開始すると、イラストの投稿をスタート。

そして、自分でも動画を投稿してみたいという思いから独学で動画編集を身に着け、好きな投稿者の楽曲を使って、自身でも「PV描いてみた」動画を投稿をするようになった。

40mPとの出会いは、彼の楽曲「トリノコシティ」のPVを投稿したことがきっかけ。

それが40mPの目に留まり、「妄想スケッチ」からは、オリジナルのPVのイラストと動画を担当するようになった。

妄想スケッチ

また、「シリョクケンサ」では、PVだけでなくコミカライズも手掛けるなど、絵師としての活動の幅を広げていくきっかけになった。

現在では、イラストや動画を担当したPVの再生数が大きく伸びることから「ヒットメーカー」とも異名される人気絵師のひとりとして活躍を続けている。

シリョクケンサ/GUMI(40mP)

目指したのは「暗くない引きこもり」

マルコスの制作は、たまのキャラクターデザインから始まった。

「ちょうど、他の作品でもキャラクターデザインの仕事が入り始めたところで、キャラクターデザインが面白いなと思い始めていたところでした。

『#コンパス』では、さらに自分のキャラクターがゲーム内で動くということで、ぜひやってみたいと思い、受けさせていただきました」とたまは当時を振り返る。

これまでの他のヒーローと同様に、開発から渡されたのは、A4一枚の用紙に年齢や性格、参考用の画像が簡単にまとめらたものだった。

当初、ゲーム的な仕様として、開発が考えていたコンセプトは「スタート時は弱いキャラクターが、3分間のバトルの中で成長して強くなる」というもの。

そのため、「ハイスペックな引きこもりのニート」という設定が最初から決まっていた。

しかし、ひきこもりやニートというイメージだけだと、色味も暗くなってしまう。

そこで「暗いけど、ただ暗いだけじゃない」というポイントを意識したキャラクター作りが始まった。

「『なんでこんなカラフルな奴が引きこもりをしてるんだ!?』というイメージです(笑)」と言うように、金髪をはじめ服装もビビッドな色になっている

「最初は、パーカーの色はピンクだったんです。それに着方もカチッとしていました」とたまは明かす。

開発とのやり取りのなかで、パーカーの色はオレンジに変わり、オレンジと映えるようにと、他の部分の色も決まっていったという。

また、開発からは、マルコスがリリカのファンという設定出てきたこともあり、リリカのイメージカラーであるピンクをワンポイントとして取り入れた。

マルコスの着ているシャツのリリカもたまさんが描いている。また、パーカーの背中にはリリカのマークが入っている。マルコスとおそろいのシャツはコンパスマートで購入可能だ!(商品はなくなり次第終了)

ラフを重ねていくうちに、パーカーの着こなしもどんどんだらしなくなっていき、引きこもり感が増してきた。

また、3Dのキャラクターとしてゲーム中で動きを出せたらという思いから、パーカーの袖をだらしなく伸ばしたり、耳をつけるなど工夫を入れた。

「男キャラの場合、髪の毛が短くなってしまうため、身に着けるものでどう動きを出すかという部分を考えました。

また、耳についてはシルエットが変わることで、相手のプレイヤーがすぐにマルコスだとわかるようにという狙いもあります」

背中にリリカのマークが描かれているポイントにも注目

そして、マルコスといえば、木の枝を武器に戦う姿もおなじみだが、開発によると、何か武器を持っているというのは最初から決まっていたという。

しかし、引きこもりのニートという設定の彼には、武器らしい武器は似合わない。そこで、そこらへんに落ちていた木の枝を武器にするというところに落ち着いたという。

「ただの木の枝ですが、マルコスはこれが伝説の剣だと妄想しながら戦っているという設定なんです(笑)」という裏話も。

たしかに、木の枝にしては振り方が様になっている……。

DTM出身!40mPの歩み

テーマソングを担当した40mPは、さわやかなバンドサウンドやポップスに定評があるVOCALOIDプロデューサー(ボカロP)。

40mP。名前の由来は第2作「Melody in the sky」の動画イラストに描かれた初音ミクが全長40mに見えたことから、リスナーから命名されたもの

これまでインタビューをしてきたかいりきベア、ダルビッシュP、buzzGは、ニコニコ動画で活動を始める以前からバンド活動というバックボーンを持つボカロPだった。

しかし、40mPは、バンドの経験は学生時代の文化祭で即席で組んで演奏したというくらいで、PCを使ってピアノのインスト曲を黙々と作ってきたというDTM出身のボカロP。

小学生のときに映画館で観た『もののけ姫』で、久石譲さんの音楽に感銘を受け、「自分もこんな曲を作ってみたい」と音楽を始めた40mP。

そこから独学でピアノで弾き続け、次第に自身でも作曲を手掛けるようになり、高校時代にはゆずの影響からアコースティックギターと歌モノも作り始めた。

それでもメインの活動はmuzie(※1)で、イージーリスニングなどのピアノ曲を発表するという状態だった。

※1 muzie:1999年にサービス開始した、アマチュアミュージシャンが自作の曲を公開することを目的に作られた音楽配信サービス。Aqua TimezやfripSide、アーバンギャルドなどのアーティストを輩出した。その後、BIG UP! FREEと名前を変えたのち、2017年5月31年に全サービスを終了し、その歴史に幕を閉じた。

転機となったのは2008年、社会人になり新生活を機会に「新しいことに挑戦しよう」という気持ちから、ボーカル曲を発表したいという思いが出てきたという。

しかし、周りにボーカルを担当できる人がいなかった。

そこで、ちょうど、初音ミクが1年前に発売されブームになりつつあったころだったこともあり、どのような楽曲が投稿されているか調べるためにニコニコ動画を見始めたという。

そこで、ryo(※2)やkz(※3)の作品を聞き「こんなすごい曲があるんだ!」と衝撃を受けたと語る。

※2 ryo:初音ミクブームの初期をけん引したボカロPのひとり。サークル「supercell」での活動で知られる。

※3 kz:ryoと同じく初音ミクブーム初期から活躍するボカロP。現在はソロユニット「livetune」として活動している。2012年にGoogle Chromeとタイアップした「Tell your world」は、世界217か国で配信された。同曲は『#コンパス』の初音ミクのテーマソングとしても使用されている

Tell Your World/kz

そして、2008年7月第1作「Spring」でボカロPデビューを果たした。2010年に、アルバム「LIFE SIZE NOTE -40mP-」を発売しメジャーデビュー。

その後は、アニメ『FAIRY TAIL』のオープニング曲「Evidence」をプロデュースし、演奏してみた動画で活躍する事務員Gと不定期でコンサート「虹色オーケストラ」を開催するなど、活動の場を広げていく。

さらに、2015年には、イナメトオル名義にて、ボーカロイド楽曲をセルフカバー。ボーカロイド楽曲にとどまらない活躍を続けている。

恋愛裁判/イナメトオル

からくりピエロ/イナメトオル

イナメトオルの名前の由来は、1.7mのもじり。からくりピエロのPVの冒頭でマリオネットを操っているのは、『#コンパス』でまといのテーマソングを担当したbuzzGだ

ハイスペックすぎるマルコスの設定は40mPの仕業

たまによるマルコスのイメージイラストと、開発から簡単な設定資料を受け取った40mP。

「『ハイスペックなニートってどんな人だろう?』って思ったのがスタートでした」とマルコスの第一印象を語る。

テーマソングの作曲は「悩むところはあまりなく、すんなりと出てきました」と明かす

普段はさわやかな切ない曲が多いが、ゲームのバトル中に使われると想像し、リズムをはっきりさせ、キレのよさを意識して曲作りを行っていった。

普段の曲はサビから作っていくことが多いと話す40mPだが、ハイスペックニートでは、Aメロから順にふくらますように作っていったという。

「思い浮かぶハイスペックな設定を盛っていきました」と話すように、Aメロには超人的な設定が並ぶ。

14歳で大学卒業 IQは340

タメ息出るほど容姿端麗 イケメンボーイ

体格は高身長で 運動神経バツグン

100m走も9秒台で走れんだ

普段の曲でも、曲の中で主人公の心の揺れ動きや成長を表現するように、Aメロからサビで変化をつけていくことが多いという40mP。

「ハイスペックニート」では、Aメロ、Bメロではひねくれて斜に構えていたマルコスが、ラストサビで「ねえ、誰か傍にきて 抱きしめて」と本心を吐露する流れになっている。

「完璧すぎて誰とも分かり合えないでいるというマルコスにとって、その弱みを誰かにさらけ出すというのが、彼が歩き出す第一歩じゃないかと思います」と40mPは、この曲で描いた物語を明かす。

ハイスペックニート

引きこもりな性格は彼の純粋さゆえ?

完成した曲を聞いたたまは「40mPさんの音楽によって、マルコスの設定は、さらに広がった」と話す。

キャラクターデザインとテーマソングによって形作られたマルコスについて「一言でいえば純粋な性格」と分析する。純粋な性格ゆえに、自身の完璧さに人生を達観し、ひきこもりになってしまった。

たま(ぬいぐるみ)と40mP。「普段は曲が先で、絵が後という順番。『#コンパス』では、たまさんの絵を見ながら曲を書くという普段と逆の流れになったのが新鮮でおもしろかった」と40mPは話す

たまが作成したPVでは、ラストでリリカがマルコスの前に姿を現す。

「リリカを出すかは最後まで悩みました。でも、暗い背景の曲になってしまうので、最後には希望を見せるため、彼にとっての希望としてリリカに出てきてもらいました

このリリカが現実なのか、マルコスの妄想なのかは視聴者の皆さんの想像にお任せします(笑)」

最後に、おふたりに『#コンパス』ユーザーにメッセージをいただいた。

「マルコスをたくさん使って、愛してあげてください」とたま。

40mPは「普段、曲のことを意識しながらゲームをすることは少ないと思います。

『#コンパス』は、曲名と作者が出るようになっているので、気にいった曲があれば、『このクリエーターはどんな人なんだろう』と調べてみてください」

ゲーム内でも設定でも「成長」を続けるマルコス。引きこもりの彼が、今後どのようになっていくのかはプレイヤー次第なのかもしれない

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