Apocalypse Meow: 人類救出作戦【ゲームレビュー】

『Apocalypse Now』と言えば、戦場の壮絶な人間ドラマを描いた不朽の名作映画『地獄の黙示録』の原題だ。そのタイトルをもじったSFシューティングゲーム『Apocalypse Meow: 人類救出作戦』が登場。ちなみに「Meow」とは、ネコの「ニャー」という鳴き声のことだ。

ネコが全人類の敵になった!?
意外とハードな世界観の本格SFシューティング

古典的なゲームジャンルの1つである縦スクロールシューティングゲームとしてリリースされた本作。敵機が編隊を崩さずに襲い来る様子は、往年の名作である『ギャラガ』や『スターソルジャー』のようだ。さらに、敵機から排出された鉱物を集めて自機をパワーアップしたり、目標を達成してスコアを倍増させたりと、奥深いやり込み要素は底知れない作品となっている。さらに高品質な3Dグラフィックにも注目だ。

自機の目の前に襲来する敵機は、セクター(ステージ)が進むにつれて強力になっていく

攻撃も救出もオートで、操作はシンプル

本作では、宇宙空間はセクターという単位で区切られており、一定の速度で自動スクロールするセクターを完走すればクリア。その間は自機がダメージを受けないように操作して、敵機を倒したり、隕石を破壊したりしながら進んでいく。他にも、鉱石を集める、自機の連射速度を増加させるアイテムを取る、宇宙空間を漂う人間を救出して救助船に移すなど、各セクターの中でこなしていくべき要素はかなり多い。

自機は残機制+ダメージ制となっており、100%でスタートして0%になるまでダメージを受けると破壊されてしまう。残機数の上限は10機で、自機のストックは時間が経てば回復する仕組みだ。

ゲーム開始直後のセクターでは、編隊を組んで決まったルートを飛行するだけの敵機が多いが、その攻撃パターンは徐々に複雑かつ強力になっていく。後半のセクターやボス戦では、いわゆる弾幕シューティングのような攻撃の雨にさらされることも日常茶飯事となっている。

ゲームの基本は、敵機から放たれる弾や小惑星を避けながら、人間や鉱物を収集していくこと。わずらわしい操作は一切なしの、シンプルなゲームプレイが展開する

プレイヤーが操作するのは自機の移動のみ。射撃はもとより、人間の救出や、救出した人間の救助船への移動などについて、複雑な操作は一切不要だ。射撃は完全オートで弾を撃ち続けるうえ、人間の救助も自動的に進行する。敵機を避け、弾を避け、といった正確な操作が必要なため、落ち着いてプレイできる環境が必要なので、満員電車でのプレイは避けた方が無難だろう。

チュートリアルは最小限。すぐにゲームに没入できる

冒頭のシーンで自機の基本操作を覚えたら、初期の機体を選んだり、鉱物で機体を強化するといった説明を受けながらゲームがスタート。ルールや操作は非常にシンプルで、チュートリアルも最小限になっている。

自機の強化を行う格納庫の画面。太陽のようなマークが、ゲーム内通貨に当たる鉱物を表している。

なお、本作にはイヌとネコが対立するというバックグラウンドストーリーがあり、プレイヤーはイヌ陣営のパイロットとして戦うことに。ネコの攻撃を受けた人類は母星を破壊され、存亡の危機に陥っているが、人類の永遠の友であるイヌがそれを救うという設定だ。

チュートリアル終了後も随所に会話シーンが挿入され、ストーリーが進展していく演出が用意されているが、各セクターを繰り返しプレイするゲームなので、会話シーンをスキップする機能がぜひほしかった。今後のバージョンアップに期待だ。

機体の選択:シューティング初心者にはLAIKAがおすすめ

チュートリアル中にパイロットを選択すると、それに合わせて自機の性能が変化する。シューティングゲームに慣れていない初心者であれば、機体のスピードが速いLAIKAがおすすめだ。プレイヤーの操作に対する反応が素早いので、結果的に機体の耐久力が高いMAVERICKよりも生存性が高くなるはず。チュートリアルの選択シーン以降も、格納庫で自由にパイロットを切り替えることが可能だが、格納庫で強化した内容はそれぞれの機体で別扱いになるので要注意だ。

プレイスタイルに合わせてパイロットと機体をセットで選択。ただし、その後の強化によって細かな性能は自分好みに進化させることが可能だ

セクターの最後には超巨大ボスも登場!

セクターを進んでいくと、警告のメッセージとともに敵のボスが出現する。最初に会うのは、セクター2に登場する巨大要塞。そのサイズは少なく見ても、自機の数十倍という大きさだ。画面から指を離すことでゲーム自体がスローになるという特性を生かして攻撃を避け、ボスの激しい攻撃に対抗しよう。

ボス登場の演出。人間を救助船に移乗させた後に登場する。ここまでに、可能な限り連射性能を上げておきたいところだ

セクター2の巨大要塞。各部に設置されたバーストターレットやミサイル、レーザーなどで攻撃を仕掛けてくる。弾速が遅く、配置もまばらなので、端にあるターレットから1つずつ破壊していけば危険は少ない

自機の成長が遅く、なかなか先のセクターへ進行できない

古き良き縦シューの雰囲気と充実の強化要素が組み合わさった本作。セクター中に鉱物を集めて、自機を強化していくのが基本となるが、自機の初期状態はかなり非力で、強化にかなりの時間がかかる。そのため、かなり気長にプレイするか、あるいは課金によって鉱物を増やす必要がある。

この点は、やり込み要素とは少しベクトルがずれたプレイボリュームになってしまっているように感じた。ちなみに、鉱物は敵から発射された弾が時間経過によって変化したもので、自機の強化に使用する。

各セクターに登場する多彩な敵機や、戦いながら人間を救出していく『チョップリフター』的な要素など、シューティングとしての作り込みは王道とも言える内容なので、課金に頼らずともこの魅力を享受できるチューニングをお願いしたい。

  • 使用した端末機種: iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン: iOS 8.4
  • プレイ時間:約12時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
  • 課金総額:0円

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