【中の人に聞く攻略法】第12回: 誰ガ為のアルケミスト

aikya

重厚な世界観とドラマ性を感じるストーリー、本格的なターン制シミュレーションバトルを楽しめる『誰ガ為のアルケミスト』。人気作『ファントム オブ キル』の生みの親でもあるプロデューサーの今泉潤さんに、ゲームタイトルに込められた想いから、キャラクター秘話まで、『誰ガ為のアルケミスト』の魅力を聞いてみた。

細部にまでこだわり抜いた3DタクティクスRPG誕生秘話

――『誰ガ為のアルケミスト』は、タイトルもすごくインパクトがありますね。特に、『誰ガ為』の「ガ」がカタカナなところが気になります。

今泉さん(以下、今泉):そこは引っかかるようなタイトルにしたかったので、大事なポイントですね(笑)。

Fuji&gumi Games Producerの今泉潤さん。本作のプロデューサーである

タイトルはいつも僕が全作品決めているんですが、小説『アルケミスト―夢を旅した少年―』が好きで、このアルケミストという響きにしたかったんです。

今のゲームって、名前でゲーム性がわかるものが多いじゃないですか。僕は、オリジナルにこだわって作っていて、さらに僕自身のバックグラウンドとしてテレビドラマや演劇を作っていたので、ゲームだけれどドラマ性があるものにしたかった。

だからタイトルも、小説のタイトルっぽくしようと思ったんです。

7人の主人公の姿と、ゲームのロゴが印象的なタイトル画面

僕の自論でいくと、「東京」とか「誰が為」とつくものは絶対いい作品になるんですよ、歌でも映画でも(笑)。

タイトルを決める際はロゴもいっしょに考えるんですが、語感とロゴのデザインを考慮して、「漢字とカタカナとひらがな」を混在させたものにしました。

もちろん意味もあり、「誰のための錬金術だ」という、この作品のテーマを込めたタイトルにしました。社内では「タイトルまだですか?」と何度も催促されましたが。

――主人公を7人にしたのはなぜでしょう。

今泉:ゲームの中でドラマを作りたいと思ったとき、モバイルゲームの功罪として、ユーザーが主人公のゲームは物語の傍観者にしかなれないという問題がありました。

ドラマとは主人公の葛藤を描くものでもあるので、主人公目線になって話が進められるようにしたかったんです。

ゲームって3ヵ月ぐらいで飽きてしまうものですが、1年、2年と長い期間で遊んでいただきたい。その場合、1つの世界では飽きてしまうし、僕自身も飽きちゃいます(笑)。

そこで、いろいろな世界を作ろうと思い、『タガタメ』では、ゲーム内のマイページもガラッと変わります。

1章は中世の世界ですが、2章は一気にスチームパンクになります。こうして世界観を変えることで、飽きずに楽しんでいただける工夫をしています。

また、1章の主人公たちは、その後のストーリーでも登場させる予定です。7人の主人公たちはいろいろと絡んでいきますので、そのへんも楽しみにしてほしいと思います。

第1章の主人公であるロギとディオス。正反対なタイプの2人の主人公から、物語は始まる

――確かにドラマ性はすごく感じますね。オープニングのムービーや音楽は鳥肌が立ちましたね。

今泉:最初は河森監督のOPをじっくり観ていただきたくて、スキップボタンは入れなかったのですが、みなさまからの強い要望を取り入れて、スキップボタンを入れさせていただきました。

最近のテレビドラマなどで、ドラマ性が失われた大きな理由の1 つに、携帯電話の登場があると思ってます。たとえば、恋愛ドラマの「駅ですれ違う」なんてシチュエーションは、今の時代使えないじゃないですか。あれができなくなってしまった。

それと同じようなことがゲームの世界でも起きていて……。課金で入手したキャラクターを失うということが難しい。

死んで失ってしまうということができないんですよ。それを封じてしまおうということで、主人公をユーザーではなくキャラクターとして固定することにしたんです。

つまり、『タガタメ』では、主人公に“死”というドラマが訪れるかもしれない。

――『ファントム オブ キル』(以下、ファンキル)に続いて、シミュレーションRPGという、ややマニアックなジャンルでゲームを作った理由は?

今泉:もともと、僕がシミュレーションRPGというジャンルが好きで、ものすごくプレイしていたというのも大きいです。ターン制というシステムは、ゲームを作る上で常に意識していました。

ゲームを定義したときに、僕の中では「戦略性×ドラマ」だなと。ドラマがよかったものをよいゲームとしていまだに覚えているし、戦略性という要素は僕にとってはシミュレーションだった。

そして、端末がハイスペック化したことで、ブラウザゲームとの大きな違いとしてAIが使えるようになりました。これを使って、1人で没入できるゲームを作ろうと思いました。

実は、『ファンキル』が好評だったから同じジャンルで作ったわけではなく、ファンキルがリリースされる前から作っていたものなんです。

「ファンキルよりさらに難しいものを作りたい」と……ある意味賭けでした(笑)。でも、大丈夫だろうと。これだけゲームが多様化していくなかで、こういった遊び方もあるだろうと。

――ゲームを開発していく上で、他にもこだわった点はありますか。

今泉:ゲームの仕組みとして新しいものも取り入れていて、運に左右されないようにしています。キャラクターの欠片(かけら)というものを集めていくと、レアキャラクターでも入手できるようになっています。

課金でお金かけた人と、時間をかけて遊んでいる人の価値はいっしょだと思っているので、時間をかけてちゃんと強くなれるシステムなんです。

ただ、このバランスをとるのは非常に難しくて……みんながレアなキャラクターを持っていると価値がなくなって、レアの意味がない。

それで確率を入れなきゃいけないと考えた際、時間をかけて努力したら必ず入手できるようになる「欠片システム」を導入したらいいんじゃないかと思い、このシステムを導入しました。

――戦闘システムで苦労した点はいかがでしょうか。

今泉:全部苦労しましたね。ファンキルにはなかった高さを取り入れている点もそうですが、ジョブによって攻撃の計算式がすべて違うんです。

攻撃の速さ、武器、ジョブの特性、スキルのレベルなど、ものすごい数の要素があり、立体的に組み合わさっています。

ゲームの製作は彫刻作りに似ていて、右手を作るじゃないですか。そうすると左手のバランスが気になってくる。今度は腰回りが……と。

絡み合う要素が多すぎて、脳みそが豆腐になってました。僕はスキルの名前も考えていて、1月までずーっとやってました。

強さが階段状になって、最強キャラクターとかが決まってしまうと、面白くないんですね、ゲームって。あるところは強いけど、ここは弱いみたいなところも必要で、それがユニットの個性になるんです。

想像する余地があると、パラメータについてもドラマ性が生まれるかなと。

――すべてにものすごいこだわりを感じますね。

今泉:そうなんですよ、「そこまで作るの?」って感じですが。実は、ゲーム内の『マイページ』画面見てください。メニューの背景の風景に橋がありますが、その橋には小さい人がいて歩いてるんです!(笑)。

マイページ画面。中央の橋の小さな人影に注目。空の雲もゆっくりと流れている

――あ、本当ですね。初めて気付きました。

今泉:光の動き、空を飛ぶ鳩たち、水も流れてるんです。こういうのにこだわるんです。気付いてない人もいるかもしれないですが、こういう細かい部分が「なんかいいな」という部分に刺さっていくと思います。

プロデューサーが教えるゲームのコツ

――ゲームのプレイについてですが、序盤から難易度が高く感じました。序盤をクリアするためのコツのようなものがあれば教えてください。

今泉:問題は……チュートリアルがないことなんですよ。最初から死ぬの前提で、触っていればわかるだろうというのもあったんですが、チュートリアルよりドラマに没入してほしいという思いが出てしまいました。

なので、今わかりやすいチュートリアルを作っています。

クリアするコツとしては、「キャラクターのパラメータ3:装備品の強さ7」ぐらいの割合になっています。つまり、装備が強さに大きく影響するのので、特に序盤は装備をきちんとしてみてください。

各キャラクターは装備によってジョブレベルが上がっていく。装備はクエストで獲得できるほか、店でも購入が可能

――なるほど。他にも序盤で知っておくと得する裏ワザや小技などありましたら、ぜひ教えてください。

今泉:1つおすすめなのが、クエストの1章1話1-1をクリアすると、以降は「HARD」モードがプレイできるようになります。

HARDの1-1は、弓ユニットを2体用意して、高台を攻める。そして、主人公のロギにスキル『臨戦態勢』を使わせて、敵をおびきよせ、上から弓で倒すと、クリアしやすいです。

クリア後、さらにバトルをスキップしてクリアできる「スキップチケット」を10枚ぐらい使うと、一気にレベルが10ぐらいまで上がります。

各ユニットのレベルは、自分のレベルの上限まで上げられるので、今度は経験値がたくさんもらえるアイテム「経験の林檎」をユニットに与えて強くしていくと、序盤は一気に楽になります。僕はそうして上げました(笑)。

HARDモードの1-1。『タガタメ』の特徴である高低差を生かして戦う

あとは毎日のミッションをこなすと、とてもレベルが上がりやすくなっています。

また、ゲームの仕組みもわかっていくので、やることがわからなかったら、とりあえずメニューの「ミッション」から「挑戦する」を選んでみてください。

――初心者でも扱いやすいジョブ、クセはあるけど使いこなすとすごく強いジョブがあれば教えてください。

今泉:序盤は、なんといっても飛び道具がいいと思います。ロギの臨戦態勢でおびきよせ、射るのがいちばん。あとは、ジャンプも大事なので、動きやすいシーフもおすすめです。

上級者になると、竜騎士のジャンプとかはけっこう胸が熱くなります。シュッと飛びますから。

それから、個人的には槍もいいですよ。マルチ対戦では、追い込んでいって「オレごと貫け!」なんてのもできます(笑)。

――お気に入りのキャラクターがいれば教えてください。

今泉:僕は……アルミラが好きですね。クオリティーが高い。それから、ミハエルかな。おじいちゃんがいるのはゲームとしてよいと思ってます。あとは、槍もちのラミアも好きですね。かわいい。

女性陣にはディオスの人気が高いですね。

――今、クエストは1章ですが、これはどのぐらいのボリュームがあるんでしょうか。

今泉:1章は5話まであります。で、1話30ステージあるので、1章全部で150ステージを用意しています。

――今後の取り組みや予定している新要素などは?

今泉:そう遠くない時期に「キャラクタークエスト」の導入を予定していて、主人公以外のキャラクターである“過去の英霊”たちのドラマを描いていきます。

実は待機画面での台詞は、時間で変わるんですが、深夜3:00ぐらいのセリフには、パーソナリティが込められたものがあるんです。

そういった別の時間軸の物語を、今後のキャラクタークエストで描けていければと思っています。

――最後に、この作品をプレイしているユーザー、これから始めるユーザーに向けて、ひと言お願いいたします。

今泉:音楽やストーリー、アニメもがんばった豪華キャストのゲームです。ダウンロードしないと損といえるほどに仕上がったと思っています(笑)。

最初はわかりづらいし、難しいと感じるかもしれませんが、奥行きのある息の長いゲームです。コツコツやっていくと、キャラクターも強くなっていきますので、キャラクターをじっくり育てて、長く遊んでほしいと思います。もちろん、細かい調整や改善もどんどんしていきます。

ちなみに、次回作は和もので、曲は久石譲さんです。『ファンキル』も『タガタメ』もがんばっていますが、こちらも期待してください。

(c) Fuji&gumi Games