GeneX【ゲームレビュー】

ブシロードと言えば『ヴァイスシュヴァルツ』や『ヴァンガード』など、多くのTCG(トレーディングカードゲーム)を手掛けていることでも有名だが、今回紹介する『GeneX(ジーンクロス)』はスマートフォン向けのオンラインカードゲームだ。『ゆるゆり さん☆ハイ!』『ご注文はうさぎですか?』『STEINS;GATE』などの人気アニメキャラクターがカードとして登場し、現在絶賛放映中の『おそ松さん』の参戦も決定している。

人気アニメがオンラインカードゲームに参戦!

『GeneX』は2015年12月にAndroid版がリリースされ、追って2016年1月にiOS版もリリースされた。リリース当初は『ゆるゆり さん☆ハイ!』と『ご注文はうさぎですか?』の2タイトルのみで少しさびしかったが、アップデートで『STEINS;GATE』が加わり、徐々に盛り上がりも増してきた。今後追加予定のアニメタイトルは以下のとおり。

  • 『劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ~逆襲のミルキィホームズ~』
  • 『みにヴぁん』
  • 『おそ松さん』

『GeneX』は、これらアニメタイトルのキャラクターカードを使用してデッキを構築し、他のプレイヤーのデッキとのバトルを楽しむことができる。また、一般的なTCGのように山札からカードを引くタイプではなく、選定した10枚のカードをフィールド上に配置し戦う、戦略シミュレーション的なバトルも本作の魅力だ。

9枚の配置が重要なカードバトル

カードの絵柄には主にアニメやゲーム内のシーンが使用されているが、中には1枚絵のイラストも存在する。レアリティが高いほど、カードの絵柄も豪華になっていくので、ファンならぜひ手に入れたいところだ。

アニメの1カットもいいが、1枚絵も捨てがたい

「その他」の「カード一覧」からは全種類のカードを閲覧できる。星4カードのひらめく姿には神々しさすら感じる

ここで問題になるのが、ゲーム開始時に使用するデッキだ。もちろん最初にデッキ1つ分のカードがもらえるわけだが、それは『ごちうさ』『ゆるゆり』『STEINS;GATE』でランダムなのか? 好きなものを選択できるのか? などと考えている方もいると思うが、安心してほしい。『ごちうさ』『ゆるゆり』『STEINS;GATE』それぞれデッキ1つ分のカードをもらうことができるのだ。

ゲームスタート時点で『ごちうさ』『ゆるゆり』『STEINS;GATE』のデッキを使用できる

ただし、ガチャは作品ごとに分かれているので、どれを引くか決める必要がある。最初に無料で引ける10連ガチャ(パック)も、1作品分だけだ。ここが非常に悩ましい

どのカードパックを引くか決めることができても、次に悩むのはデッキ作りだ。デッキはカードごとに異なるステータスだけでなく、それ以外の要素も踏まえて使うカードを選ばなくてはいけない。

カードの性能以前に「どのキャラクターを使うか」で悩んでしまうが、好きなキャラクターだけ使って勝てるほど『GeneX』は甘くない

まず、前提として『GeneX』に山札の概念はなく、縦3列横3列の9マスに任意でカードを配置する。バトル中に使用できるのは、この9枚+クロスカード(場に置かれた特殊効果のあるカード)の計10枚だ。

計10枚のカードを使い、緊張感のあるバトルを繰り広げる

デッキ作りで最初に注意するポイントは、カード右下のオレンジの円に書かれている1~3までの数字だ。これはそのカードの攻撃可能距離(レンジ)を表す。実際にバトルをしてみるとすぐに理解できると思うが、キャラクターカードは基本的に対面にあるカードにしか攻撃できず、さらにレンジ内に相手カードがなければ攻撃できない。

キャラクターカードは対面にあるレンジ内の相手カードを攻撃する。上の赤で囲ってあるカードのレンジは1なので、目の前にあるカードを攻撃することができる

上の画像のように、レンジ1のカードを中段に置いてしまうと攻撃ができなくなってしまう

自陣のカードが破壊されると、その空いたマスに後ろのカードが詰めるので、レンジ外に配置したカードもまったく攻撃できないわけではないが、何か特別な作戦がなければ順当に配置した方が無難だ。

例え初期配置がレンジ外だったとしても、前に詰めた時レンジ内に入れば攻撃できる

「リンク」する事で特殊な効果が発動!

さらにもう1つ、『GeneX』をプレイする上で重要なのが「リンク」だ。カード左上に「LINK」という文字と共に、上下左右いずれかの向きに矢印が描かれているが、同じ色の矢印が上下左右のカード同士で向き合うと「リンクがつながった」状態になり、カードによってさまざまな効果を得られるようになる。

左上に描かれた同じ色の矢印が向き合うように配置するのが基本となる

リンクは一度に複数枚と繋がることができ、中にはすべての色とつながれる特殊なものも

リンクがつがったときの効果は、カードの詳細画面から確認できる

10枚のカードを選定し配置を決めたら、最後に攻撃順を決めてデッキ完成だ。攻撃順はバトル中に変更できるので、ここはとりあえず上から順でも問題ない。ただし、1ターン目に使ってこそ意味のあるスキルなど、順番がものをいう場合はよく吟味しよう。

スキルの種類によっては、攻撃順が戦況に大きな影響を与えることも

カードを10枚選ぶのも難しいが、さらにレンジやリンクを考慮するとなると、思い描くデッキを再現するのにかなり苦労する。しかし、このデッキ作りこそが、いちばん悩ましくもあり楽しくもあるポイントだ。また、対戦ルールによってはコストも気にしないといけない。様々な取り決めがある中、満足いくデッキができるか否かが最初の課題になりそうだ。

他のプレイヤーのデッキとバトル

デッキができたら実際にバトルをしてみよう。初めてプレイする方は、チュートリアル用のバトルも用意されているので、そこで練習してバトルの流れを掴むといい。

チュートリアルをクリアすると、カード1枚が手に入る「パック交換券」が入手できる

『GeneX』の対戦には、ルールの異なるいくつかのモードがある。以下はそれぞれのモードの特徴だ。

  • フリー対戦(ネオスタンダード):同一作品のみで組まれたコスト50までのデッキが参加可能
  • フリー対戦(スタンダード):異作品で組まれたコスト50までのデッキも参加可能
  • フリー対戦(ネオスタンダード・コスト無制限):同一作品のみで組まれたコスト上限のない対戦
  • ランク対戦(ネオスタンダード):勝敗によってポイントが増減する。ポイントが一定値を上回るとランクアップ、下回るとランクダウンする

デッキは5つまで組むことができるので、それぞれのモードに合わせたデッキを用意しておこう。

対人戦が待ち望まれる

対戦は実際に他のプレイヤーが組んだデッキと戦うことができるが、いわゆる対人戦ではない。デッキこそどこかの誰かが組んだものだが、コンピューターがその意図を100%理解して戦っているとは思えないので、いまひとつ緊張感に欠ける。

対戦は他のプレイヤーが組んだデッキと戦うコンピューター戦。実装されれば一気に殺伐としそうだが、やはりTCGの醍醐味は対人戦だろう

バトルの基本的な進め方は、攻撃する順番を決めてフェズを進行させるだけだ。あとは好みのタイミングで、クロスカードやスキルの使用を使用し、相手のカードを全滅させれば勝利となる。細かい駆け引きはなく、デッキ構成とリンクとカードの強さでほぼ勝負が決まってしまうが、スキルの使い方によっては格上のデッキに勝つこともあるので、最低限の戦略性は残っている。

バトルは淡々と進む印象だが、スキル使用時はカットインが入りテンションが上がる

人気アニメキャラクターで行うオンラインカードゲーム、しかも参戦タイトルが『ごちうさ』や『ゆるゆり』ということで個人的にも注目しているタイトルだが、さらなる盛り上がりを見せるには対人戦が必要不可欠。現状ではカード集めがメインになってしまいそうだが、今後のアップデートにも期待したい。

  • 使用した端末機種:Xperia Z SO-02E
  • OSのバージョン:Android 4.4.2
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.1.1
  • 課金総額:0円

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