アプリで蘇る! 使わなくなったタブレットをPCのサブディスプレイで活用

sabdisplay

手元に使わなくなったタブレットがあったり、最新機種への買い替えを考えていて、端末が余る予定の方もいるだろう。この記事では「タブレットをPCのサブディスプレイとして使用する」活用法を紹介。各アプリの特性を理解して、用途に合う1本を選んでほしい。

不要なタブレットをPCのサブディスプレイとして活用

iPadやNexus 7が発売された当初は大きく盛り上がったタブレット市場だが、6インチ前後の大型ディスプレイを搭載したスマートフォンの登場もあってか、棲み分けも難しくなり、注目を浴びる機会も減ったように思う。あのころに購入した、今では使わなくなったタブレットが眠っている方も多いだろう。

買取価格もイマイチ

使わないなら売ればいい、と思う方もいるかもしれないが、古いタブレットの買取価格はかなり低い。例えばデジタル家電の買取、販売を行なっている某店での、Nexus 7(2012)16GB Wi-Fiモデルの買取価格は5,000円前後。Nexus 7(2013)16GB Wi-Fiモデルでも9,000円前後だ。初代ipadにいたっては、2,000~3,000円の買取価格が相場のようだ。いくら使ってないとはいっても、この価格での売却には躊躇する方も多いだろう。

余っているタブレットの有効活用

そこで、もう使わなくなったタブレット端末を、PCのサブディスプレイとして使ってみるのはどうだろうか。マシンスペックはあまり要求されないので、古い端末でもおおむね問題なく利用できるし、何より今ある端末を利用できるので経済的だ。また、年始の福袋やセールで勢い余って購入してしまったものや、新機種への買い替えで余ったタブレットの使い道としても有効だ。

ということで、ここからはタブレットをPCのサブディスプレイとして利用できる、便利なアプリをいくつか紹介していく。

iDisplay

  • 対応OS
    Android 2.2以上 / iOS 5.1以降
    Windows XP(32ビット版のみ)、Vista(32 / 64ビット版)、7 (32 / 64ビット版)、8
    Mac OS X 10.5以降
  • 接続方法
    有線 / 無線

『iDisplay』のPC用ソフトは、公式サイトからダウンロードできる。自分が使っているPCのOSに合わせて、ソフトのダウンロードとインストールをすませておこう。

PC用のソフトは公式サイトからダウンロード、スマホ用のアプリはGoogle PlayもしくはApp Storeからダウンロードする

シンプルな機能で使いやすいが……

『iDisplay』は他の同種のアプリと比べてシンプルでわかりやすく、あまりPCやスマートフォン/タブレットに詳しくない方でも簡単に導入できると思う。機能も比較的シンプルな部類だが、タッチ操作やキーボード入力、ピンチイン/アウトなど基本的な操作は行うことができる。

表示方式には画面の複製と拡張があるが、Windows PCでは拡張のみ利用可能。また、1つのソフトを選択してタブレットに全面表示させる「シングルウィンドウモード」も利用できない

PCの横にスタンドを置いて立てかければ、気軽に使えるサブディスプレイになる

安価でシンプルなのはいいが、肝心の安定性はイマイチだ。iPad Airとは問題なく接続できるが、今回利用したNexus 9では接続に失敗することが多々発生した。また、iPad AirでもNexus 9でも表示崩れが頻発し、常用は難しいかもしれない。アップデートはiOS版、Android版ともに1年以上行われていないので、今後の改善も望めそうにないのが残念だ。

TwomonAir

『TwomonAir』は多彩な機能が魅力的なアプリで、安定性も高い。価格比較的安価で、バランス的には今回紹介する中ではいちばんいいかもしれない。基本情報は以下のとおり。

  • 対応OS
    Android 4.0以上 / iOS 5.1.1 以降
    Windows XP、Vista、7、8 & 8.1、10
    Mac OSX 10.7、10.8、10.9、10.10
  • 接続方法
    有線 / 無線

『TwomonAir』もPC用のソフトをインストールする必要がある。公式サイトからダウンロードしよう。

右端の「DOWNLOAD」ボタンを押すと、各OS用のリンクが出現する

豊富な機能と高い安定性が魅力

『iDisplay』同様の簡単な操作で接続でき、タッチ操作が可能。さらに、3本の指でタップすると出現するコントロールパネルには、タブレットのディスプレイをトラックパッドのように使えるマウスモードや、画面モードが切り替えられる機能の他、電卓やゲームコントローラーまで内蔵している。

試しにカーレースのブラウザゲームをコントローラーでプレイしてみた。ちゃんと動作して驚いたが、とにかく持ちづらかった

『iDisplay』はタブレットからPCのブラウザを操作すると、すぐに画面が固まったりしていたが、『TwomonAir』では比較的スムーズに操作できる

PCの画面をタッチパネルで操作するので不思議な感じだが、ブラウザ程度であれば問題なく操作できた。とはいえ、ボタンが小さくて押しづらかったり、ピンチインで拡大しようとして意図しないリンクをクリックしてしまったりと、使い勝手がいいわけではない。マウスなしでの操作は少し厳しそうだ。

Duet Display

『Duet Display』は元Appleのエンジニアチームが開発したアプリで、今回紹介する中で唯一の無線接続非対応アプリだが、その分セッティングはとても簡単だ。基本情報は以下のとおり。

  • 対応OS
    iOS 8.0 以降
    Windows 7以降
    OS X 10.9以降
  • 接続方法
    有線

こちらもPC用のソフトは、公式サイトからダウンロードする。

Windows利用者は、右側の「Download PC」ボタンをクリックしよう。あとは、指示に従ってインストールを行うだけだ

最小限の機能でシンプルに

準備が整ったらアプリを起動し、タブレットとPCをライトニングケーブルで接続。するとすぐに(Windowsの場合はドライバーの自動インストール終了後)PCの画面がタブレットに映し出される。

非常に簡単だが、初期状態では画面が複製されPC側の解像度が下がってしまっているので、PC側から設定を変更する必要がある。画面を拡張すると、自動的に解像度も元に戻るはずだ。

タブレット側の解像度は、ディスプレイの「2. 汎用非 PnP モニター」を選択して変更する

タスクトレイまたはデスクトップのショートカットなどから『Duet Display』アイコンをクリックすると、各種設定が行える。タブレットの解像度は、ここでも変更可能だ

タブレットに映し出されたものはタッチ操作が可能になるが、その他にはこれといった機能はなく、無線接続に対応していないので、離れた部屋からPCをミラーリングする、リモートデスクトップ的な使い方もできない。純粋にタブレットをサブディスプレイとして使用するアプリだ。価格は少々高めだが安定性はとても高く、余計な機能は必要ないという方にオススメだ。

Air Display 3

『Air Display 3』はiOSとMacにのみの対応なので、利用できる方は限られているかもしれない。基本情報は以下のとおり。

  • 対応OS
    iOS 7.0 以降
    OS X 10.8以降
  • 接続方法
    有線 / 無線

PC用のソフトは公式サイトからダウンロードするが、ダウンロードリンクがどこにあるのかわかりにくい。メールアドレスや名前の入力も必要なので、導入のハードルが少し高い。

トップページの『Air Display』アイコンをクリック→ページ下部の「Get the free driver」をクリック→名前とメールアドレスを入力するとダウンロードリンクが出現する

感圧式のスタイラスペンが利用できる

『Air Display 3』最大の特徴は、感圧式のスタイラスペンが使用できることだろう。ただし、iOS 9についてはサードパーティライブラリのバグのにより、圧力感度は一時的に無効化されている。今回試すことができなかったのでどこまで細かい作業が行えるか不明だが、PhotoshopやIllustratorなどで写真のレタッチやイラスト制作も行えるそうだ。

感圧式のスタイラスペンと対応ソフトを使えば、iPadが簡易的な液タブとして使用できるはずだが、iOS 9ではエラーが表示される

筆圧の設定や各種ボタンの機能割り当てなど、本格的に利用できるようだ

タッチ操作は可能だが、スクロールがうまくいかなかった。動作も少しもっさりしている印象で、動画やゲームなど動きの激しいものではカクつきが目立つ。USB接続して使用すれば、動きの遅さは多少改善されるので、できればそちらを利用して欲しい。なお、AndroidやWindowsには『Air Display 2』が対応している。

Komado2

『Komado2』は使用できる時間と機能が制限されてはいるが、無料で試用することができる。課金する前にある程度触れるというのはうれしいポイントだ。基本情報は以下のとおり。

  • 対応OS
    Android 2.3.3以上 / iOS 7.1以降
    Windows 7(32 / 64ビット版)、8(32 / 64ビット版、RT対象外)、8.1(32 / 64ビット版、RT対象外)、10(32 / 64ビット版)
  • 接続方法
    無線

『Komado2』も他のアプリと同じく、公式サイトから専用ソフトをダウンロードする必要がある。

スマートフォン、タブレット向けアプリはAndroid、iOS共にリリースされているが、PCはWindowsにのみ対応している

2分間限定で機能の一部を無料で試せる

使用するPCとタブレットは同じWi-Fiネットワークに接続されている必要があり、タブレットで『Komado2』を起動すると「接続先」に『Komado』をインストールしたPCの名前が表示されている。これをタップすれば、PCと接続される。

タブレットに映し出されるのは、PCの画面を複製したもの。無料版では約2分間試用できるが、再接続まで数十秒待たなくてはならない。また、機能も大幅に制限されている

Android版の場合はアプリ内課金で制限を解除すれば、時間無制限でフル機能を利用できるようになる。iOS版は有料版が別途配信されている

有料版では拡張表示ができたり、解像度の変更などが行える。ピンチイン / ピンチアウトの操作は行えるが、ボタンをクリックしたりなどのタッチ操作は不可。また、デスクトップを拡張表示するには「ミステルモード」に対応しているか、「Komadoビデオドライバー」をインストールする必要がある。詳しくは公式サイトのinfoに記載してあるが、対応OSなどに差異があるようだ。

筆者のPCはミステルモード非対応だったため、Komadoビデオドライバーをインストールした。ドライバーインストール後はPCの再起動が必要になる

気になる遅延は? 動画再生未対応のアプリも

サブディスプレイを導入する上で気になるのが、やはり遅延だろう。テキストファイルや軽いサイトを見る分にはどれも問題ないと思うが、動画サイトの閲覧になってくるとかなり差が出てくる。以下は、各アプリでYouTubeの動画を再生してみた結果だ。

画面を拡張し、YouTubeで動画を再生してみる

  • iDisplay : 動画再生不可。画質や動画の種類に関わらず、画面が固まってしまう。
  • TwomonAir : 1,080p動画で若干の残像感。よく聞くと音声も遅延している。
  • Duet Display : 1,080p動画でも残像感少ない。音声の遅れはそれなりにある。
  • Air Display 3 : 1,080pでかなりのカクつきと音声の遅れ。視聴できるギリギリのレベル。
  • Komado2 : 動画再生不可。画質や動画の種類に関わらず、画面が固まってしまう。

使用した端末はiPad AirかNexus 9で、iOS版とAndroid版があるものは両方で試したが、同様の結果だった。この中では『TwomonAir』『Duet Display』あたりが、動画再生にはよさそうだ。

といっても、この結果は主観によるもので、人によってはどれも「視聴に耐えられない」と判断するかもしれない。そこで、PCの画面をタブレットに複製し同じ画面を表示。その状態でブラウザ上でストップウォッチをスタート。2つの画面を同時に写真に収め、その時に指したタイムの差で、どの程度の遅延があるのか測定してみた。

その結果がこちら。

アプリ名PCに表示された秒数タブレットに表示された秒数秒数の差
iDisplay画面が固まり、計測不可
TwomonAir2.382.250.18
Duet Display2.782.720.06
Air Display 32.652.580.07
Komado22.612.530.08

画像は『Air Display 3』で計測した際のもの。表示される秒数に違いがあるのがわかる

対応機種や有線、無線などの違いがある以上、環境をまったく同じにすることはできないので、これはあくまで目安にしかならない。しかし、前述の動画再生と合わせて考えれば、有線接続で有利とはいえ『Duet Display』が最も優秀といえるだろう。機能は少なく高価なアプリだが、iOSタブレットをサブディスプレイとして使う場合はこれをおすすめしたい。Androidタブレットの場合は、個人的には『TwomonAir』がおすすめだが、『Komado2』も動画再生以外はじゅうぶん使えるので、まずは無料版を試してみてほしい。

画面が狭いので大掛かりな作業には向かないが、Twitterのタイムラインを表示するなどの軽いものであれば、タブレットでもストレスなく使用できる。使わなくなった端末の有効な利用方法としては、まさにうってつけではないだろうか。

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