Fate/Grand Order【ゲームレビュー】

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全国のマスター必見のスマートフォン向けRPG『TYPE-MOON / FGO PROJECT』(以下、FGO)のAndroid版が配信された。これまでアニメ、コミック、小説など、さまざまな媒体で展開してきた「Fate」シリーズだが、今作はスマホ用RPGということで、プレイできる日を待ち望んでいたファンも多いことだろう。

また、完全新規で描かれるシナリオには奈須きのこ氏を中心に、『Fate/Apocrypha』の東出祐一郎氏や『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』の桜井光氏など、Fateシリーズに関わってきた多数の作家陣が携わっている。文字数100万字をも超える圧倒的ボリュームのメインシナリオは、ただ読み進めるだけでも楽しめる仕様になっているはずだ。

謎に包まれた盾のサーヴァントの正体が明らかに!?

本作では、メインシナリオを読みつつ進行していくAVG(アドベンチャーゲーム)パートと、サーヴァントを駆使して戦うバトルパートで、ゲームの内容が大きく2つに別れている。

かつてない規模の聖杯戦争が描かれるAVGパート

AVGパートでは、既存作品のようにマスターとサーヴァントが1つの聖杯を奪い合うのではなく、人類史の危機を回避するために7つの時代を巡り歩くことが目的となる。プレイヤーは各時代の中で聖杯が観測された特異点を赴いて、原因を探っていくことに。

盾のサーヴァントの正体は、今作の舞台である人理継続保障機関(カルデア)で主人公のことを「先輩」と呼ぶマシュ。他のクラスと違って唯一、弱点相性の存在しないのが特徴だ

状況に適したカード選びが鍵を握るターン制コマンドバトル

次にバトルパートについてだが、「タクティカルフェイズ」と「コマンドフェイズ」の2種類あるフェイズの間、プレイヤーは合計15枚のデッキからターンごとに5枚をドローし、そのうち3枚を選択してサーヴァントに命令する、というのが基本的な流れ。各フェイズで行動を終えたあとは敵側のターンとなり、そこで1ターンが終了となる。

戦闘時には3騎のサーヴァントを率いて、バスター、クイック、アーツといった3種類のカードから同じ絵柄のキャラやコマンドを選択して攻撃していく

タクティカルフェイズ

タクティカルフェイズで出来ることは、以下の3つ。

  1. サーヴァントスキルの使用
  2. マスタースキルの使用
  3. 命呪の使用

いわゆる攻撃前の準備タイミングで、攻撃力を上げたり弱点への耐性を高めたりと、状況に応じてスキルを使い分けていく必要がありそうだ。

1~3はどれも自分のターンに使うことができ、1ターンに1回しか使えないといった制限もないため各キャラに複数のバフをのせることも可能。ただし、どれも再使用するまでにリキャストタイムがあるので、工夫して使っていく必要がありそうだ

コマンドフェイズ

スキルや命呪などでステータスを強化したあとは、サーヴァントたちの攻撃方法を決めるためにコマンドカードを選択。このときクイック、アーツ、バスターといった3種類あるカードの選び方によって、さまざまな効果が発動される。例えば、

  • ブレイブチェイン:コマンドカードに描かれたサーバントを揃えることで3回の攻撃にエクストラアタックが追加され、締めに強力な一撃を与える
  • クイックチェイン:クイックのカードを揃えることで発動。攻撃のクリティカル率を高めるスターが手に入りやすくなる
  • アーツチェイン:アーツのカードを揃えることで発動。各サーヴァントは宝具といった必殺技を持っており、これを発動するためのNPゲージがたまりやすくなる
  • バスターチェイン:バスターのカードを揃えることで発動。攻撃するサーヴァントの攻撃力が上昇し、通常より大きなダメージを与えることができる

といった感じに、揃え方次第でさまざまな恩恵が付与される仕組みに。

なお、コマンドカードを揃えられない手札でも、選択したカードの効果は得られるうえに、その場合は通常攻撃になるので、必ずしもチェインを発動しなければならないといったわけではないようだ。

宝具には攻撃力ダウンや呪いなど、さまざまな効果がついている。迫力ある発動シーンは必見だ

サーヴァントの能力を引き上げる概念礼装

人や物といった物質、歴史や物語といった積み重ねられてきた事象、魔法や魂といった神秘とされるもの。他にも沢山あるが、すべてに共通して言えることは、“概念”が備わっているという事。(概念=ある事物の大まかな意味内容)その“概念”を摘出し、能力として身につけられるようにしたものを、概念礼装(Craft Essence)と呼ぶ。

概念礼装はサーヴァントごとに装備することが可能。宝具の威力やコマンドカードの性能を高めたりと、戦闘を有利に進められる効果がさまざまに存在する。ただ、1つだけ注意したいのはサーヴァントと同様にコストが設定されているため、序盤だとパーティーすべてに装備できないということ。使いこなしていくには、ある程度プレイヤーレベルを上げる必要があるだろう。

この例のようにNP獲得量がアップする概念礼装だと、クイックのコマンドカードを多くもったサーヴァントに装備させることで、宝具の発動が素早くなるため、単体のボス戦ではかなり有利に戦闘を進められる

戦闘の流れや現状の召喚システムについて

おそらく多くのプレイヤーが気になるポイントとしては、戦闘時のテンポの悪さや、サーヴァントと概念礼装が一緒になった召喚(ガチャ)の2点だろう。前者の問題としては、速度を倍にしたり宝具の発動シーンのスキップ機能などがほしいところ。また、コマンドカードをすべて同じキャラで揃えると発動するチェイン攻撃中に、敵のHPが0になっても攻撃を続ける、いわゆる死体殴りについても不満を持ってしまうプレイヤーは少なくないはず。

後者の問題としては、現状のガチャシステムがサーヴァントと概念礼装が一緒になっているため、排出されるものに偏りがあること。しかし、この点についてはFateシリーズの作品数やサーヴァントの数を考えると、筆者個人としては妥当だと思う。しかし、今後コラボやイベント等で新たなキャラが増えていくはずなので、いずれは別々に排出されるようになるかもしれない。

西暦2015年以降の人類を救うため、7つの聖杯探索(グランドオーダー)を巡る旅へ

これまでのFate作品で登場したサーヴァントを自分の手で操作できるうえに、TYPE-MOON初のスマホゲーということで、正直なところ配信されるまでは期待半分、不安半分といった心境だった。しかし、いざプレイしてみると想像以上に楽しめており、休みの日は1日中プレイに没頭しているほどだ。新たなサーヴァントや設定なども確認できるので、特にファンなら必ずプレイすることをおすすめする。

ちなみに、iOS版についてだが、運営によると審査が通過でき次第配信するとのこと。8月1日の時点で出ていた情報なので、それ以降の動きについては公式サイトや公式Twitterを確認してほしい。

なお、先行して配信されたAndroid版では、リリースキャンペーンやスタートダッシュキャンペーンなども行われている。召喚やサーヴァントの所持数を増やすために必要な「聖昌石」を最大40個もらえるので、プレイヤーの方は忘れずに毎日ログインしておくように。

最後に、まだプレイしていないというマスター諸君へ、僭越ながら筆者から一言コメントを贈らせて頂こう。

喜べ読者たち。君たちの願いはようやく叶う

初めて10連召喚をためして引いたエリザベート。イラストはワダアルコ氏が担当しており、FateシリーズでいうとPSPの「Fate/EXTRA-CCC」で登場したサーヴァントだ。余談だが、筆者のデータではリーダーとして活躍してくれている

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