サッカーファンが本気で楽しめるスマホゲーム3選: 欧州クラブチームサッカー BEST*ELEVEN+

本連載の第1回、2回めはいずれも海外の作品を取り上げたが、3回めとなる今回は国産タイトルからgloopsの『欧州クラブチームサッカー BEST*ELEVEN+(ベストイレブンプラス)』を紹介する。シリーズ第1弾の配信がすでに久しい作品ではあるが、11月27日より2015-16シーズン、すなわち最新のデータに対応した選手カードが登場したこのタイミングで、本作の魅力などについてあらためて見ていくことにしよう。

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最新データで遊べるサッカーシミュレーション

本作は選手カードを集めてチームを編成し、決まった時間になると自動で試合が行われる、シミュレーション方式のサッカーゲームだ。基本プレイは無料で、サポートコインと呼ばれる仮想通貨を購入する際は有料となる。サポートコインは、新規の選手カードを引くためのチケットやアイテム類などと引き換える際に使用する。

『欧州クラブチームサッカー BEST*ELEVEN+』のメインメニュー画面

ポイント1:有名選手やチームが実名で登場!

本作のいちばんの魅力はイングランド、ドイツ、スペイン、イタリア、フランスの5ヵ国から28のクラブチーム、および在籍選手とコーチ(監督)が実名で登場するところにある。中でも、ドイツのブンデスリーガのラインナップは特に充実しており、名門のバイエルン・ミュンヘンから最近昇格したばかりのダルムシュタットまでも網羅し、今がまさに旬の武藤嘉紀をはじめ長谷部誠、内田篤人、酒井高徳などの日本人選手もバッチリ登場する。

日本ではあまりなじみのないチームも含め、多くの選手が実名で登場するのが大きな魅力だ

本物の写真を使用していることもあり、選手、コーチカードのデザインが総じてカッコいいのもサッカーファンにとっては実によろこばしい限り。レアリティは低い者からR、SR、SSR、SPECIAL、EXTREMEの全5段階で、当然ながらレアなものほど派手なデザインになっている。

有名監督も選手の育成に使用するコーチとして登場。写真はかつて香川真司を指導した現リバプールのユルゲン・クロップ

新カードデザインの一例。15-16シーズンの最新データを反映しているのがうれしい

新規のカードは、いわゆるガチャにあたる「スカウト」メニューから、各種ミッションの報酬や、課金によって増やしたサポートコインでチケットを入手し集めることができる。チケット類がなくても1日2回カードが無料で引けたり、後述する「視察」を実行中にも新規カード入手イベントが発生するなど、新しいカードを引けるチャンスがひんぱんにあるのも長所といえる。

レアリティごとに引ける確率があからじめ明示されているのもありがたい

ポイント2:戦術アイテムの選択と「スキル」が重要

試合は毎日10:00と19:00にリーグ戦が自動で行われ、勝敗によって報酬や選手の経験値などがもらえる。リーグはまずいちばん下のアマチュアリーグからスタートし、全日程が終了後に成績に応じて所属リーグの昇降格やアイテム類のプレゼントがある。

試合中はプレイヤーが戦術や選手の交代など、直接指揮を執る必要はいっさいない。プレイヤーが日々実施するのは、「チーム管理」メニューでのメンバーの編成および選手の強化と、後述する「視察」と呼ばれるメニューから実在のチームを視察しつつ、アイテムや選手カードの獲得や練習試合などの各種イベントをこなすことである。

「チーム管理」メニューではスタメン、リザーブの選手、フォーメーションや戦術の決定のほか、試合中の選手交代プランも設定することが可能。フォーメーションやプレッシング、パスワークなどの戦術がアイテム扱いになっているのが本作ならではの特徴で、「視察」を繰り返していると入手できることがある。選手を強化したいときは、不要になった選手カードやコーチカードを消費することによって選手を個別にレベルアップさせることができる。

スタメン、サブの選手はドラッグするだけで簡単に入れ換えが可能

コーチカードや不要な選手カードを使って主力選手を強化していく

プレイヤーが任意のフォーメーションを作ったり、戦術を自由に選べないことに当初は正直戸惑いがあった。しかし、後になって選手が経験を積むと修得することができる「スキル」が、選択した戦術などによって発動したりしなくなったりすることに気付いたことで納得できた。つまり、試合を有利に進めるためには、「スキル」が発動しやすいフォーメーションや戦術を選択するという戦略性を生み出す意図から、このようなアイテム方式を採用したということなのだろう。

また、本作ではレアリティが上位のカードほどコスト(本作では運営ポイントと呼ぶ)が高くなり、集めたカードの運営ポイントの合計値が上限を超えてはいけないルールになっている。だが、筆者が試した限りでは、そのときどきで引いたカードをコストをまったく計算せずに遊んでいても、上限を超える場面が一度も発生しなかった。よって、課金して最高ランクのEXTREMEをかき集めたりでもしない限りは、運営ポイントがあふれにくいようにあらかじめ調整しているのだろう。

カードのレアリティが高いものはコストが大過ぎたり、あるいはプレイヤーのレベルを上げないと使用が解禁されずデッキに組み込むのを断念したなどという、カードゲームでよくありがちなストレスをいっさい感じなかった点には好感が持てた。

選手ごとの適性ポジションだけでなく、「スキル」が発動しやすいフォーメーションや戦術を見極めることも必要だ

試合中のアニメーションもなかなかの迫力で、試合後に勝敗がいかにして決まったのかを示すダイジェストが詳しく記述されるのも本作のいいところ。筆者が練習試合も含め100試合ほど試したところでは、チームのオフェンスおよびディフェンス値が相手を少しでも上回っていれば、簡単には負けないように調整してある印象。よって、勝因、敗因の分析はシンプルでわかりやすくなっているといえるだろう。

ただ惜しむらくは、試合に勝っても負けてもワンサイドゲームになるケースが非常に多く、スリル感という点ではちょっと物足りなかった。ゴールを決めたり決められたり、あるいは決まりそうで決まらない、クロスゲームになる(見える)ような演出がもっとあればなおよかったかもしれない。

試合のダイジェストはアニメーションを交えつつ展開される。ゆっくり見る時間がない場合は、リザルト画面にいつでもスキップさせることが可能だ

ログで試合の経過が詳しく表示される。「スキル」が発動するほど、より有利に試合が展開するようだ

ポイント3:カードコレクションとフレンド集めのしやすさ

「視察」とは、行動ポイントと呼ばれるパラメータを使用して、文字どおりチャプター(ステージ)内にある実在のチームを視察するというもの。同じチームの「視察」を数回繰り返すと、フォーメーションや各種戦術アイテムを入手したり、新カード獲得のチャンスが得られるイベントなどが発生するメリットがある。

プレイヤーが最もひんぱんに行うことになるのが各チームの「視察」だ

チームごとに「視察」の達成度が100パーセントになると報酬がプレゼントされ、さらに100パーセントを達成したチーム数が増えると、新たな視察ステージがどんどん追加されていく。また日替わりで登場する「視察」イベントでは、条件次第で特殊なフォーメーションなどが手に入ることもあるようだ。

「視察」を実行するたびに達成度がアップし、各種イベントがしばしば出現する

さらに「視察」を繰り返すと監督レベルがアップし、行動ポイントやフレンド登録の上限が増えるメリットなども用意されている。なお、行動ポイントは一定時間おきに自動で回復するが、回復アイテムを使用すればすぐに満タンまで回復する。

選手カードが手に入るチャンスイベントが発生したところ。規定の額のサポートコインを使用すればカードを必ず入手できる

新しいフォーメーションや戦術などがもらえることもある

「視察」の最中には、他のチームとの練習試合イベントがしばしば発生する。「視察」をこまめに実行することによって、1日2回のリーグ戦に限らず、試合をする機会がたくさんできるのもうれしい。試合をこなすことでチームが成長するのはもちろん、試合が適度に挟まることで退屈しなくなるのもありがたい。

練習試合イベントが発生することも。他のプレイヤーが作成したチーム出現時は、試合後にフレンド申請をすることも可能

さらに練習試合後は、相手チームのプレイヤーにフレンド登録や親善試合をすぐに申し込むことも可能。フレンドができると、フレンドのチームでキャプテンに任命された選手を一時的に借り受け、自分のチームの試合に出場させる「レンタル移籍」ができるようになる特大のメリットも用意されているので、これを利用しない手はないだろう。

また、カード獲得イベントで登場する選手カードは、視察中のチームに所属する選手のみ出現するようだ。特定チームのファンにとっては、よりコレクションがしやすくなるのでとてもありがたい。さらに、スカウト100パーセント達成のチームを増やすと、同時に各種ミッションをクリアすることにもつながり、各種アイテムやポイント、チケットがたまっていくのでチーム強化もどんどん進む。よって本作を極めたいなら、時間があったらまずは「視察」をとことん繰り返すことになるだろう。

レンタル移籍をフレンドが承認すれば、未知のレアカードが試せるのも嬉しい

筆者が試した限りでは、iPod touchを使用するとゲーム中にアプリがたびたび強制終了したり(試合中のアニメーションが流れるシーンで特に多い)、通信中に表示されるアドバイスの文章が画面がすぐ切り替わってしまい、毎回読み終わることができないなど、気になる点も散見された。しかし、実在の選手たちがカードという形で多数登場し、自らの手で集めたり育てたり、あるいは試合中に活躍する姿が見られるなど、サッカー好きの心を動かすだけの魅力を本作が持っていることは確かである。

  • 使用した端末機種:iPod touch
  • OSのバージョン:iOS 9.1
  • プレイ時間:約12時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:4.0.2
  • 課金総額:0円

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