Note8+Dex Stationでのスマホゲーム体験はどんなものか?

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独自のスタイラスペン「Sペン」を搭載したハイスペックスマホ「Galaxy Note8」は、ディスプレイと接続して利用するドック「DeX Station」に対応。PCライクな使い方はもちろん、ゲームシーンにも変化をもたらす組み合わせのインプレッションをお届けしよう。

Note7の屍を乗り越え「8」はシリーズ最高傑作か?

Galaxy Note8は、コアなファンが多くAndroid端末の中でも人気がある、サムスンGalaxy Noteシリーズの最新モデルだ。

バッテリー発火問題により国内発売が見送られたGalaxy Note7の後継モデルであり、日本ではGalaxy Note edge以来、3年ぶりに正式に発売されたことでも話題だが、その完成度の高さから、多くの人の購買意欲を刺激しているようだ。

従来モデルのGalaxy Note7(および、バッテリー問題を改修したGalaxy Note7 Fan Edition)や、日本における1つ前の世代にあたるGalaxy Note edgeと比較すると以下の特徴がある。

  • アスペクト(縦横)比18.5:9のInfinity Display(Galaxy S8/S8+と同等)
  • 物理ホームボタンの廃止
  • Galaxyブランド初のデュアルカメラ

特に、アスペクト比の変化は実際に手に持つと強く感じられる部分。

対角6.3インチというひと昔前であればファブレットと呼ばれていた大画面ディスプレイながら、ほぼベゼルがないことと左右の湾曲部により、手に収まりやすいサイズ感を実現している。

※1 Galaxy Note edgeは約5.6インチ、Galaxy Note7は約5.7インチ

※2 湾曲部を除くと約6.2インチ

シリーズ最高傑作との呼び声高い本機をじっくり触った感想をお届けしよう。

正面から見ると、左右はほとんどベゼルレス。左右に比べると上辺は太いベゼルが目立つが、iPhone Xのような不格好な切り欠きはない

左側面には、音量キーとBixby(サムスンのAIアシスタント)起動用のボタンを配置。筆者の場合、慣れないうちは、電源ボタンと間違えてBixbyを起動させてしまうことがしばしばあった

右側面には電源ボタンのみが配置されている

底面には、3.5mmイヤホンジャックにUSB Type-Cポート、Sペン収納口が並ぶ。イヤホンジャックは廃止されなかった

主なマシンスペックは以下のとおり。

主な仕様

  • 名称:Galaxy Note8
  • サイズ
    高さ:約163mm
    幅:約75mm
    厚さ:約8.6mm(最厚部約8.7mm)
    質量:約190g
  • ディスプレイ
    サイズ:約6.3インチ
    タイプ:Super AMOLED(有機EL)
    解像度:1,440×2,960pixels
  • CPU:Octa Core
    (Quad2.35GHz+Quad1.9GHz)
  • OS:Android 7.1
  • バッテリー:3,300mAh
  • カメラ
    アウトカメラ:メイン(広角)約1,220万画素(デュアルピクセル/F値1.7)望遠:約1,220万画素(F値2.4)
    インカメラ:約800万画素(F値1.7)
  • 外部接続
    Bluetooth:Bluetooth 5.0
    Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠
  • メモリ
    内蔵:RAM:6GB/ROM:64GB
    外部:microSD(TM)/microSDHC(TM)/microSDXC(TM)(最大256GB※)
  • 生体認証:虹彩、指紋、顔

国内版のSoCは、2.35GHz×4コア+1.9GHz×4コア構成のSnapdragon 835(MSM8998)を搭載。

RAMを6GBに増強しているのは、他社の国内モデルと比較すると頭ひとつ抜けているスペックといえるだろう。

主要ベンチマークアプリとして、AnTuTu benchmarkと3DMarkのSling Shot Extremeプリセットの結果を以下に掲載しておくので、スペックをイメージする参考にしてほしい。

なお、画面の解像度はWQHD+(2,960×1,440)にして実行している。

AnTuTu benchmark

AnTuTu benchmarkの結果は、Snapdragon 835を搭載する他の端末と同様、175,801と高い数値をマーク。

過去記事でGalaxy S8をテストした結果と比較して、3Dの項目が7,000近く、約10%も向上している点には驚いた。

このスコアがあれば、今現在リリースされているゲームはAndroid端末では最高水準でプレイできるだろう。

3DMark:Sling Shot Extreme

3DMarkでは、3,614を記録した。

Galaxy S8が3,516だったので、微増した結果となったが、ゲームプレイ時に体感できるほどの差は感じられなかった。

なお、Vulkan APIへの対応は明示されているが、Vulkan API対応が条件と言われている『HIT』の最高グラフィック設定はサポートされていなかった。

今後のソフトウェア更新でVulkanに対応するのか、『HIT』の最高グラフィック対応に別の条件があるのか……。今後、サポートされることが待たれる

Infinity Displayが迫力の映像体験を生む

Galaxy S8/S8+のレビュー記事でも紹介したとおり、18.5:9のアスペクト比かつベゼルレスなInfinity Displayにより、持ちやすさを保持しつつ、画面内に表示できる情報量は増えている。

Note8では、ディスプレイのサイズがさらに大きくなっているため、これまでのスマートフォンとの違いは一目で分かるほどだ。

このディスプレイにより、画像のギャラリーでは1画面で多くの画像を確認でき、2つのアプリを同時に表示するマルチウィンドウも、より快適に使えるようになると感じた。

AbemaTVを見ながらTwitterの反応を見るなど、2つのアプリをまたいだ使い方は無限大。もちろん、縦画面で2分割することも可能だ

また、ゲームアプリにおいてもこのディスプレイは魅力的なものとなっており、いくつかのアプリでは全画面表示に対応している。

『リネージュ2 レボリューション』はデフォルトで全画面表示に対応。ナビゲーションバーも隠れるため、前面がほぼゲーム画面という状態に

スクリーンショットもディスプレイの比率に合わせたものになる

非対応のアプリでは、縦画面ゲームの場合、従来のアスペクト比のまま表示されるように上下に黒帯が現れるが、比率を横方向に伸ばして全画面で表示させることも可能だ。

横画面ゲームでも同様に左右に黒帯が発生する。

せっかくの大画面なので、画面いっぱいに表示してほしいところだが、多くのタイトルが全画面には非対応

非対応アプリを全画面表示にさせた際には、少しだけ左右が見切れてしまう。ただし、『逆転オセロニア』は全画面表示に変更しても、見切れたりアスペクト比が崩れることがなかった

筆者がいくつかのゲームをプレイしてみた所感では、黒帯が出ることよりも、全画面表示させた際に見切れてしまうことの方が違和感が強かった。

あまりないケースだと思うが、ゲームによっては画面端までボタンが配置されていて、操作に支障をきたすことも考えられるため、基本的には全画面表示はおすすめできない。

ここ最近は、AppleのiPhone XやLGの V30+など、縦長のディスプレイを搭載したものが増えてきている。

このアスペクト比をフルに活用できるコンテンツがもっと発展すると、より魅力が増してくるのではないだろうか。

磨きを増したSペン

Noteシリーズの最大の特徴ともいえるスタイラスペン「Sペン」の使い心地は、もちろん健在。

4,096段階の筆圧を感知するペン先は0.7mmの細さで、ボールペンで紙に書くことに近い感覚で、メモを書いたりイラストを描くことを可能にしている。

ただし、初めてSペンを使う人にとっては、ペン軸の細さに慣れるまでに少しの時間を要するだろう。

Sペンは本体底面に収納する。ペンのお尻を押し込むことで引き抜くことができる

また、Note8本体だけでなく、Sペン自体も防水・防塵に対応するため、水場でのSペンの利用も問題なく行えるようになった。

機能面では手書きのメモの他に、選択範囲からテキストを抽出し翻訳したり、任意の範囲をキャプチャして手書きメモを加えるなどが可能。

さらに、写真に手書きでエフェクトを加えたgifが簡単に作れる「ライブメッセージ」も搭載されている。

Sペンの軸にあるボタンを押すと各機能へのショートカットが表示される。任意のアプリを登録しておくこともできる

筆跡がそのまま動くアニメーションgifが簡単に制作可能。メッセージアプリやSNSで共有できるので、使い道は幅広い

また、画面オフ時にSペンを引き抜けば、すぐさまメモを入力できる「画面オフメモ」にも対応する。

やはり多少の慣れが必要だが、本物のメモ帳に近い使い方ができる。書いたメモは、そのままメールやメッセージアプリで共有ができるので、ちょっとした伝言を伝える際に便利

DeX Stationでスマホゲームを検証

Galaxyシリーズといえば、伝統的にさまざまな周辺機器が展開されており、ブランドの魅力の1つでもある。

今回、S8/S8+以降のGalaxyに対応している、DeX Staionをメーカーよりレンタルできたので、ゲームプレイのインプレッションを述べていこう。

DeX Stationは、スマホと外部ディスプレイをつなぐドッキングステーション的な製品。

Note8をDeX Stationに接続、DeX StationとディスプレイをHDMIケーブルで接続することで、PCライクな画面が出力され、大画面でアプリを使うことができる。

DeX Station本体、USB Type-Cケーブル、ACアダプタ一式が付属する。本体の蓋をスライドさせると、Note8を差し込むコネクタが現れる

底部の背面側には、USB 2.0ポート×2、有線LANポート、HDMIポート、給電用のUSB Type-Cポートが備えられている

PC用のディスプレイに画面を出力するため、タッチ操作の代わりに、PCのようにマウスとキーボードを使って操作をすることになる。

Bluetooth対応製品であればNote8本体とBluetooth接続、有線のものでもDeX StationのUSBポートに接続すれば利用できる。

USBでレシーバーを接続するタイプの無線マウス(筆者はLogicool M705を使用)も利用できたが、すべての製品で動作するかは定かではない。

DeX Staionの利用イメージはこのような感じ。キーボードを据えるだけで、PCを使っている感覚がグッと高まる

デスクトップは、アプリのショートカットアイコンやタスクバー(Windowsにおけるタスクバーと同様のもの)、Andoidのナビゲーションバー(Android端末上部の時刻や通知アイコンが並ぶ領域)で構成される。

大体の使い方は、タップの代わりにマウスのクリック、文字入力をキーボードで行うようになっただけで、PCを触ったことがない人でも、Androidスマホを扱えるのであればすぐさま使い始められそうだ。

DeX Station利用時のデスクトップ画面。左下にはアプリドロワー・アプリ履歴・ホーム・戻るのボタンが配置されている

右下の部分は、通知やネットワークステータス、バッテリー情報などが並ぶ。スクリーンショットを撮影するボタンも備えている

オンスクリーンキーボードも搭載しているので、外部接続のキーボードは用意しなくても利用できる。とはいえ、ちゃんとしたキーボードを使ったほうが、文字入力が速いことはいうまでもない

S7 edgeから搭載されているゲーム向け機能「Game Lancher」と「Game Tools」はもちろんNote8にも搭載されているのだが、Dex Station利用時には専用のUIとなり、ゲームのポータルアプリのような存在に印象が変わる。

ディスプレイの全画面にゲームを表示させるのかどうかの切り替えもGame Lancherから行うので、DeX Stationでゲームをプレイするには、まずGame Lancherを起動するようにしたい。

Game Luncherの画面。左側にインストール済みのアプリ、右側にDeX Stationでのプレイに向いているタイトルが表示され、GooglePlayストアへの導線の役割を果たしている

実際にゲームをプレイしてみたところ、タッチ操作からマウス+キーボードに切り替わった影響は想像以上で、普段の感覚で遊べるゲームは少ない。

両手を使ってスマホの画面の離れた位置を同時、または短い間隔でタップするようなゲームは、まともにプレイできなかった。

スワイプが必要なゲームも試してみたが、ゲームの速度感にマウスが追いつかない上に、細かい操作がやりにくい。

アクション性の高いゲームは向いていないが、その反面じっくり考えるパズルやボードゲーム、シミュレーションゲーム、アクション要素のないRPGが適していると判断できる。

オートプレイにすることが多いリネレボはかなりマッチしている。大画面で圧巻のグラフィックを体感でき、一見するとPC向けのタイトルのようだ

適性のあるゲームタイトルを大画面で遊びたい人は、ぜひ購入を検討してみてほしいところだが、ゲームだけが目的であれば、PC向けAndroidゲームプラットフォーム「BlueStacks 3」を使うという手もある。

BlueStacksであれば、キーボードにタップ位置を割り当てるなどの便利な機能も数多く備えており、遊びやすい環境を整えやすいはずだ。

Androidアプリのほとんどが動作するので、WrodやExelなどのオフィスアプリやGmailなどがきちんと使える。

簡単な仕事であればこれで済ますこともできそうだが、やはりゲームのためだけに購入するのは個人的にはおすすめできないのが正直なところ。

ゲーム以外の用途にも魅力を感じるのであれば、ぜひ買うべき製品だ。

ワイヤレス充電は実用性あり!

豊富な周辺機器の1つ「WIRELESS CHARGER CONVERTIBLE」は、Qi準拠のワイヤレス急速充電器で、折り畳んで持ち運びがしやすい製品だ。

最近のスマホは、ワイヤレス充電企画Qiに対応したものが増えており、Note8ももちろん対応している。

折り畳み状態、開いた状態のどちらでも利用可能。シーンに合わせて切り替えよう

今回、Note8本体のバッテリーを0%まで使い切ってから、WIRELESS CHARGER CONVERTIBLEを使って満充電させたところ、約3時間15分という、そこそこのペースで完了!

デスクにスマホスタンドの代わりに置いておけば、バッテリー切れ知らずのNote8ライフを過ごせそうな、おすすめの周辺機器の1つだ。

今回のレビューでNote8をじっくりと触ってみて、縦長ディスプレイの良さを改めて感じることができた。

よく考えてみれば、スマホ向けのアプリやWebサイトの多くは縦方向にコンテンツが並んでいるので、横が短くなったことのデメリットはほとんど感じられない。

最近ではiPhone Xも採用しているが、有機ELディスプレイは相変わらず色鮮やかな映像を視聴できるし、スペックも最高峰だ。

本稿のレビュー作成を通して、個人的にドコモ版を購入してしまうくらい、Note8に魅力を感じてしまった。

確かにサイズは大きい上に独自の機能も多いため、人を選ぶ端末ではあるが、食わず嫌いで避けるにはもったいない。

ぜひ、ドコモかauの店頭で触ってみてほしい。

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