グリフクエスト・クロニクル【ゲームレビュー】

「もう生ぬるいゲームには飽き飽きだ……」というゲーマーに挑んでもらいたいタイトルが登場! 『グリフクエスト・クエスト』は独特なファンタジー世界を舞台にした、かなりハードなパズルRPGだ。2~6マッチ&異なるブロック混合可……などといった、ちょっと変則的なルールで強力モンスターに立ち向かおう。

一切手加減なしの超骨太パズルRPG

『グリムクエスト・クロニクル』は、パズルで多彩に使い分けられる魔法を放ち、立ちはだかるモンスターたちを討伐していくバトル型のパズルゲーム。

プレイヤーは冒険好きの新米魔法使いとなり、慣れない魔法を使いながら世界各地を旅していく。

独特な世界観とビジュアルがまず最初に目に入る、本作の持ち味。分身となる魔法使いは、8人から選ぶことができる。使える魔法の属性に違いはあるが、見た目で気に入ったキャラクターを選んでOK!

本作のメインとなるパズルはターン制バトルとなっている。

ボードのエレメント(ブロック)を消すたびに、その属性や個数に応じた魔法で攻撃を発動。敵モンスターはボードに関係なく、数パターンある得意な攻撃で反撃してくる。

つまり、ボードを使うのはこちら(プレイヤー)のみ。消した場所には、浮かんでくるようにエレメントが再配置され、いわゆる「落ちコン」は発生しないシステム

ゲーム序盤は2~3マッチパズルとなっているが、他属性のエレメント(ブロック)を混ぜながら消すこともでき、よくあるパズルゲームとはひと味もふた味も違った仕上がりとなっている。

クエストをこなしていくうちにレベルが上がって魔法使いとして成長し、最終的には2~6マッチパズルになる。

要するに、ボード上で4つ以上つなげられるように見えても、未熟な序盤だと最大で3つまでしかつなげない。そのため、この状況でも4つ目のエレメントを消すことはできない

一度に多くのエレメントを消すほど強力な魔法となり、5つ以上を消すと演出も豪華な全体魔法を唱えることが可能だ

チェイン&リバーサル! 属性を意識して大ダメージ

ボード上に散らばったエレメントは、その色とデザインで8つの属性に分かれている。

よくある3すくみのような関係とは違い、太陽と月、火と水といったように、それぞれに対となる属性が存在する関係性となっている。

筆者の選んだミスティックは、羽根がデザインされた「風」の魔法を得意とする魔法使い。対となる属性は。葉っぱがデザインされた「土」属性だ。わかりやすいのが「太陽」と「月」で、ガイコツマークのエレメントが「神秘」、対となるのが足あとマークの「原始」だ

8つの属性と相性関係

  • 太陽
  • 神秘原始

消したエレメントの属性によって、繰り出す魔法が変化。演出が豊富なのも、本作の魅力のひとつとなっている。

モンスターを召喚したり波を発生させたり、属性でまるっきり異なる魔法で攻撃! もちろん、同じ属性でも2個消しと3個消しでは演出が変わる

属性は、クエスト攻略の重要なカギにもなっている。

直前に使った魔法と同じ属性の魔法を2回以上続けて使うと、チェインが発生。

チェインをつなげるほど魔法の威力が上がり、より大ダメージを与えやすくなる。

直前に使った魔法の属性は、画面左下の隅に常に表示される。ボードを見渡して、なるべく多い属性を進んで消すようにするとチェインしやすくなるはずだ

チェインがつながっているときに、あえて対となる属性魔法を使用することで、チェイン数を減少させる代わりに超絶ダメージを与えられる、リバーサルというテクニックもある。

強力なボス級モンスターに使いたい技だ。

例えば、太陽魔法を続けてチェイン+2の状態を作ったところで、対となる月魔法を発動。すると、チェインが+1に減少する代わりに、チェイン以上に強烈なダメージを与えられる

ほかにも、前述したとおり、同じ属性エレメントを2つ以上つなげた状態なら、他属性のエレメントを混ぜて魔法を繰り出すことも可能。

ボードの整理がしやすいだけでなく、ほんの少しだけダメージアップもできるテクニックだ。

このとき、魔法の後ろには一緒に消した異なるエレメントの数ぶんだけ「+」の表示がつく。例えば、土エレメント3つと太陽エレメント1つを消すと「ボルダー+1」が発動するといった具合だ

ただし、混ぜる属性は対になるエレメント以外という縛りつき。

もし、対となるエレメントを同時に消そうとすると、バックファイアとなり自分にダメージ!

さらに、消そうとした場所がしばらく使用不可になってしまう。

一度のミスが命取りになることも。バックファイアで使用不能になったエレメントの場所は、豆粒のように小さく表示される

ポーションは必需品! ザコ戦ですらヒヤヒヤする高難度バトル

立ちはだかる敵モンスターが、たとえ道中のザコモンスターであっても気が抜けないのが本作の持ち味といえる。

挑戦するクエストはウェーブ制バトルとなっているのだが、油断しているとボス戦への突入時には虫の息……ということもしばしば。

ザコモンスターのやっかい点は、容赦なく多彩な状態異常攻撃を仕掛けてくること。状態異常になると、ボード上のランダムなエレメントが変化し、それを消すまで持続ダメージを延々と受け続けることになる

状態異常は、適切なアイテムを使用するか、隣接するエレメントを消去することで打ち消せる

ボス戦には、さらなる強敵が待ち受ける。1面のボスですら2度も敗北を味わされ、厳しい洗礼を受けたほどだ。

ほかのゲームではないがしろになりがちな、ポーションや毒消しといったアイテムが、本作ではなくてはならないものになっている。

クエストに持ち込めるアイテムは3つまで。簡単なクエストでも1つはポーションがほしくなるほど、歯ごたえ満点の敵ぞろいになっている。

1面のボス「プラーグラット」は、仲間のラットをどんどん召喚して追い込んでくる。「ようやく死闘を乗り越えた!」と思ったら、2面のザコモンスターが当たり前のように召喚してくるのには絶望しかけた……

クエストを終え、拠点となるヘルムストーンに戻ったら、必ずショップに立ち寄ってアイテムを整えるのが本作では基本中の基本。コインの消費が激しく、なかなか管理が難しい

モンスターの特徴を覚えることがクリアの近道!

1度出会ったモンスターは、自動的にモンスターコレクションへと記録されていく。

モンスターの中には属性に耐性や弱点を持つものが多く、いかに敵に合わせた魔法で攻撃できるかで、ダメージ効率は大きく変わってくる。

耐性のある属性魔法はバッドアタックとなってほとんど効かない。逆に弱点属性をつけると魔法がクリティカルヒット! その効果は非常に大きいので、積極的に狙いたい

モンスターコレクションでは、攻撃手段やどんな環境で出現しやすいかなどまで細かくわかるので、クエスト挑戦前に対策しておけばグッと攻略しやすくなるはずだ。

モンスターの紹介文も1度は読んでおきたい、クスッとくる内容になっている。日本語へのローカライズは非常にクオリティーが高く、ほとんど違和感なくプレイできるのも本作の特徴のひとつ

装備や使い魔でモンスター対策

モンスターの特徴をつかんだら、装備を入れ替えたり使い魔を魔獣園で購入したりして対策しよう。

ヘルムを変えることで、使えるボード上に出現する6つの属性が変わり、使い魔には特定の状態異常に耐性をつける効果がある。

装備はモンスターのドロップ素材を集めて、工房で作成。そしてアップグレードすることができる。どうしても素材が足りない場合は、錬金術で素材を変化させて狙いの素材を集めることも可能だ

使い魔は、バトル中にプレイヤーが一定量のダメージを受けると、攻撃にも参加してくれる頼もしい存在だ

ピリッとしたハードなパズルバトルが存分に味わえる作品

ゲームを進めていくと、制限時間まであるクエストや、1vs3といった過酷な状況でのバトルにも遭遇するようになる。

制限時間は具体的に示されるのではなく、ボードの外周上にあるダイヤルが真下から真上に来るまでに、全ウェーブクリアしないとタイムオーバーとなるもの。予想以上にスピードが速く、冷静にパズルすることは難しい

ボードを荒らすザコモンスターも確認。攻撃するたびに、耐性のある水属性エレメントを増やしてくる。あわせて、1ターン休みになるスタン攻撃までしてきて、厄介やこと極まりない

まだまだ中盤にも差し掛かっていない程度の進捗だが、パズルの苦手な筆者はゲームスタートから常にギリギリの戦いを繰り広げることになった。

パズルをはじめとするゲームの腕に自信がある方に、ぜひチャレンジしてみてほしいタイトルだ。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • iOSのバージョン:10.3.2
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.1
  • 課金総額:0円

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