ポケラボ&スクエニ『シノアリス』課金バグが残ったままの運営の行方【山本一郎のスマホ情報見聞録】

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山本一郎です。毎月5件ぐらいずつ新しいスマートフォン向けタイトルをプレイしている私ですが、ゲームとして楽しい、楽しくない以前の問題でプレイが続かない作品というのがあります。今回プレイをご紹介しようと思っていた作品に、ポケラボ(GREE100%子会社)が制作し、パブリッシャーにゲーム業界大手のスクウェア・エニックスを迎えての期待作『シノアリス』がありました。

ところが、前評判の高さどおりの重厚で興味深いゲームの入り口とは裏腹に、まともにダウンロードできず、プレイしてもすぐバグ落ちするという、商品レベルに達していないアプリである問題が、まずそこに横たわっていました。

大手タイトルである『Fate GO』でもサービス当初は不安定だったわけなんですが、この『シノアリス』はそのレベルをはるかに超える、普通にプレイできない状況が続いていたため、SNSではネタになっておったわけです。

その後、ある程度は……プレイできるようになりました。ただし、それは一部分だけ。このゲームのメインである「モノガタリ」モードでは、面クリアしてリザルト画面がでるところでフリーズ。プレイヤーのメインウェポンである武器スキルを使った後にダメージが入らずフリーズ。

他のプレイヤーのモノガタリに参画できる「共闘」というモードでは、入れたと思った瞬間にフリーズ。アプリ全体が氷属性なのかと思うぐらいの勢いです。

さらには、TwitterでもFacebookでも被害報告が多発している、有償魔晶石を使ったガチャで得られた武器がインベントリーに反映されないという致命的なバグ。

単純に、カネ払って得たガチャ戦利品が無かったことになるのは、さすがにサービス開始してはいけないレベルの最悪のバグだろうと思います。当然、騒ぎになるわけです。

いや、これはダメでしょ。消費者庁がどうとか、AppleやGoogleのプラットフォーム決済が何だという状況ですらない。これでリリースをしてしまい、サービスを撤回することなく、セールスランキングの上位に入っている時点でおかしいわけです。

すぐにサービスを止めて、長期メンテナンスをしなければいけないという最低限のサービスマナーは理解しておいてほしいと願うほかありません。

もちろん、きちんと作り込まれた世界観、魅力的なキャラクター、ファンタジー世界を満喫できる音楽など、ギミックはしっかりと用意してあるのを見る限り、本気で取り組んでリリースまで漕ぎ着けたタイトルであるという気合はじゅうぶんにわかります。

また、昨今のアプリのトレンドで求められている仕様をきちんと盛り込もうという野心的なプランニングは頭が下がります。

それでも、プレイヤーから金を取ってゲームを提供する以上、最低限きちんとプレイが可能であり、課金した内容に見合う対価がしっかりとゲーム内で反映されていないとだめです。ゲームとしての手触り以前の問題です。

肝心のゲーム本編も、これはバグなのかそういうゲームとしてデザインされたものなのかわかりませんが、野良で集まってきたほかプレイヤーの通常攻撃と自前の武器スキルが重なっても敵がどっちのダメージでどう倒せたのかすら、よくわからない状況で確認もできません。

武器の強化にしても、上記のバグがあり、ガチャで得た外れ武器を素材にして強化しようにも、かなりの割合でガチャの結果が在庫に反映されないのですぐに武器素材が底をついてしまいます。これを避けるには、ただひたすらモノガタリをクリアして野良アイテムを回収して武器強化に突っ込み続けなければならないのです。

熟練したプレイヤーならば、少々のバグや長時間メンテも楽しめるぐらいの精神的な余裕は必要だとは思います。実際、SNSではログインすることが目的のゲームだとまで揶揄され、短時間でバグ落ちしてもそういう状況を楽しむ訓練されたゲーマーの姿は見られました。

まあ、私もなんだかんだでプレイできないプレイを満喫したところはあるわけですけれども、もう少し誠実にやってくれないだろうか……と思うわけであります。

なお、この原稿を書いている6月15日現在、いまだにちゃんと動きません。ギルド戦もバトルエントリーして入れたと思ったら相手が表示されないままラウンドが終了してしまい、勝ち負け不明状態でフリーズするという状況です。他のプレイヤーは、バトルエントリーする前に通信フリーズして、そのままタイトルに戻されたりしてます。

おそらくは、ポケラボもスクウェア・エニックスも不誠実にやろうとは思ってないと思います。ただ、状況としてきちんとした稼働ができる確認のないままサービスし続ければ、ずっと小刻みのパッチワークだけで何とかするしかない状況ではないかと思うんですよね。

ビジネスをする上で、どうしてもサービス状況を継続しなければならない縛りでもあるのかもしれませんが、もう少しプレイヤーのほうも見てほしいと願う次第でございます。

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