FRAMED 2【ゲームレビュー】

コマ割りを入れ替えてエージェントの脱出を手引きするインディーズの名作ゲーム『FRAMED』。その続編となる本作は、前作の前日譚を描いたストーリーになっている。ノワール風のBGMと一緒に、ハードボイルドな世界観に酔いしれよう!

クールなコマ割り脱出パズルの最新作が登場!

独特のテイストで話題を集めた名作ゲームの続編、『FRAMED 2』のiOS版がリリースされた。

本作は、画面内にいくつかあるパネルの配置を入れ替えて、正解の組み合わせを見つける脱出パズルゲームだ。

いくつものパネルが並んだゲーム画面は、まるで漫画のコマ割りを見ているかのようだ

主人公であるエージェントがこのパネルの中を進みながら、いろいろなアクションを繰り広げていく。

ノワール風のBGMやシルエットのキャラクターデザインは、とにかくクール&ハードボイルドでカッコいい。

本作をプレイするときは、イヤホンやヘッドホンをつけてサウンドも楽しんでみよう。

ゲーム中にキャラクターのボイスは一切ないが、動きを見るだけで自然にストーリーが頭に入ってくる

前作『FRAMED』は、2014年にオーストラリアのインディーズメーカー・LoveshackからiOS向けにリリースされ、数多くの賞を獲得した名作ゲームだ。

『メタルギア』シリーズの産みの親である小島秀夫氏が絶賛したことで話題となったのも記憶に新しい。

パネルを動かしてエージェントをゴールまで導こう

プレイヤーの目的は、ゲームの主人公であるエージェントの脱出を手引きすること。

さまざまなシーンが描かれたパネルを入れ替えながら、エージェントが警備員に見つからないようなストーリーを作り上げていく。

犬に追いかけられるシーン。ここでは、エージェントが犬に捕まらないストーリーが完成するようにパネルを配置していく

パネルを配置する順番によって、エージェントの周りではさまざまなイベントが起こっていく。

犬にかまれたり、塀をよじ登ったり、また犬にかまれたり……

正解すると次のシーンへ

最後の警備員も華麗にスルーして、ゴールまで到着

失敗するとやり直し

犬は振り切ったものの、警備員に見つかってしまいゲームオーバー

無数にある失敗パターンの中からたった1つの正解を見つけ出すのは、簡単すぎず難しすぎず、遊びやすい難易度になっている。

失敗パターンのコミカルさも秀逸で、ついつい何度も挑戦したくなってしまう。

パネルの組み合わせによって、警備員に見つかったり落下したりと、ゲームオーバーの条件はたくさんある

『FRAMED』の前日譚を描くハードボイルドなストーリー

本作のストーリーでは、前作となる『FRAMED』の前日譚が描かれている。

BGMや世界観はそのままに、難解なパズルの魅力はしっかりと受け継いでいる。

メインキャラクターは、プレイヤーが操作する男女のエージェント。追手側として、紳士風の男性が登場する

スーツケースを守るというコンセプトは前作と同じだ

前作よりも複雑な入れ替えが続々登場

前作でプレイヤーを苦しめた、一度使ったパネルを再利用して進めていく高難度ステージ。

本作ではこれがさらにパワーアップし、パネルを入れ替える手順がより複雑になっている。

かなり先の展開まで考えないと解けないという、予想以上に複雑なパズル

中には、まっすぐに進むだけではクリアできない謎解きギミックが登場するステージもある。

ステージ上にあるものを利用して、先に進んでいく

パネルを動かしているときは時間の動きが止まるので、じっくりと考えて解いてみよう。

段ボールを使ったスニーキングミッションも

前作との細かな違いとして、ちょっとした小ネタがより多くなっている印象を受けた。

『メタルギア』を連想させる名シーンもあり、笑ってしまうこと間違いなしだ。

段ボールの中に身を隠して移動するシーン……どこかで見たことある!

追加要素でゲームがより楽しく!

本作では、前作にはなかった以下の要素が追加されている。

  • パスワードの解読
  • コレクション要素

逆に、ピン止めの大きなパネルを回転させるというパズルの解き方はなくなっていた。

こちらは前作のゲーム画面。このように大きな長方形の回転パネルは、本作には出てこなかった

長方形のパネルは動かせるパターンが決まっていて、謎解きが逆に簡単になる印象だったので削除されたのだろうか?

パスワードを解いてロックを解除

新要素として、脱出ゲームでは定番の「パスワード」による扉のロック解除が追加されている。

画面内に正解のヒントが隠されている。背景にある数字のライトをよく観察してみよう

このパズルはおそらくヒントがないので、いくつかあるパターンを総当たりで試すしかなさそうだった

隠しアイテムを集めるコレクション要素

いくつかのステージには、隠しアイテムとして「写真」が配置されており、これらを収集するオマケ要素がある。

ステージのどこかにある写真を見つけて、その場所までエージェントを移動させる

ごほうびとしてコミカルな画像をゲット! この画像は、プレイヤーのスマホにダウンロードして保存することもできる

写真の場所はパズルの正解ルートから外れていることも多く、より複雑なパズルを解かないと手に入れられないようになっている。

中には、最初は隠されていて条件を満たさないと出現しない写真もあり、コンプリートは普通にクリアするより断然難しい。

後ろから近づいていって、警備員を蹴り倒すと写真が飛び出してくる

一度クリアしたステージはメニューからいつでも挑戦できるので、取り逃がしたステージは後で取りに行ってみよう。

手に入れた写真は部屋に飾られ、メニューから閲覧・ダウンロードができるようになる

名作の続編はやっぱり名作だった!

クリアまでに掛かる時間は、だいたい90~120分といったところ。

前作よりもつまずきやすいポイントが増えている印象はあるが、先の展開を考えながらパネルを入れ替えていけば、必ず正解にたどり着くようにうまくできている。

買い切りのゲームで購入後の追加課金などは一切発生しないので、値段を考えたとしても買う価値アリだ。

期間限定で前作が無料配信中

現在(2017年6月15日)、前作『FRAMED』iOS版の無料セールが行なわれている。

数々のタイトルを受賞した名作の原点を、この機会にぜひプレイしてみよう。

失敗するとよく落ちるエージェント。こうならないようにパズルを組み立ててあげよう!

  • 使用した端末機種:iPhone SE
  • OSのバージョン:iOS 9.3
  • プレイ時間:前作も合わせて3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0

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