【究極ゲーマー列伝】: ござろう氏が熱弁した『駅メモ』にこれだけ熱中する理由(前編)

常人には考えられないほど特定のスマホゲームを遊び尽くしている「究極ゲーマー」を紹介するこの企画。今回登場いただくのは、スマホのGPS機能を使って遊ぶ位置取りゲーム『駅メモ! - ステーションメモリーズ!-』の究極ゲーマー「ござろう氏」だ。

駅メモとは?

究極ゲーマー「ござろう氏」へのインタビューを紹介する前に、まずは『駅メモ! – ステーションメモリーズ!-』(以下、駅メモ)について説明しておこう。駅メモはスマホのGPS機能を使って遊ぶ、いわゆる「位置取りゲーム」というヤツ。位置取りゲームと聞くと『Ingress』を連想する人が多いだろうが、駅メモもその一種といえる。『Ingress』は史跡や指標などを他の勢力(プレイヤー)と取り合って競い合うゲームだが、駅メモは「駅」を他のプレイヤーと取り合う。そのため、電車に乗りながらプレイするのが最も効率よく遊べる。

本作は駅や鉄道をテーマにしており、登場するキャラクター「でんこ」は「鉄道」がモチーフ。それぞれの「でんこ」には「AP(攻撃力)」と「HP(ヒットポイント)」、スキルが設定されていて、それらを武器に他のプレイヤーと駅を奪い合う。「でんこ」は毎月のアップデートで続々と追加され、現在は30種類以上存在している。

駅メモでは駅を取ることを「チェックイン」と呼ぶのだが、チェックインの際は所有しているいずれかの「でんこ」を選択して行う。攻撃側のAPが防御側のHPを上回っている場合に駅を奪え、さらに駅をキープしている時間に応じて「でんこ」に経験値が入る。そして一定数の経験値を稼ぐと、RPGのキャラクターのように「でんこ」のレベルが上がり、「AP」と「HP」が増加していく仕組みだ。

ザックリとではあるが、駅メモはこんな感じのゲーム。以上を踏まえた上で、「ござろう氏」のインタビューをお楽しみいただきたい。

駅メモを始めたきっかけは他人の勧誘から!

――ござろう氏はなぜ駅メモを始めたのですか? 昔から電車が好きだったのでしょうか?

ござろう氏:そもそも僕は「究極ゲーマー」ではありませんし、駅メモだってサービス開始時期から遊んでいるわけではありません。

――前回登場していただいた「えんじょるの氏」も、自分では「究極ゲーマー」とは名乗っていません。そのへんはコチラが勝手に呼んでいるだけなので気にしないでください。

ござろう氏:あぁそうですか(笑)。ではもう1つの質問の答えですが、オレは電車どころか乗り物全般に興味がありません。車もバイクも飛行機も戦車も戦艦も、すべてまったく興味ないです。乗り物なんて、「いったいドコがかっこいいんだ?」と思うくらい、本当にどうでもいい存在です。

――ではなぜ『駅メモ』にハマったのでしょうか?

ござろう氏:話すと長くなるんですが、いいですか?

――常識の範囲内でしたらいいです。

ござろう氏:オレが大好きな街、秋葉原に『GAME BAR A-Button』(以下、A-Button)というゲームバーがあって、その店の居心地がよくてちょくちょく通っているんです。ある日そこに行って飲んでいたら、常連たちが楽しそうに話してるんですよね。よくよく聞いたら、それが「駅メモ」ってゲームだったんです。電車に興味ないので話半分に聞いてたんですけど、別の常連でイケメンの「板垣さん(仮名)」って人が「いっしょにやろうぜ」とボクを誘ってくるんです。

秋葉原のGAME BAR A-button

――それはござろう氏が駅メモに興味があるように見えたのでは?

ござろう氏:いや、違うんですよ。駅メモは友だちを招待すると、ゲーム内の「電友」(フレンドのこと)の上限が増えるんです。フレンドが多いといろいろとアイテムがもらえる特典があるので、彼は1人でも友だちを増やしたかったんでしょうね。「やらなくてもいいから」って強引に誘ってくるから、仕方なくアカウントを作ってみたんです。

――なんてことのないきっかけですね。

ござろう氏:きっかけはそんな感じでした。それから数日後、またA-buttonに行ったときも、常連たちが『駅メモ』について楽しそうに話してたんです。それを聞いていたら、ちょこっとやってみるか……と思うようになってきました。本格的に始めたのは、その日からです。なのでオレなんて後発ですよ。

――それまでソシャゲはプレイしていなかったのですか?

ござろう氏:駅メモを始めたのは2015年1月くらいだったと思うんですが、それまでは3年くらい「モバマス」(アイドルマスター シンデレラガールズ)を遊んでいました。オレはソシャゲというか、課金にものすごく抵抗があるんです。だって「金を払ったら強い」って、ゲームとしておかしいですよね? ゲームがうまいのって、テクニックとか知識とか経験とか、そういう要素で決まることだと思ってます。

――まぁ、そうですよね。

ござろう氏:なのでオレはモバマスをプレイしていた3年間で、1円も払ってません。アイドルたちがカワイイから遊んでいたけど、ゲーム性は別にどうでもよかったんです。ポチポチするだけだし。そんなモバマスもオレを誘った友だちのプロダクションに入って、単純作業のゲームを遊んでいただけでした。いま考えてみると、アレは暇つぶしでした。

ゲームを買うのは抵抗がないが「ガチャ」はイヤな理由とは!?

――そもそもの質問ですが、ござろう氏は昔からゲームを遊んでいるのですか?

ござろう氏:ゲームは昔から大好きです。MSXとかファミコンのころから、ずっと遊び続けています。今でも遊んでますし、ゲーム機はすべて持ってます。

――ゲームは毎月どれくらい買いますか?

ござろう氏:毎月5万円くらいは買ってます。

――えっ、毎月ですか? かなり買っているんですね。

ござろう氏:ホントにゲームが大好きなんです。ゲームは多額の開発費がかかるのでユーザーがお金を払うのは当然だし、むしろ好きな方なんだけど、「金を払ったら強くなる」という構造だけがイヤなんです。だから、ソシャゲには金を払っていなかったんです。

――そんなござろう氏が、駅メモでは課金していますよね? なぜでしょうか?

ござろう氏:これも先ほど話したA-buttonでの出来事です。ある日、常連たちが駅メモを楽しそうに遊んでいるのを見て、「オレもその輪の中に入りたいな」って思うようになったんです(笑)。しかも、オレに駅メモを勧めた板垣さん(仮名)が、「コレは無料で遊べるとかいってるけど、ホントは月額500円のゲームだから! 無料で遊ぼうなんてダメに決まってんじゃん! 課金したらぜんぜん違う」って、また勧めてくるんですよ。あのときのアイツは駅メモの回し者かと思いましたね。

――500円を払うとどうなるのですか?

ござろう氏:駅メモを無料で遊ぶ場合、1日にチェックインできる回数に制限があるんです。都内で遊んでいると、ほんとにすぐにプレイできなくなっちゃうんですね。だけど500円を払って「ブルーライセンス」というアイテムを買うと、1日に何回でもチェックインできるようになります。まさに駅メモの世界が変わって、チェンジ・ザ・ワールドって感じでした。

――モバマスを3年間無課金プレイし続けたのに、抵抗はありませんでしたか?

ござろう氏:おおアリですよ。抵抗アリまくりです。モバマスに1円も払ってないオレからしたら、この先遊び続けるかどうかもわからない駅メモに500円も払うなんて考えられない行動でした。

――「500円が高い」といいますけど、毎月「5万円」もゲームを買ってるござろう氏からすれば、たいした額じゃないですよね?

ござろう氏:まぁ、冷静に考えたらそうなんですよね(笑)。払うのに躊躇していたことに加えてもう1つ、クレジットカードをソシャゲにさらしたくないというのもありました。

――なるほど、それはハードル高いです。かなりの決断だったのですね。

ござろう氏:イェス! でも、あのときは酒の力を借りたかどうか覚えてませんが、スパッと決断してよかった。今ならわかりますけど、駅メモというゲームは無料で起動できるけど、事実上は「月額500円」のゲームといってもいいと思う。無料で遊んでいるっていってる人は、まだ駅メモの魅力に気づいていない! 真の駅メモは月額500円の課金者しかわからないんスよ。

――なんだか力強い言葉ですね。それから課金に抵抗がなくなりましたか?

ござろう氏:まぁ、予想はしてましたけど、そうなりますよね。「ブルーライセンス」の500円を払ったのをきっかけに、気づいたらどんどん払っちゃうんですよ。やっぱり心のブレーキって、大切ですね。

――歯止めが効かなくなってしまったと?(笑)

ござろう氏:このゲームは駅にチェックインさせるキャラクター「でんこ」が重要なんですが、普通にプレイしているだけでは、初めの数体以外はほとんど手に入りません。では、どうやって入手したらいいのか?

――もしや、「ガチャ」でしょうか?

ござろう氏:ピンポーン♪ 正解! ということで、オレは「ガチャ」に手を出すようになってしまいました。駅メモでは毎月セールが行われていて、普段よりもちょっと安く買えるような期間があるんです。課金してからのオレは、毎月のその期間を楽しみにするようになっていて、気づいたら習慣のように「11連ガチャ」(セール価格3,500円)を回すようになっていました。その他にも11連ではない通常の「ガチャ」(セール価格1,00円)も回していたので、けっこうな金額になっていたと思います。

ガチャを行なうには「プレミアムガチャチケット」を購入する。通常価格だと11連は5,000円!

――とても500円を躊躇していた人の行動とは思えませんね(笑)。

ござろう氏:過去のオレが見たらビビって失禁するでしょうね。自分で決めていた「課金禁止」のたがが外れたので、課金でガチャを回すのが楽しくなっちゃったんですよね。もともとゲームセンターにも行くし、ゲームにお金をかけるのは抵抗がない人間だから、金を払うのは好きなんですよ。

――なんだか開き直ってるように聞こえます。

ござろう氏:「課金でガチャ」と聞くとイメージがよくないかもしれないけど、駅メモはガチャを回したからって強くならないんですよ。だから「オレは強くなるために課金をしているわけじゃない」と便利な言い訳で自分を説得して、ガンガンお金をかけてました。

――でも、ガチャを回したら結果的には強くなりますよね?

ござろう氏:まぁ、そうなりますよね(笑)。回さないよりは強くなるのは事実です。だからさっきのは、完全に自分をなだめるための「言い訳」です。

――では、正直にお答えください。いままでガチャを回した総計は何回ですか?

ござろう氏:それね、聞かれると思って計算してきたんスよ。いやぁ~、自分でログを見てビビった! 課金で140回くらいガチャしてるんですよ(笑)。オレ、アホか! 500円で1回のガチャは高いのでほとんどがキャンペーン中のセールガチャだけだけど。自分的にはそんなに回してるツモリじゃないのに、数えたらけっこうな回数になってますね(笑)。

ござろう氏が感じる、位置取りゲーム駅メモの魅力

――他人から勧められたゲームにそこまでハマった駅メモの、いったいどこが楽しいですか?

ござろう氏:細かく説明すればいろいろあるんだけど、基本的にこのゲームでやることは「駅にチェックインする」だけ。ホントに単純なゲームなんです。そこがいいところかな? 初めてプレイした人はチェックインするたびに「新駅ボーナス」として大量の経験値を得られるので、「でんこ」がどんどん育っていくんです。その過程が楽しいんです。

――キャラクターが育っていくのは、どんなゲームでも楽しいですね!

ござろう氏:でしょ? そして、近隣の駅を取りつくしたら、次に行うことは新しい駅を求めてプチ遠征です。普段は使わない路線に乗ったり、ちょっと遠回りをしてみたり、新しい駅に行くようになるんです。なんといいますか、わかりやすく説明すると「駅を塗りつぶしていく」ようなイメージです。確か、駅メモを初めて2週間くらいたったころかな? 電車にまったく興味がないのに、ネットで鉄道の白地図を拾ってきて、未開拓の駅をチェックするようになっていました。

ござろう氏が使用している白地図。すでにほとんどの駅が塗りつぶされていた

――なんだか鉄道マニアの人みたいです。

ござろう氏:そうなのかな? 電車に興味がないのでわかりません。オレはパズルゲームの攻略をしているツモリなので、塗りつぶしている白地図が鉄道路線というだけで、電車に興味を持ったわけじゃありません。

――駅にチェックインすると、他のプレイヤーと戦うことになるのですね?

ござろう氏:そう! それもおもしろい!! 駅に着いたら、とにかく力任せに相手の「でんこ」を殴る(チェックイン)ところも面白いです。このゲームは基本的に「殴る」ことしかできないんです。駅にチェックインするとき、今その駅に誰がいるのかわかりませんし、調べるすべもありません。もしかしたら友だちかもしれないし、知らない人かもしれない。調べられないので、なんの気兼ねもなく殴れるわけです。

――気を使うゲームは苦手ですか?

ござろう氏:オレは基本的にオンラインゲームが好きじゃないんですよ。「みんなで協力してボスを倒そう」とか、なんかめんどくさいじゃないですか?(笑) ゲームが好きだから少しはオンラインゲームをやってた時期もありますけど、他のプレイヤーを待ったり気を使ったり、大変なゲームでした。ゲームの中くらい「自由に遊ばせてくれ」って思っちゃうんですよね。

――では、どのようなゲームが好きですか?

ござろう氏:「格闘ゲーム」は好きです。あの手のゲームは、みんな殴られるのを納得してゲームセンターに来ています。思いっきり殴っても相手がイヤな思いをしない。むしろ、殴り合いに来てるわけだし。

――それはそうですね(笑)。なんとなくわかってきました。だから駅メモの殴り合うゲームシステムが気に入ったと? もしも、駅メモ』相手の「でんこ」を倒せたとき、ござろう氏はどう思いますか?

ござろう氏:「ザマーみろ」って思いますね。誰でもプレイしたらわかると思うけど、コレはそういうゲームなんですよ(笑)。賀茂川さんが描くカワイイ「でんこ」のキャラクターは魅力的ですが、彼女らは殴り合ってるワケです。

駅メモにはかわいいキャラクターが30種以上登場する

――反対に殴られた場合は、どう思いますか?

ござろう氏:そりゃぁムカツキますよ。「コノヤロー! ウチのカワウィーでんこを殴りやがって! やり返してやる!」って思いますね。先ほどもいいましたが、このゲームは殴るしかやることがないんです。ただし、同じ駅には連続でチェックインできずに、最低でも5分は時間を空けなければ再チェックインできません。ですが、どんな理由があっても、「チェックインをした」ということは「殴りかかってきた」ということです。誰かに遠慮する必要のないサバサバとしたゲームです。もしも、駅メモのプレイヤーで「オレは他人を殴っていない」って人がいたとしたら、それは「プレイしてない」ってことです。駅メモにおいて「殴らないことは遊んでいない」ということです。

――「殴らないことは遊んでない」、面白いですね(笑)。

ござろう氏:世の中こんなに無料のゲームがあるんだから、殴らないんだったら駅メモなんかやらないで他のゲームを遊んだほうがいいと思います。

――では、殴って勝てない場合は、どうしたらいいのですか?

ござろう氏:それは持っている「でんこ」が弱いだけなので、未開拓の駅に連れて行って大量の経験値を獲得し、キャラを育てるしかないですね。それがイヤだったら消費アイテムの「フットバース」を使えばいいんです。

――「フットバース」とはなんでしょうか?

ござろう氏:このアイテムを使うと、問答無用に相手から駅を奪えるんです。「でんこ」のステータスやスキルはいっさい関係なく、どんな状態でも駅を奪えるアイテムです。

これが強力なアイテム「フットバース」

――それは強力なアイテムですね!

ござろう氏:そうなんです。「卑怯だ」とか「ズルい」とか、プレイヤーごとにいろんな意見があるらしいけど、まぁゲーム内に用意されているアイテムだし、いいんじゃないっスか? 確かに、オレだってフットバースをくらったらムカツキますよ。せっかく育てた「でんこ」のステータスに関係なく、確実に負けるんだから。しかも、駅の「リンクボーナス」を稼いでいる最中だったら、なおさらムカツク! 「人の気も知らないで」って末代まで呪う勢いで激アングリーです。

――まぁまぁ、クールダウンしてください。「リンクボーナス」とはなんでしょうか?

ござろう氏:これも説明するとややこしいんだけど、1人の「でんこ」で複数の駅をキープすると、そのキープしている駅とキープ時間に応じてボーナス経験値を得られる仕組みのコトです。なので、もしも「10駅」をリンクしているのにフットバースを使われると、「9駅」になってしまう。当然、ボーナスが減るというワケです。

――なるほど……。やられたときはどう思いますか?

ござろう氏:「殴り返してやろうか!」って思うけど、駅メモは位置取りゲームなので、その場所にいないと反撃できないんです。一部のアイテムを使えば少し離れた場所にもチェックインできるけど。やっぱり、駅メモはその場所に行くことが重要なんです。位置取りゲームって、よくできてますね。フットバースをくらって駅から追い出されたら、取り返すためにはオレがその場所まで行かなきゃいけない。それができないなら、その駅はあきらめる。これが駅メモの遊び方だと思います。

――位置取りゲームなので、そうでしょうね。

ござろう氏:ゲームタイトルは駅メモですが、位置情報はGPSしか見てないので移動手段はなんでもよくて、電車でも車でも自転車でも徒歩でも、わざわざその場所まで行ってチェックインしているヤツが強いんです。それに、フットバースを使う人は「自分が弱い」と認めている人です。そもそも、強い人は「でんこ」で普通に殴ったら勝てるから、わざわざ消費アイテムのフットバースを使う必要がありません。なのでフットバースされても「かわいいヤツめ」って思うようにしてます。それにこのアイテムがないと、むちゃくちゃ硬い「でんこ」を置かれたら、駅メモを始めたばかりの人はなにもできないつまらないゲームになっちゃうからね。

――ならフットバースをくらっても平穏ですね。

ござろう氏:いや、超ムカツキますよ! もしも、オレが寝た後にフットバースされていたら、起きたときにムカッとします。最悪の目覚めですよ(笑)。

駅メモは全国ランキング1位が取れる珍しいゲーム

――他に駅メモのいいところはありますか?

ござろう氏:このゲームは作戦を考えれば、全国1位を取れるのが楽しいです。他のソシャゲで全国1位を取るつもりだったら、おそろしい金額をかけないと取れないじゃないですか? それが駅メモでは取れるんです。

――いや、そう簡単には取れないと思いますが!

ござろう氏:簡単ではないですが、取れるんですよ(笑)。ランキングには、「デイリー」「総合」「通算」などがあって、それぞれスコアで決まるんです。スコアは称号を取ると大幅に上がるので、どれを取ったら「デイリー1位」になれるか作戦を練ったんです。

――デイリーランキング1位の条件は?

ござろう氏:とってもシンプルです。0時から始まる24時間以内に、どれだけスコアを多く稼げたかを競うランキングなんです。だから1日の間に大量得点を得られる称号を取る作戦を練りました。

――どんな称号を取ったのですか?

ござろう氏:「1,000の駅になって」「マスターオブ東京」「溢れ出る路線コンプの才能」の3つです。これらの称号を同じ日に取ったら、デイリー1位になれました。

ござろう氏がデイリー1位を取ったという証拠写真

――それらの称号を取るにはどうしたらよいのですか?

ござろう氏:「1,000の駅になって」は、1,000個目の駅にチェックインすればいいだけです。「マスターオブ東京」は、東京都内のすべての駅にチェックイン。そして「溢れ出る路線コンプの才能」は、路線70個の駅をすべてチェックインです。

「マスターオブ東京」の称号が輝いている!

――そんな条件、1日ではムリですよね? てゆうか、東京のすべての駅に行ったことあるんですか?

ござろう氏:そんなの駅メモの界隈では珍しいことじゃありませんよ(笑)。東京には650くらいの駅があるので、そのすべてにチェックインをしたらいいだけです。

――ずいぶん簡単にいいますね……。

ござろう氏:面倒くさいですけどね。もちろん、すべてゼロからのスタートだったら、1日ではムリです(笑)。なので「ある駅」を、あえてチェックインしない状態にしておいたんです。前日までに999個の駅と69本の路線ををチェックインしておいて、当日は1,000個目の駅と70本目の路線を東京都内に用意しておけば、そこにチェックインするだけで称号をもらえます。事前に計画を立てておくのが重要ですね。

――さすがゲーマー。攻略っぽいですね。

ござろう氏:それと、基本的に他のプレイヤーは土日に動くので、比較的にスコアが低い平日を狙いました。僕は仕事が終わる時間が早いので、仕事を終えてから3つの称号を取ってきたんです。東京で仕事が終わって、千葉の松戸駅までわざわざ行って、東京に戻ってから温存しておいた駅を取り、3つの称号を取りました。その日はテンション上がったので忘れもしません。2015年3月5日のことです。

――1位になると、なにかいいことはありますか?

ござろう氏:なにもないですよ(笑)。単なる自己満足です。でも、それが駅メモのいいところだと思います。他のゲームでは上位にランクインした人にプレゼントが配られる場合が多いですが、そういうことをすると課金者が必死になるだけ。ゲームなんて昔っから自己満足の世界です。がんばってハイスコアを出したヤツが、ニヤニヤできたらそれでいいんです。駅メモを知らない人にはなんの自慢にもならないんですけど、作戦を考えてできたからオレとしてはうれしかったです。

――成功するとうれしいですね! おめでとうございます。

究極ゲーマーござろう氏のプレイスタイル

――ござろう氏は、毎日駅メモをやっていますか?

ござろう氏:はい。もちろん毎日やっています。スマホは手放さないですからね。

――電車のなかでは、常にスマホを見ているのでしょうか?

ござろう氏:基本的にはずっと画面を見てます。ボクは2台のiPhoneを持ってるんですが、1台で駅メモをプレイして、もう1台でGoogle Mapを開いて現在地と周囲の駅の位置の確認をしています。

ござろう氏のプレイスタイルは2台のiPhoneを使用

――両手にスマホを持ってプレイしていると不審がられませんか?

ござろう氏:どうなんでしょうね? 知らない人が見たら不思議かもしれませんが、ボクはもう慣れちゃってるから両手に持っているのが普通です。

――明らかにおかしいと思います(笑)。ござろう氏は「でんこ」を育てるために、なにかやっていることはありますか?

ござろう氏:今は仕事が忙しくなっちゃったのでやっていませんが、一時期は会社が終わった後、帰宅する前に寄り道をしてから帰っていました。毎日どこかの路線を端から端まで乗って、1つずつ路線をコンプリートする毎日を送っていたんです。あのころのオレは狂っていたと思いますよ。そうしないと気がすまなくなってました。

――仕事の後なんだから、まっすぐ帰って休んだらいいのに。仕事の後の電車は疲れませんか?

ござろう氏:電車に乗ってポチポチしてるだけだから、別に疲れませんよ。東京はいい街なんです。路線がいっぱいあるから「でんこ」を育てやすいです。ただし、地下鉄はGPSの電波が届かなくて、ホームからチェックインしにくい駅もあるんです。

――そういうときはどうするのですか?

ござろう氏:オレは休日を使って、地下鉄のフリー切符で回りました。ちょっと高い切符だけど、東京メトロと都営線はすべてフリーなので、1日でメトロと都営線の未開拓駅をすべて取ってきました。取れないときはイチイチ改札を出て地上に出なきゃいけないので、時間ばっかりかかるんですよ。

――それって駅員さんに不審がられませんか? 改札を出て行ったヤツが、しばらくしたらまた戻ってくるんですよね?(笑)

ござろう氏:どうなんだろう? こっちはゲームの攻略をしているだけなので、他人の目は気にしませんでした。感覚的に「大人のスタンプラリー」をしているだけです。

――駅メモは駅を埋めるのが楽しい? それとも「でんこ」を育てるのが楽しい?

ござろう氏:う~ん、駅を埋めるのが、そのまま「でんこ」を育てることにつながるんですよね。なので、オレは駅を塗りつぶすことに専念していたかな? 今までに行ったことのない場所に行くのって楽しいものですよ。

――でも景色は見てないですよね?

ござろう氏:さすがに終点では降りるから、そこの景色くらいは見ますよ(笑)。コーヒーを1杯飲んだら、すぐ引き返すんですけどね。

――ちなみに、今日はどこか行ってきましたか?

ござろう氏:今日はこの取材があったので、少し遠回りをして山手線に乗ってきたくらいですね。

――ござろう氏はいままでに、東京以外の場所は行きましたか?

ござろう氏:いろいろ行ってますよ。それも駅メモの楽しいところの1つです。オレは乗り物に興味がないし、旅行も年に1度くらい友だちと出かける程度でした。それが駅メモを始めてからは、行動範囲が広がりました。とは行っても、駅メモの場合は旅行というか、駅を埋めるために移動してるだけですけど。

出不精な人でも、ついついプチ旅行がしたくなる

――駅メモが目的で、初めて遠出したところはどこですか?

ござろう氏:たぶん、茨城県の「大洗駅」だと思います。ちょうど、駅メモのイベントがあったんです。大洗にチェックインすると「記念品がもらえる」というイベントでした。

――大洗はアニメ『ガールズ&パンツァー』の聖地ですよね? ござろう氏はアニメは好きですか?

ござろう氏:アニメは好きですし「ガルパン」も好きなので、大洗は過去に聖地巡礼に行ったことがありました。なので、駅メモで行ったときは2回目です。記念品がもらえるって聞いたので行ったんだけど、なんか薄っぺらい紙を1枚もらいました(笑)。単なる紙だったけど、当時は駅メモ唯一のグッズだったから、もらっておこうと思って行ったんです。

――大洗に行ったついでに、何かしましたか?

ござろう氏:港町なので魚を食おうと思って、寿司屋に入りました。おいしかったです。あとは商店街で「ガルパン」の看板を見ながら観光しました。本当は称号がほしかったんだけどなぁ。

大洗で食べたという寿司。とてもおいしそう

――称号とはなんですか?

ござろう氏:駅メモは1つの駅に20回チェックインすると「はじめまして○○」という称号がもらえるんです。せっかく大洗に行ったから、「はじめまして大洗」を取ろうと思ってたんだけど、「ガルパン」の聖地巡礼が楽しくて、途中でチェックインするのをすっかり忘れてました(笑)。結局、20回アクセスしないで帰って来ちゃいました。大洗町は2回目だったのに、ついつい観光に夢中になってしまいました。「ガルパン」好きにとって、大洗町は何度行っても楽しいですね。

後編に続く

(取材協力: GAME BAR A-button)

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