ZEEO -ジオ-【ゲームレビュー】

フル3Dの美麗なグラフィックで本格的なハック&スラッシュアクションが楽しめるオンラインRPG『ZEEO -ジオ-』。PCオンラインゲームの配信を行っているハンビットユビキタスエンタ-テインメントが満を持してリリースした大作で、大勢のプレイヤーが集まるMMO形式、ダンジョンでは大迫力の凶悪スキルを存分に繰り出せるMO形式となっている。パーティーがボタン1つで自動マッチングされる手軽さも魅力の1つだ。

装備品の収集&強化にハマる! ぼっち派にもやさしいハスクラ系MMORPG

本作で掲げられたキャッチコピーは「PCゲーム経験者の強者に贈る 片手間で遊べるハクスラMMORPG」。PCゲームのプレイ経験はあっても強者ではなく、そんなに多くの種類のMMORPGを知っているわけでもない身としては、まず「ハクスラ」なるワードがナゾだった。調べてみたところ、ハクスラとは「Hack and Slash」の略で、世界観やストーリーを楽しむより、敵と戦い打ち倒すことを重視したスタイルを指すらしい。代表的な作品として挙げられるのは『ディアブロ』シリーズなど……なるほど。ウィキペディアさんありがとう、ほとんどやったことがないジャンルだということがわかったよ!

自分のキャラクターは5人の中から選択する。ファイター、アサシン、ソーサレス、シャーマン、ガンナーと、職業ごとに特徴づけがなされているが、性別とルックスも職業ごとに固定されている。複数のキャラクターを作成できるので、とりあえず全員を遊んでみてから気に入ったキャラを育てていこう

人間と異種族が争うファンタジックな世界観

ハクスラ系RPGとはいっても、ストーリーや世界観はしっかりと存在している。戦いの舞台となるのは、かつて世界を支配し、暴虐を極めていた神が封印された土地。現在は先住民族であるネベドと人間が争っているという。ゲームスタートの段階では、とりあえず「神が復活するとまずい」、そして「ネベドと人間は敵対関係」という2点だけ押さえておけばよさそうだ。

ストーリー的に、プレイヤーの操作する主人公は何やらワケありらしい。指名手配犯であることを隠して、ネベド側でも人間側でもない中立の村に傭兵として入り込む。そこで村人に取り入り、困りごとを解決することで生計を立てることにしたのだ。

実は、どのキャラクターでプレイしても会話でのセリフはまったく同じ。女性キャラでもぶっきらぼう言葉を使う。でも、そこがかえってクールで魅力的!

よりよい装備を手に入れて強化するのが醍醐味

ゲームの流れとしては、村でクエストを受け、指定されたエリアやダンジョンを探索して敵を倒し、依頼者に報告して報酬をもらうことの繰り返しとなる。依頼の目的地が未知のエリアだった場合は、クエストの受注によって新エリアに入れるようになる仕組みだ。

また、メインストーリー的に進んでいくクエストと並行して、いくつかのサブクエストも発生。メインクエストだけを性急に進めていくと、すぐに敵が強くなって苦戦を強いられてしまうが、サブクエストもこなしていくとちょうどいいバランスでキャラクターが成長していく印象だ。ちなみにこれらのクエストは、すべて自分1人(ソロ)で挑戦する仕様になっている。

また、そういうメインストーリー的な流れとは別に用意されているのが「マルチプレイ」。詳しくは後述するが、パーティーを組んでのプレイはこの機能に集約されている。

メインクエストの中で指定される場所は、「GO」のアイコンを押すと自動的に移動してくれる親切設計。サブクエストについては手動で操作する必要があるが、依頼主の頭の上に「!」や「?」が浮かんでいるので非常にわかりやすい

キャラクターは経験値によってレベルアップするが、それによってパワーアップするというよりは、レベル制限のある装備や機能を解除するためのものという位置付けだ。ゲーム内の攻略ヒントにも記載されているが、キャラクターの強さはレベルよりも装備品に依存する。

たとえ同じレベルであっても、もともとの性能がよくてある程度の強化も済ませた装備を身に付けると、強さが本当に段違い! 装備品を替え、同じレベルで同じダンジョンに挑めば、嫌というほどそれを体感できる。そうなってくると、より性能のいい装備品がほしくなるのが自然な心理。有益なオプション効果がたくさん付いた理想的な装備品を手に入れるべく、何度もダンジョンに挑戦したくなってくる。

ダンジョンクリア時にもらえる報酬はクジ引きで決まる。運がよければSランクの装備品も入手可能!

どの装備品をチョイスするか、悩ましくも楽しいところ。基本性能の数値の低さは強化や合成でそろえるので、オプションの種類で選ぶのが賢いと思うのだが……。問題はどの効果を重視するかだ

直観的に動かせるUI

キャラクターの移動や対象物の指定は、すべて画面タッチでOK。移動先をタッチすれば、障害物を避けながらそこへ向かって移動し、到着したらその場に止まる。連続して移動させ続けるなら、キャラクターの少し先をタッチしてからスライドさせれば、その後を付いてくる感じになる。

NPCに話しかけるときも、相手のそばに寄ってタッチするだけ。たいていのことは、ポチッとするだけで済んでしまう。例外といえば、ピンチイン/アウトでズームイン/アウトすることくらいだろうか。

ダンジョン探索では、「オート」「セミオート」「オフ(マニュアル)」のどれを選ぶかによって操作内容が異なる。「オート」では、プレイヤーは基本的に何もすることがない。移動や戦闘、ダンジョン脱出まで完全にオートだ。「セミオート」では、移動のみを自分で操作すれば戦闘は自動で行われる。「オフ」では移動だけでなく、どの敵と戦うかをタッチで指定する必要があり、なおかつ1回の攻撃ごとに通常攻撃(タッチ)やスキル(スワイプなど)を指示しなくてはならない。

なお、スキルの発動については、スワイプや「○」「V」の形に画面をなぞるといった操作以外にも、画面下部にあるスキルボタンをタッチすることでも代用できる。

街中では、ちょっと過剰じゃないかというくらいボタンと情報がいっぱい! 最初は戸惑ってしまうが、慣れれば使いやすい。欲を言えば、マップ表示ボタンがもう少し大きいと押しやすいのだが

ドロップ品やクリア報酬目当てでダンジョンを周回するときに便利なのがオートモード。ただし、オート中は攻撃と防御の性能が-20%されるので、うかつな場所で使うとピンチになりかねない。なお、オート中であってもスキルを発動させたり、回復薬を使ったりといった手動での部分介入は可能だ

よりレアなアイテムが手に入る「マルチプレイ」

街中でいつでも挑戦できる「マルチプレイ」には3つのモードがある。2~4人のパーティーでダンジョンを攻略する「英雄協奏」、自分1人でHPが尽きるまで敵と戦い続ける「無限狭間」、最大4人で挑戦する高難易度ダンジョン「魔神討伐」がそれで、メインクエストをクリアしていく流れからは独立した存在になっている。とはいえ、サブクエストのお題で「英雄協奏」を求められるといった関わりはあるのだが。

「英雄協奏」や「魔神討伐」はパーティープレイなので、現状の街中のチャットでは同行者の募集も盛んだ。もちろん、そうやってコミュニケーションをとるのがMMORPGっぽさではあるのだが、声をかけるのが苦手な人はオートマッチ機能を使えばOK。サクッと組んで、定型文であいさつして、サクッと敵を倒して解散。1プレイが数分で済んでしまうので、お手軽なことこのうえない。それでいて報酬は豪華! せっかくもらったのに、「レベルが足りません」と拒否されて装備できないくらい豪華!! 筆者が最低入場資格であるレベル10で挑んだのは早すぎだったらしい。

全体チャットでは違うチャンネルにいても会話が可能。パーティー結成の話がまとまったら、同じチャンネルに移動してマルチプレイに挑むらしい

唯一の欠点はロード時間の長さ

5人のキャラクターを作成し、最も成長したのがレベル11という時点での感想だが、本作は無課金でかなり楽しめると思う。オート機能があるのでダンジョン周回は苦にならないし、レア装備用のガチャを引くのに必要な「ジェム」も、課金しなくてもそこそこたまっていく。もっと高レベル向けのエリアの難易度によってはどうなるかわからないが、序盤に関しては理不尽な仕様に困らされたり、無課金ゆえの無力感などを味わったりはしていない。

ただ、1つだけ気になったのは、キャラクター作成直後のイベントからチュートリアルの進行時や、街とダンジョンを行き来する際の画面の切り替わりで発生するロード時間の長さ。サッと終わるときもあるので、ある程度のバラつきはあるのだが、長いときは本当にイライラするレベルになる。画質を変えても効果は感じられなかったので、そういう問題ではないらしい。ゲームにならないほどひどいわけではないが、地味にストレスになるので改善されるとかなりうれしい。

  • 使用した端末機種:ASUS_Z00AD
  • OSのバージョン:Android 5.0
  • プレイ時間:約6時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.24
  • 課金総額:0円

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