終わりのセラフ BLOODY BLADES【ゲームレビュー】

TVアニメやコミックで人気の『終わりのセラフ』をゲーム化した『終わりのセラフ BLOODY BLADES』。プレイヤーはおなじみのキャラクターたちでチームを編成し、迫りくる吸血鬼たちを撃退していく。チーム編成とセットした陣形が勝敗のカギとなる陣形ディフェンスバトル!

TVアニメの第2期も放送直前! 人気伝奇バトルコミックが待望のゲーム化

吸血鬼という怪物は、何もキリスト教圏ばかりのものでもない。人の血を吸う怪異は、南米のチュパカブラやインドネシアのポンティアナックなど、世界中で散見される。ところが、日本では精気を吸う怪異はいるが、吸血鬼はまったく一般的でなかったようで、現在では西洋の吸血鬼イメージがさらに日本的耽美性を持って定着している。

人間の上位種であるという位置付けや、別の生物からの収れん進化など、創作の世界ではさまざまな吸血鬼が登場するが、本場の欧米圏よりも熱心に吸血鬼に関する創作が行われるのは、逆に向こうでニンジャやサムライが流行っているのと同じようなことなのかもしれない。

本作『終わりのセラフ BLOODY BLADES』も、吸血鬼という人類の上位種に世界が支配されているという物語がベースとなっている。文明の栄華を誇った人類は、一夜にして吸血鬼の支配されるところとなり、彼らの家畜として生を永らえるしか生きるすべがない世界となった。その中で、一部の人間が人類の生存圏を確立し、それを拡充しようとしているというのが前提。それゆえ、ゲームの内容も侵攻してくる吸血鬼を排除するというものになっている。

吸血鬼のキャラクターもパーティーに加えることができるが、協調性に欠けるため団結力が下がってしまう。反面、人間より回復が早いというメリットもある

ポジションに注意! とりあえず囲んでタコ殴りのバトル

人類より数が少ないのに、吸血鬼が人類を支配しているというのは、ひとえに人類より戦闘力が高いから。それゆえ、1対1で戦うことは想定されていない。プレイヤーは5人までのパーティーを編成して、侵攻してきた吸血鬼を包囲する。これが「陣形ディフェンスRPG」といわれる本作のバトルシステムのキモだ。

吸血鬼は戦略目標を目指して進んでくる。これを阻止するのがバトルの目的。吸血鬼の周囲は6つのマスに仕切られ、ここにパーティーメンバーを配置することになるが、得意とするポジションが異なっているのがほかにない要素だ。パーティー編成時にはこの点に気をつけないと、同じポジションが得意なキャラが集中して、どうにもならなくなってしまう。

また、各キャラには火、木、水および光、闇の5つの属性がある。火は木に、木は水に、水は火に強い。また、闇と光はそれぞれに効果を発揮するが、相手に攻撃されると弱いという関係になっている。

基本的に、キャラクターはそれぞれ1ヵ所または2ヵ所の得意なポジションを持っている。キャラをフリックしてそのポジションに配置しよう

目標にどれだけ接近されてしまったかで、戦闘の評価が変わる。なるべく目標から遠い場所で敵を撃破したほうが、もらえる報酬が多くなるという仕組みだ

レアリティーが異なれば別キャラ扱いになるので、同じキャラを1つのパーティーに編成することが可能である

バトルはオート。絆の力で強くなるキャラクターたち

本作独自のシステムとして「絆ゲージ」というものがある。いったんキャラを配置してしまえば、あとは勝手に戦闘してくれるのだが、キャラを配置する際や、戦闘中のキャラのパワーアップさせる際には、この絆ゲージのポイントを使用することになる。

各キャラともレアリティーに関係なく5段階まで強化することが可能だが、さらに強化を5段階ためることで必殺技が繰り出せるようになる。ただし、必殺技を使用してしまうと強化段階は0に戻ってしまう。このほか、敵の攻撃により戦闘不能になっても0に戻されてしまう仕組みだ。

戦闘不能になりそうなときや、陣形を崩されたときなどは、タイルをフリックすることでキャラを退避させることが可能だ。退避後はリスポーンタイムが発生し、しばらくは出撃できなくなるが、退避中はHPも徐々に回復するし、強化も維持されたままという特典もある。なお、再出撃を行うときにも絆ポイントが必要だ。

戦闘不能になると、それまでの強化が無駄になるだけではなく、より長いリスポーンタイムが必要となる。危なくなったら早めに撤退させることも肝心だ

総攻撃で敵のMOVEゲージをブレイク!

バトル中、敵の「MOVEゲージ」が十分にたまると、長い距離を一気に移動されてしまう。戦闘評価が一気に下がってしまうので、かなりまずい状況だ。これを防ぐには、多くの仲間で敵を囲み、ゲージのたまりを遅くするのが有効だ。もう1つ、総攻撃を掛けて相手のMOVEゲージを破壊するという方法もある。

特に、総攻撃はどれだけMOVEゲージがたまっていても0に戻せるという強力な効果を発揮する。こちらのチームも「総攻撃ゲージ」をためる必要があるが、ここぞというタイミングで敵の進行を阻止するためには、かなり有効な手段となるはずだ。

MOVEゲージがたまっていく途中にも、敵は徐々に目的地に向けて進行する。しかし、いざゲージがたまれば一気に距離を詰めてくる。MOVEゲージのたまり具合、仲間のHP残量などの状態、敵の残りHPなど、さまざまな状況を考慮して、総攻撃を発動していこう

吸血鬼を狩るクエストには、原作の物語をなぞっていく「ストーリー」と、イベント戦闘を行う「スペシャル」の2種類がある。ストーリーでは戦闘の合間に会話が発生し、アニメと同じ声優陣によるボイスも楽しめる。スペシャルには曜日限定やイベント限定のものなどがあり、ストーリーの流れとは特に関係なくプレイできるが、クリアすることでより高難度のステージに挑戦できるようになる。

ストーリーでは、さまざまなキャラがとにかくよくしゃべる! キャストはアニメでおなじみの声優陣なので、ファンにとってはうれしいポイントの1つだ

同じステージでの難易度の比較。「通常」と「困難」で、推奨レベルがかなり違っていることがわかるはずだ。さらに「鬼難」になれば、飛躍的に推奨レベルが高くなるだろうことは想像に難くない

TVアニメの第2期も放映を控えており、ファンの期待も盛り上がっているはず。原作の世界観をしっかり再現し、その物語をなぞっていく本作は、ファンアイテムとしてありがたい。おなじみのキャラたちがしゃべりまくる部分もうれしいポイントだが、その反面でデータのロードが多いのが気になった。

またヘルプの作りが甘く、すべてを読んでもシステムが理解しきれないというのは本末転倒だ。ゲームプレイを進めていく中で自然に理解していくことを想定しているのだろうが、よくわからぬままにプレイするのは案外ストレスになるものである。独特なゲームシステムを意欲的に実装しているのだから、そういった部分のケアも忘れないでほしい。

■TVアニメ『終わりのセラフ』第2クール:名古屋決戦編:/ Second Half ‘Battle in Nagoya’

【放送予定】

  • TOKYO MX :10月10日(土)より毎週土曜日22:00~
  • MBS:10月10日(土)より毎週土曜日26:28~
  • テレビ愛知:10月10日(土)より毎週土曜日25:50~
  • BS11:10月12日(月)より毎週月曜日24:00~
  • AT-X:10月11日(日)より毎週日曜日20:30~
    (毎週月曜日22:30~/毎週水曜日14:30~/毎週土曜日06:30~)
  • CSテレ朝チャンネル1:10月19日(月)より毎週月曜日深夜1:00~
  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 8.4.1
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.3
  • 課金総額:0円

(C)鏡貴也・山本ヤマト・降矢大輔/集英社・終わりのセラフ製作委員会
(C)BANDAI NAMCO Entertainment.Inc