【西川善司のモバイルテックアラカルト】第27回: 西川善司が見たiPhoneケース展の世界(後編)~アイディア満載のユニークiPhoneケース編

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今回は「iPhoneケース展2016」レポートの後編です。前回はこだわりのメイドインジャパン編となりましたが、後編ではユニークなアイディアが光るおもしろiPhoneケース編をお届けします。

独創的なアイディアが光るiPhoneケース

女性向けのiPhoneケースを取り扱っていたのは、フロンティアファクトリーのブースです。展示されていたのは、同社が日本での正規代理店を務める「Pursecase」です。

このPursecaseは、アメリカのカリフォルニア州の新興ブランドで、日本の女性の間でもにわかに注目を集めているんだそうです。

フロンティアファクトリーブース

これ、一見すると持ち手があるなど普通の女性向けミニバッグにしか見えませんですが、れっきとしたiPhoneケースなんですね。

Plusを除く、iPhone 6系に対応。色は全部で5色。標準価格は3,980円

画面やホームボタン、カメラ部分はちゃんと開放されたデザインになっていて、そのまま画面の操作もできますし、耳に当てて通話をすることもできます。

カバンスタイルで持っているときは手提げっぽい持ち手ですが、通話時には転落防止のハンドストラップ的な役割に変身するのもなかなかよく考えられています。

そして、カバンっぽく見えますが、蓋ロックを開けば収納スペースが出てきて、カードや畳んだお札くらいは入るようになっています。

奥様や彼女へのプレゼントなんかにはよろこばれそうです。

iPhoneを使うときは、このように使える。持ち手はハンドストラップに早変わり

収納スペースはこんな感じ。コンビニに行くくらいならば、これだけで行けそう

対して、PCB ART moecoブースは、ちょっぴり男性……というか我々のような秋葉原系男子に響きそうなiPhoneケースを取り扱っていました。

なにしろ、電子回路でグラフィックを描いてしまった基板アート型のiPhoneケースなんですから。

moecoブース。写真の売り子は永友弥綾さん。同社の基盤アート型iPhoneケースはiPhone 5系、そしてPlusを含む6系、7系に対応。価格は12,960円から17,280円。LED発光ギミックなしは安め

PCB ART moecoを最も有名にしたのは、昨年発表された東京周辺の鉄道路線図を電子回路で再現してしまったiPhoneケース「FLASH 東京回路線図iPhone ケース」です。

その後、関西、ニューヨーク、パリなどの鉄道路線図をiPhoneケース化したものを発売したところ、人気はさらに沸騰し、いまや世界中から問い合わせが来ているのだとか。

PCB ART moecoの知名度を世界区にした、鉄道路線図を電子回路で再現したiPhoneケース。東京版は東京駅がLEDで発光する

この美しい基板アートですが、この基板自体の製造は大阪の本物の電子回路基板設計製造業者の電子技販が担当しているのです。

その意味では、こちらもメイドインジャパンというわけですね。

この基板アート、たしかに電子回路の機能としてはただのダミーなんですが、プリント基板としては本物というのがユニークです。

さて、今回のPCB ART moecoブースの目玉は、これまた我々、オタク男子に刺さりそうなデザインの基板アート型iPhoneケースですよ。

なにしろ、SF映画『スターウォーズ』の「X-WING」をあしらったデザインですからね。

パッと見ただの絵のように見えますが、ちゃんと電子回路のプリント基板でX-WINGのグラフィックが再現されています。

ブース担当者によれば、版元のルーカスフィルムから公式ライセンスを受けたものだそうですが、「販売地域を日本に限定する」という契約になっているそうです。

ということは逆に、海外からのお客さんへのおみやげにはよろこばれそうですね。

新作『スターウォーズ』デザインのものも、他モデルと同様に基板カラーが白黒緑のバリエーションがある。ライセンスフィーの関係で鉄道路線図版よりも値段が高め(笑)

世界中のアイディアに溢れたiPhoneケースを正規代理店として販売するフォーカルポイントは、本格的でかなり広めのブースを設営して、現行モデルや新作モデルを展示していました。

今季の同社のイチオシは、TUNEWEAR製の2製品だそうです。

右はフォーカルポイント取締役副社長の三浦栄一さん

1つは、「TUNEWEAR Hybrid Shell」というモデルです。

一般的なスマホケースにはソフトなTPU素材のものと、ハードなポリカーボネート素材の2種類があります。

Hybridと名付けられたこの製品は、外周エッジ部にTPU素材を活用し、iPhoneの背面に当たる平面部分はポリカーボネート素材を使い分けたデザインになっているのです。

iPhone 7対応。標準価格は2,138円

落としたときに衝突しやすい外周エッジ部にTPU素材をあしらうことで、衝撃の緩衝に役立ちますし、持った時にも滑りにくいメリットがあります。

平面部分がポリカーボネート素材なのは、持ったときのソリッドな触り心地を演出できますし、ポリカーボネート素材は透明なのでiPhone本来の素材感が楽しめます。

外周は軟質なTPU素材。TPU素材はもともと滑りにくいが、外周部にエンボス加工をあしらうことでさらなる滑り止め効果を追加。平面部はポリカーボネート素材

ちなみに、ポリカーボネート素材の透明な部分に、自分で印刷した任意の柄の型紙を挟み込んで自分だけのオリジナルiPhoneケースを楽しめる遊びもできるそうです。

機能的にもデザイン的にも、よく考えられている製品です。

背面側の透明なポリカーボネート素材部分には柄入りの型紙を挟み込むことが可能

背面側にはめ込める型紙は自分で作れる。この柄型紙を作るためのテンプレートサイトも公開されている

もう1つは、「Finger Grip」という製品で、その名のとおり背面側に親指以外の4本を入れることができるハンドグリップが実装されたデザインになっています。

指を入れていないときはハンドグリップ部は畳めてしまうので、普段は背面側は平面状体になります。

また、このハンドグリップの裏側は小さな収納スペースになっていて、前出のPursecaseのようにクレジットカードなどを入れておくことができます。

ビジネスマンなんかは、ここに予備の名刺を入れておくと便利そうです。

「Finger Grip」はその名のとおり、ハンドストラップが組み付けられたiPhoneケース。iPhone 7対応。価格は3,218円

イベントやプライベートで、ばったり会った同業界関係者と突発的な名刺交換に迫られる局面がありますけど、そんなときに名刺を持ち合わせていなかった……なんてことありませんか。

iPhoneは常に持ち歩くはずですから、ここを臨時の名刺入れにしておくのはいい考えです。

もっとも、単純に名刺入れをよく忘れる人も、このiPhoneケースは便利に使えそうです(笑)。

素材はPUレザー(合成革)。手にもよく馴染む。担当者によれば、夢中になって落としがちな『Pokémon GO』(ポケモンGO)をやるときにも最適!! とのこと(笑)

おわりに

この他、プロ・アマ問わずのアーティストたちによる創作iPhoneケースの展示会も催されていました。

こちらは、お題となるベースのiPhoneケースに対して、独自の装飾を行って作品として発表するものです。

出品作品は一点モノになるわけですが、値が付いているものについては実際に購入することもできます。

応募作品は学生参加54作品を含む124作品で、最優秀作には山口直久さんの作品「解放」が選ばれました。

プロ・アマ問わずのアーティストたちによる創作iPhoneケースの作品展も開催

kannaさんの作品「iPhoneケースくんの一休み」。ベースのiPhoneケースは透明タイプのTUNEWEAR製「eggshell」なのだが、その面影はもはやない(笑)

昨年優勝した牧野伸康さんの作品「minmin-phone」。今回も生き物風メカのデザイン

パティシエのイチカワミズホさんの作品「Eatable!」。これ、タイトルのとおり、お菓子で出来ていて実際に食べられるんだそうです

今年の最優秀作品はこちら。山口直久さんの作品「解放」。選考のポイントは「全体の統一感、明確な意志を持ったコンセプト表現、iPhoneケースの形を活かした作品であるということの3要素から」だそうです

それと、家族連れでの来場にも配慮して、子どもたちが500円で参加できるオリジナルiPhoneケースが作れる体験ワークショップなども設営されていました。

ビーズやシールなど色鮮やかな装飾パーツを、透明なiPhoneケースに飾り付けて行く感じで作品を作っていきます。

このワークショップにはアーティストの先生もいて、アドバイスを受けることもできるので、けっこう本格的な教室になっていました。

それよりさらに小さな子ども向けには、iPhoneとは関係ないのですが、知育オモチャを遊べるコーナーもありました。

今回のレポートで興味を持った人は、来年の開催時には家族連れでお出かけするのもいいかもしれませんね。

オリジナルiPhoneケースが作れるワークショップ。参加費500円にはiPhoneケースも含まれているのが太っ腹。道具は全部会場にあるので手ぶら参加OK

アメリカの会社であるマテルの知育玩具ブランド「Fisher-Price」の展示コーナー。来場者の幼児が実際に遊ぶことができた。ここで展示されていた「コード・A・ピラー」は、三歳児からプログラミングが学べる連結型のオモチャ

前編でも述べたように、ボクはiPhoneユーザーではなかったのですが、iPhoneケースにこんな広くも深い世界があるのかと感心してしまいました。

まるで、初めて行く博物館を見学した気分になりました。

ここまでいろんな種類のiPhoneケースがあると、そうしたケースを楽しみたいがためにiPhoneがほしくなってしまいます。

高価なiPhoneよりも、ついにコストパフォーマンスに優れたAndroid端末に行ってしまうボクですが、いつか、iPhoneユーザーになれることをみなさんで願っていてください(笑)。

大手企業製のものばかりではなく、個人iPhoneケース作家さん達が創作したオリジナルiPhoneケース、その他関連グッズの展示即売スペースもありました