Reigns【ゲームレビュー】

プレイヤーが中世の君主となり、左右に揺れるコントローラー(もしくはスワイプ)で、思いのままに王国を繁栄させていくシミュレーションゲーム『Reigns』。テキストとカードだけのシンプルなゲームデザインながらも、リアルに近いスリリングさを楽しめるのが特徴的なタイトルだ。

YESかNOかで国を治める異色アドベンチャーゲーム

『Reigns』は、Devolver Digitalより配信されているアドベンチャーゲーム。

フランソワ・アリオットによって、2013年にロンドンで設立されたゲーム会社Nerialが開発元となっており、『Singular』『Magicshot』『Devouring Stars』に続き、本作は4作目となっている。

プレイヤーは中世の王様となり、「教会」「人民」「軍」「国庫」といった4つのバランスを上手く取りながら、できるだけ長く王位を守るという流れを繰り返していく。

少し前までは英語版のみの対応で遊びづらかったのだが、9月15日に待望の日本語版もリリースされた

国の命運を左右するスリリングな選択肢の数々

ゲームシステムは非常にシンプルで、カードの内容に「YES」の場合は左へフリックし、「NO」の場合は右にフリックしながら決断するというもの。

選択後は画面上の教会、人民、軍、国庫といった4つのゲージが変化していき、1つでもゲージがなくなってしまうとその時点でゲームオーバーとなる。

ゲージは緑色だと上昇していき、赤色だと下がるといった仕組みだ

1つの選択を決断すると、次の選択を迫られ、基本的にこれを繰り返していくことで国の経営も続いていく。

ゲージが増減する場合は、回答する前にマーカーがつくので、いかにして正解のルートを見つけるかが重要となるのだ。

人民のメーターがなくなれば人民の暴動で殺され、軍事のメーターがなくなれば隣国の軍勢に国が占領され、いずれも王は悲惨な最期を迎えてしまう結果に

死に戻りを繰り返しながら功績を達成していくことが攻略のコツ

1つの判断ミスによって次の展開が大きく変わっていくため、始めて間もないころはゲームオーバーが続くだろう。

しかし、何度かプレイするごとに正解のパターンは覚えていくはずなので、いわゆる「死にゲー」のような難易度ながらも、いずれは国を正しい方向へ導けるのである。

そうしてバランスよく各ゲージを上げていくと……。

やはり王様は死んでしまう。教会が最大になれば宗教国家になって王が牢屋に放り込まれ、軍事が最大になれば軍事政権が立ち上がるなど、どれか1つの勢力が強くなりすぎてもクリアはできないのだ

つまり、偏ることなく、最終的にはどの選択肢にも中立の立場で決断していかなければならないのだが、自分がいいと思ってやったことが空回りしてしまうこともあるので、その辺りは慣れるしかない。

やりこみがいのあるコンプリート要素がプレイ意欲をかき立てる!

ゲームに慣れてくると、本作に存在する2つのやり込み要素に気づくはず。

1つはハイスコアであり、王位を長く続けるほどこちらの記録は伸びていくので、先ほど紹介したコツを参考に進めてみよう。

正解への選択肢はしっかりと見逃さずにして、新しい決断に迫られた際は、状況にいちばんフィットする内容のものを選択するといったプレイを意識すると、ハイスコアは更新しやすい

2つめが、「功績」「歴代王の最期」「ポートレートギャラリー」をそれぞれコンプリートすること。

ゲームオーバーになってもペナルティが存在しないため、目的となるイベントを達成いくだけでも自然とこちらは集まっていく。

何度もプレイし、少しずつ異なる選択を選ぶことで、この国の背後に隠された秘密や人々の思いが明らかになる

ループしながら物語を構造していく新たな楽しさが魅力!

「YES」か「NO」といったシンプルな2択で内容を進めていき、間違いがあればまた最初から正解のルートを辿っていくという『Reigns』。

ゲーム性的にはノベルゲームと同じ感じだと、プレイする直前までは思っていたのだが、異なっている点としては好きなタイミングでセーブができないため、完全に死にゲーを繰り返しながら、内容を覚えていくしかない。

ただ、淡々とプレイを続けていくことで、その分のプレイに報いるストーリーも用意されている上に、日本語翻訳のほうも違和感なく読み進めていけるほどのクオリティーを保っている。

政治ゲームかと思いきや、国の謎を解き明かしていくアドベンチャーゲームでもある。そんな本作を、ぜひ一度プレイしてみてほしい!

  • 使用した端末機種:iPhone 6s
  • OSのバージョン:iOS 9.2.1
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0
  • 課金総額:0円

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