【西川善司のモバイルテックアラカルト】第25回: 8インチタブ「MediaPad M2 8.0」をメインスマホとして使うことになったワケ

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この連載の第15回で、ボクは、スマートフォンをFREETELの「SAMURAI KIWAMI」(以下、KIWAMI)にした経緯を紹介しました。今回は、そのKIWAMIが故障してしまい、代替機としてタブレットを使ってみたという内容です。

KIWAMIを選んだ経緯

大画面が大好きなワタクシこと西川善司は、その好きっぷりがスマートフォン(スマホ)にまで及ぶわけでして、6インチ未満のスマホは眼中にないのです。

とはいっても一時のスマホの大画面化のブームは旬を過ぎ、昨年あたりから多くのスマホが大きくても5インチ台になってしまいました。

そんな中、FREETELのKIWAMIは値段の割にはスペックも優秀で、画面も6インチ……とまあギリギリ許せるレベル。

それまで6.4インチの「XPERIA Z ULTRA」(以下SOL24)を使っていたボクとしては、6インチジャストは「小さい」という印象です。

それでも、消去法でこれしかなかったのでKIWAMIを選択しました。

ちょうどこのタイミングが2年縛り契約の呪縛が解けたときだったし、KIWAMIは、それまで使っていたSOL24のSIMとも相性がよくありませんでした。

そこで、キャリアも思い切ってMVNO(Mobile Virtual Network Operator)に変えてみることにしたのです。

自宅のインターネット設備の関係で、MVNOキャリアとしては「OCN モバイル ONE」を選択しました。

筆者の愛機、FREETELのKIWAMI

MVNOユーザーはSIMフリー端末をもう1個くらい持ってないと苦労する

あれから約半年、平和にKIWAMIを使っていました。

しかし、先日横浜で開催されたゲーム開発者向けカンファレンスCEDEC 2016へ出張取材中に、充電がまったくできなくなってしまいました。

充電ランプは点くのに、電池アイコンの表示が1%くらいからまったく上がりません。

背面から多少ぬくもりを感じるので、電気自体はKIWAMI内部に通電されているようです。

あくまで想像にすぎませんが、充電制御関連のチップが不具合を来しているのかも知れません。

結局、横浜滞在中の3日間は、自分の人生では何年ぶりかわからないほど久々に、携帯電話なしの生活を送ることになってしまいました。

取材中なので、携帯電話ショップに行くこともできませんからね。

CEDECが閉幕し、自宅に戻ってからの翌日、KIWAMIを購入した地元のヨドバシカメラのFREETELカウンターに持って行きました。

「ああ、確かにおかしいですね。」と店員さんにも症状を確認してもらったので、このまま事務手続きに入るのかな……と思ったら違っていました。

ボクとしては、購入時のレシートと保証書も出して、そのまま代替機を貸してもらえるのかなと、Docomo、au、Softbankの御三家キャリアのような対応を夢見ました。

でも、よく考えれば「SIMフリー端末」×「MVNOキャリア」ではそんなサービスはないのです(笑)。

まず、KIWAMIは保証期間内なので無料の修理ないしは交換対応になるだろうとのこと。

しかし、修理受付はヨドバシカメラのFREETELカウンターでは行っていないといわれてしまいました。

電話かインターネットで修理依頼手続きをして、ユーザー自身が修理センターに発送しないといけないとのことでした。

これはFREETEL専用の受付カウンターでやってもらえるものと思っていたので、誤算でした。

代替機も貸してもらえないとなると、再びしばらくは携帯電話なし生活が続行することになります。

自分はあまり携帯電話で通話発信はないですが、仕事の電話が着信することはまあまああります。

連絡がつかなくなるのはあまりよろしいことではありません。そして、出先でインターネットや便利アプリ群がいっさい使えなくなるのも困りものです。

ただ、契約しているMVNOキャリアのSIMは、他のSIMフリー端末に接続して使えば使えるはずです。

しかし、恥ずかしながら、ずっと御三家キャリアのユーザーだったボクは、代替機となるSIMフリー端末などは持っていないのです。

ということで、ただ「FREETELの端末は店頭カウンターでは修理受付してもらえない」という事実を知っただけで帰るのも残念すぎます。

そこで、せっかく電気量販店に来たわけですし、ここでなにかしらのSIMフリー端末を買って帰ることを決意しました。

今後、MVNOキャリアを使い続ける以上は似たような事態になることもあり得ますからね。

スマホじゃなくて通話もできるタブレットを探す

で、何にするか……ですが、今回買うヤツはKIWAMIが直って帰ってくればいわば予備機になるわけで、あまり高価なものを買うのもどうかなという気がします。

かといって、西川善司としてのアイデンティティともいえる大画面は譲れないポイントですし……。

そもそも、代替機とはいえ、KIWAMIをメインで使っている間、ただ棚にしまっておくのももったいない気がします。

似たような大画面スマホを買うのは、そもそも「違う」ような気がしてきました。

そこで、大画面を求めるならば一気に大画面にしてしまおうと思い、KIWAMIが属する6インチクラスよりもさらに大きい7インチ以上のクラスにターゲットを設定して探してみました。

スマホとタブレットと中間的な存在である「通話できるタブレット端末」……いわゆる「ファブレット」ですね。

すると、店頭で販売されていたもので該当したのはHuaweiの7インチの「MediaPad T2 7.0 Pro」(以下T2 7.0 Pro)と8インチの「MediaPad M2 8.0」(以下M2 8.0)の2つでした。

MediaPad T2 7.0 Pro

T2 7.0 Proは2016年発売モデルで、サイズ的にもいい感じでしたし、本体を耳に当てて直接通話することができるので、「よし、これだ」と心の中で決めました。

価格もKIWAMIよりは少し安かったですし。

しかし、入れられるSIMがnanoサイズのみで、KIWAMIに挿していたのはmicroサイズのSIMでした。

そう、T2 7.0 Proには刺さらないのです。SIMカッターで自前加工というのも、いろいろと危険ですからね。

そういうわけで、なかば消去法的にM2 8.0を買うことになったのでした。

自宅に戻って手続きを進めたところ、オペレータがいうには、手持ちの端末を送付してから交換品が戻ってくるまでに短くて7日、長ければ10日から2週間はかかるとのこと。

MediaPad M2 8.0

M2 8.0はどんな端末?

M2 8.0は2015年9月発売なので、1年前のモデルです。

大まかなスペックは、以下のとおりです。

  • 画面サイズ:8.0インチ
  • 解像度:1,920×1,200ピクセル(WUXGA)
  • アスペクト比:16:10
  • 寸法:W124×H214.8×D7.8(mm)
  • 重量:330g
  • バッテリー容量:4,800mAh
  • メインプロセッサ:Hisilicon Kirin 930(オクタコア)
  • CPU:Cortex-A53 2.0GHz×4、1.5GHz×4
  • GPU:Mali-T628 MP4(600MHz)

2015年発売のタブレットとしては、ミドルアッパークラスの製品といえるでしょう。

唯一無二の機能としては、本機の音響デザインをHarman/Kardonがプロデュースしており、このタブレット、生音が妙に高音質なのです。

でも、決め手はそうした音響機能ではなく、「タブレットなのに電話機として通話できる」部分です。ただ、残念ながら手持ちで直接耳に当てての通話には対応していないのでした。

そう、イヤホン/マイク付きのヘッドセットでの通話となるんですね。

この部分は、相当「面倒でやだなぁ」と思ったのですが、ヘッドセット電話機として我慢しなければならないのはKIWAMIが戻ってくるまでの7日間~14日間だけです。

我慢できない期間ではありません。

ヘッドセットは店員のお勧めもあってPlantronicsの「M70」にしました。

M70は同社製品ラインナップ上はエントリークラスですが、店員の話によると音質には定評があるとのこと。

サイズが小さく、ストラップに括り付けておけば邪魔にならなそうですし、何より片耳ヘッドセットにはこだわりもないので、これに決めてしまいました。

M2 8.0の電話機としての使い勝手は?

この原稿は、実は出張で来ているニューヨークで書いているのですが、ここではスマホとしてM2 8.0を使っています。

ニューヨークに来た理由は、例のリンゴマークの会社の新製品発表会ではなく、新ゲーム機の発表会のためでした(笑)

ちなみに、KIWAMIは、メーカーとやりとりしてから10日程度の後、出張前ギリギリに直って帰ってきました。

ですが、結局、修理というより交換になってしまい、初期設定をし直すハメになりそうだったので、それは後回しとしました。

ニューヨークには、M2 8.0を引き続きメイン携帯電話として携行しました。

修理から帰ってきたKIWAMI(右)とM2 8.0(左)。8インチはでかい

ボクはネックストラップ派で、KIWAMIは首から下げて使っていましたが、今回のM2 8.0も、いちおう、慣習で同じストラップを付けて首から下げてみました。

普段、取材中に一眼レフカメラを首から下げている自分からすると、重さ的にはそれほど違和感はありませんでした。

ちなみにKIWAMIは約180g、M2 8.0は約330gです。

重さ的に気にならなかったので、しばらく首から下げていたところ、遭遇した知り合いから「8インチのタブレットを首から下げているのは見た目として面白すぎる」と笑われてしまいました。

こんな感じでM2 8.0をネックストラップに括って首からぶら下げて歩いていたら笑われた(笑)

それはさておき、ニューヨーク滞在中、M2 8.0を首から下げてスマホ的に使っていましたが、いろいろと気がついた事があります。

まず、いいところから。

8インチの大画面は見やすいということですね。

Web画面はピンチアウト操作による拡大をしなくても見やすいですし、メールなどの返信も、画面が大きい分、バーチャルキーボードが使いやすくストレスなく行えます。

以前この連載でお話ししたように、ボクはフリック入力ではなく、スマホでもバーチャルキーボードを使う派なので。

かなキー入力派の筆者は、このバーチャルキーボードの愛用家。8インチの大画面はバーチャルキーボードも広くて使いやすい

あと、Harman/Kardonプロデュースのスピーカーが妙に高音質で、YouTubeなどの動画をイヤホンなしでもそこそこ上質に楽しめます。

車のレース映像を見ていたとき、画面右から車が通り過ぎるシーンで、ちゃんと音像が映像に連動してパンニングする感じが聞き取れるので「わはは」と笑ってしまいました。

気になった点は、サイズが大きい分、片手では使いにくいということですね。

M2 8.0を右手で持っている状態で『Pokémon GO』(以下、ポケモンGO)をプレイした場合、親指がモンスターボールに届きません。

カバンを持ちながらの片手歩きスマホの防止にはなるかと思います(笑)。

あと、KIWAMIはメインメモリが3GBでしたが、日本仕様のM2 8.0はメインメモリが2GBなので、同時起動アプリが少なめというのが少々気になりました。

常駐アプリプロセス数の大小で個人差はあるかと思いますが、ボクのM2 8.0の動作環境では『ポケモンGO』と『Ingress』は同時起動ができませんでした。

片方を起動すると、もう片方は終了させられてしまいます。

そうそう、「タブレットでの通話って面倒臭くないですか」という疑問があるかと思います。

たしかに、普通のスマホならば、着信操作をして本体を耳にあてがうだけで通話ができますが、M2 8.0の場合は、通話の前にヘッドセットの装着が必要ですからね。

装着イメージ。こんな感じで使うわけだが、音も聞こえるし、ちゃんとこちら側の音声も向こうに無理なく伝わっているのが不思議なくらい

着信後にヘッドセットを装着しなければならないことには、最初戸惑いましたが、慣れれば大丈夫でした。

PlantronicsのM70ヘッドセットは、M2 8.0の画面側で受話操作してから電源オンにしても通話できますし、慌てる必要はないことに救われました。

M70の音質は、スマホを直接顔の側面に押しつけて聞くよりもクリアに聞こえ、良好でした。

Plantronicsのヘッドセットは、M70を含むM90型番以下のモデルはシングルマイク仕様ですが、音声の感度は結構良いと思います。

通話していても、相手側にはこちらがヘッドセットを使っているということがバレていないようでした。

「スマホの代替用途」という意味合いでは、不満のない使い勝手でしたね。

おわりに

ニューヨークから日本に帰ってきてからも、しばらくはM2 8.0を「メインのスマホ」的に活用していたのですが、結局は直ってきたKIWAMIに戻してしまいました。

理由は上で気になる点として挙げた「片手で使いにくい」「同時起動可能なアプリ数が少ない」「受話の際にヘッドセットを付けるのはやはり面倒」といったポイントが原因です。

ただこれで、MVNOユーザーとしての最低限の備えはできるようになったので、今後は安心です。

今回の事態を踏まえて、1つ興味が湧いたこともあります。

それは、今回、購入するのを断念した7インチ機のT2 7.0 Proの使い勝手です。

「8インチタブレットは片手操作は無理だったけど、7インチ機は?」とか「7インチ機だったらネックストラップでぶら下げても笑われないか」とかいろいろと検証したいですね(笑)。