[黒川文雄のゲーム非武装地帯] 第18回: VR普及のラストワンマイル……?

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バーチャルリアリティ(以下、VR)元年として、10月13日(木)にソニー・インタラクティブエンタテインメントよりプレイステーションVR(以下、PSVR)の発売を控えている。おそらく、すでに市場にあるVRヘッドセットとコンテンツのなかでは「決定版」「真打ち」という存在感を示すだろう。その根拠は、PSVRを使用できるPlayStation 4は全世界で4,000万台の販売実績を持っているからだ。

思わぬARの伏兵

このVR元年というメモリアルイヤーに一矢を報いたのはAR(Augmented Reality)だ。

過去に話題になったARサービスには『セカイカメラ』が挙げられるが、残念ながら大きなムーブメントに至らずサービスは終了した。誰もが、ARは現実の生活のなかで一般化しにくいサービスだと思っていたことだろう。

しかし、『ポケモンGO』で一気にAR技術への注目が集まった。

ARが素晴らしい技術や可能性を持っていることは否定しないが、ポケモンGOの成功は、ポケモンというキャラクターやコンテンツとGoogleが蓄積してきたマップデータ、顧客のログインデータ、『Ingress』(イングレス)などの融合の結果であって、「ポケモンGOが成功したから、これからはARゲーム開発だ」というは少し早計すぎるのではないかと思う。

VRアトラクションの現実派

さて、VRに話を戻そう……。

先日、セガ・ライブクリエイションがお台場の東京ジョイポリスに導入するVRアトラクション「ZERO LATENCY VR(ゼロ レイテンシー ヴィーアール)」(以下、ゼロVR)の、「ZOMBIE SURVIVAL」(ゾンビサバイバル)体験する機会があった。

このVRアトラクションは、世界初となるフリーローム(Free-roam:自由な組み合わせと、自由に移動ができる)システムと6 人同時プレイが可能な最新VRアトラクションだ。

ゼロVRの評価すべき点は、「自由(に動ける)って素晴らしい」と実感させるフリーロームのシステムだ。

HTC ViveやOculus RiftでのVR体験も素晴らしいものだが、どうしてもヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)からのケーブルを意識してVR空間でアクションをすることになる。

もしくは、ケーブルを捌くスタッフが介在しないとスムーズなVR体験ができないことが挙げられる。

その点ゼロVRは、HMDとヘッドフォン、自身の位置をセンシングするバックパック状のベストを装着することで比較的自由に動き回ることができる。

このバックパックにはセンサーシステムが内蔵されており、バトルフィールドにマウントされた80個のセンサーのキャプチャーシステムとシンクロし、プレイヤー同士の位置関係を現し、ゾンビの出現や演出などを計算している。

設定は、ゾンビの大群に襲われ壊滅的被害を受けた街。残された住民を救出するため、総司令部がゾンビ掃討の救出チームを街に送り込むというストーリーだ。

よくできているのは、他プレイヤーとの位置関係を案内するシステムだ。これによって、プレイヤー同士が衝突したりするリスクを軽減し、チームプレイが可能になる。

アトラクション自体はみなさんに直接体験してほしいので詳しくは書かないが、お台場で展開中のバンダイナムコエンターテインメントの「VR ZONE Project i Can」といっしょに体験すると、その両方が持っているVRの面白さを比較することができるだろう。

アポロの一歩とVRの一歩

ちょっと話が逸れるがお付き合いいただきたい……。

先日、自身が開催する「黒川塾」にて、テレビプロデューサーの矢追純一氏をゲストとしてお招きした。

矢追氏は、40代以上の方ならばご存じだろうが、UFO、UMA、超能力をテレビドキュメンタリーとし紹介してきた名物プロデューサーだ。

当日は、UFO関連の話をするかと思いきや、そうではなく、人生をどう生きるかという重厚かつ熱いテーマでお話をいただいた。

ただ、やはり最後にUFOやアポロ計画のお話を聞くに至った。

月面着陸の真相はいまだ議論の的だが、1969年(7月20日)当時、ソビエトは宇宙におけるアメリカのアポロ11号の航海の軌跡を探っていたが、

  • アポロ11号の月面着陸船の着陸地点の砂や石の状況から見て、着陸船は本当に垂直にロケット噴射をして着陸したのか?
  • バン・アレン帯という放射能を放つ磁場を宇宙船で超える際に、当時の鉛仕立ての宇宙服で本当に大丈夫だったのか?

などの疑問を呈してくれた。

まあ、真相は矢追氏も含めて誰にもわからないし、その議論をするつもりもないが、興味は尽きない。

VRの小さな一歩?

なぜ、こんな話を途中で盛り込んだのか? アポロ11号のコンピューターは8ビットのファミコン程度だったという話は有名だ。しかし、それでも宇宙に行った。

今のVRはアポロに準えて8ビット程度というつもりはないが、まだまだ大きく変化し進化する余地があると思う。

おそらく、ゼロVRを体験するためのバックパックのセンサーシステムも、すぐに小型化されるだろう。

もしかすると、技術的にはスマホ本体の中にアプリとしてセンサーシステムそのものがインストールされることは簡単なことかもしれない。

そして、VRアトラクション用のHMDもスマホが代用することになるかもしれない。それに伴ってデバイスがさらに安価になりクオリティの高いものが表現することが可能になることだろう。

VR HMDを付けた最初の一歩は、ほんの小さな一歩かも知れない。

しかし、もしかすると、こんなはずじゃなかったという声も年末から年明けには聞こえてくるかもしれない……。

とはいえ、VRはエンタテインメントの長い歴史のなかで、大きな一歩になることだろう。

そして、その可能性の1つを握っているのはスマホというデバイスかもしれない。

東京ジョイポリス「ZERO LATENCY VR」

  • 第1弾ソフト:「ZOMBIE SURVIVAL」(ゾンビ サバイバル)
  • 料金:東京ジョイポリス入場料+1,800円(税込)「オープニング価格」
  • 対象年齢:13歳以上
  • 予約受付サイトはこちら