将棋RPG つめつめロード【ゲームレビュー】

「詰め将棋」の一手詰め問題を次々と解き続けて、バトルで敵を攻撃していく『将棋RPG つめつめロード』。「みたま」と呼ばれるキャラクターを育成し、強敵が待ち受ける膨大なクエストを攻略していこう。

王手を掛けて敵を追い詰めろ! 詰め将棋で敵を攻撃するパズルRPG

将棋の最終局面をパズルとして楽しむ「詰め将棋」。この詰め将棋の要素をRPGとしてのバトルシステムに盛り込んだのが、本作『将棋RPG つめつめロード』だ。

プレイヤーは「つめつめ士」となって「みたま」と呼ばれるキャラクターを収集・育成し、最高のつめつめ士「つめロード」を目指して「ノラみたま」たちに戦いを挑んでいくことになる。

本作の音楽は、『消滅都市』の楽曲なども手掛けているノイジークロークが担当。ゲーム開始直後のプロローグから迫力あふれるBGMが流れ、壮大な世界観を感じ取ることができる

プレイヤーの導き手として登場するマスコット的なキャラクター・ときん丸(声優:門脇舞以)。バトルを始める前に、将棋の基本ルールや駒の動かし方を丁寧に教えてくれる

一手詰めでダメージを与えていく将棋バトル

敵とのバトルでは、詰め将棋の問題を1つずつ解いていくことで攻撃を行っていく。

相手の「玉」を詰めることを、本作では「つめつめ」と呼ぶ。盤面の駒と手持ちの駒を使って、わずか一手で相手の玉の動きを封じることができれば「つめつめ」の完成!

一手詰めで相手の「玉」を「詰め」ることができれば、3人+1人の「みたま」がそれぞれの能力に応じて、敵にダメージを与えていくというのがバトルの仕組み。

敵のHPをすべて削り切ることができれば、次の敵とのバトルに移る。このあたり、『パズドラ』を遊んだことのある人ならイメージしやすいだろう。

また「詰め」ることに失敗しても「王手」さえ掛けていれば、わずかながらダメージを与えられる。

ただし時間切れ、あるいは王手を掛けることさえできなかった場合には、いっさいダメージが発生しない仕組みだ。

なお、「みたま」には「心」「技」「体」という属性があり、敵の属性との相性に応じて与えるダメージの量が変化していく。

心>技>体という、じゃんけんのような関係だ。

一手ごとの持ち時間は30秒。駒を指すのが早ければ早いほど、与えるダメージがアップする

敵のHPゲージの右側にある数値は、相手の攻撃が発動するまでのターン数。これが0になると相手の攻撃によって味方の「みたま」がダメージを受けてしまう。

敵のアイコンをタップすることで攻撃する相手を選ぶことができるので、攻撃までのターン数を逆算して、なるべく数を減らせるように攻撃するといいだろう。

また、ターンが進むごとに、味方のアイコンの左側にあるゲージもたまっていく。これが満タンになれば、任意のタイミングで「必殺技」を発動できる!

回復や直接ダメージ、攻撃力のアップなど、必殺技の効果は「みたま」ごとに異なっているので、これらのうまく効果を活用できるようにパーティーを編成することも重要だ。

敵の攻撃の直前に防御アップの必殺技を使うのもあり。

ちなみに、2つの必殺技を持つ「みたま」もいる。その場合はゲージが左右2つになり、別々のタイミングで発動可能だ。

1つのミッションにつき合計4回のバトルが発生。ラストに待ち構えるボスとのバトルに備えて、必殺技をいつでも発動できるように準備しておこう

「つめつめ」の連続コンボでさまざまなボーナスが!

「つめつめ」を連続して成功させると「コンボ」となり、攻撃力が少しずつアップしていく。さらに、クリア後の報酬がよりいいものになるという効果も!

ただし、コンボを途切れさせないように「つめつめ」を狙っていくと、考えすぎてしまって今度は時間切れになってしまう可能性が出てくる。

うまく自分の中でバランスを取りながら、連続コンボを狙っていこう。

コンボを続けていけばバトルがどんどん有利に! ちなみに、クリア時に「勾玉」という課金アイテムを使って報酬をさらにアップするというシステムも用意されている

「みたま」は合体と進化でパワーアップ

序盤のクエストをクリアしていくと、「みたまラボ」という機能がアンロックされる。ここでは、パーティーの編成のほかに「みたま」の進化や合体などを行うことができる。

パーティー編成では、手持ちの「みたま」をランクやレベル、熟練度、属性、能力などで整理できるので、自分の目的に合ったパーティーを手軽に作り上げることが可能だ。

パーティーは3体で1セット。バトルではさらにフレンドの「みたま」を1体加えることができる。また、いちばん左の「みたま」は「リーダーみたま」として設定され、ほかのプレイヤーのバトルに参加することになる

さらに「みたま」だけでなく、彼らを率いる「つめつめ士」のキャラクターを変更することも可能だ。

最初に性別を決定して作成した主人公は「味方全体のこうげき・防御を1.2倍にする」という能力を持っているが、そのほかにもさまざまな能力を持つキャラクターが存在する。

キャラクターは編成にて変更可能。それぞれ違った特性を持つ(クエストの進行に従ってアンロック)。ちなみに、最初に選んだ主人公の性別と名前や、駒のグラフィックもメニューの設定から変更できる

合体とは、いわゆる合成によるレベルアップのこと。ベースとなる「みたま」を選び、合体素材の「みたま」や合体アイテムを選択すると、大幅なレベルアップを図ることができる。

合体によるレベルアップで能力値が上昇。なお本作ではバトルを繰り返すことによって経験値を獲得でき、合体を行わずともレベルアップさせることができる

バトルでは経験値のほかに、「熟練度」も獲得できる。進化の際には、この熟練度がMAXになっている必要がある。

さらに、「みたま」ごとに設定された進化アイテムがそろえば、進化によってより上位の「みたま」へとグレードアップできる。

進化ではレアリティーは変化しないものの、能力値とともにレベル上限がアップし、使える必殺技もより強力なものになる。もちろんグラフィックも変化!

なおショップでは、進化に必要なアイテムをゲーム内通貨の「コバン」で買い足すことができる。

強化にアイテムを使用する際も大量のコバンが必要になるので、どこに使うのかをよく考えながらコバンをためていこう。

「パトロール」などアップデートで追加されるコンテンツにも期待

現時点でプレイできるのは、3つのエリア。それぞれ1つの「ちいき」が存在し、4~5のステージごとに複数のクエストが用意されている。

これだけでもかなりのボリュームだが、さらに今後のアップデートでより多くのクエストが追加予定。

氷の島や火山といったエリアも確認できるが、現時点ではまだ実装されていない

ちなみに、ゲームのヘルプなどではクエストを進めることで「パトロール」というコンテンツが開放されると紹介されているのだが、すべてのクエストをクリアしても出現することはなかった。

パーティーに編成していない「みたま」を探索に出すことで、一定の時間が経過した後にさまざまな報酬を持ち帰ってくれるシステムのようだが、おそらくはこちらもアップデートにて追加されることになるだろう。

プレイするのに「スタミナ」が必要ないなど、ひたすら周回してアイテムを集めるのには都合のいいシステムとなっている本作。やり込み派のプレイヤーにとっても魅力的だ。

反面、本作はすべて一手詰めとなっているので、詰め将棋自体にあまり深みがないように感じてしまう。盤面は自動生成のため、同じものに遭遇するということはほとんどないのだが、それでも一定のパターンが浮かび上がってきてしまう。

複雑になり過ぎてしまうかもしれないが、例えばボス戦では三手詰めになるなどの工夫があると、なおよかった。

例えばこのように、香車の前にと金を打つといったパターンに似たものは多い。ほかにも桂馬を使う場合に、そもそも王手を掛けられる場所が1つしかないということも

UIについても洗練されていない部分があり、フレンド登録のところなどで戸惑ってしまうこともあった。

とはいえ、詰め将棋をRPGに仕立てるというアイデアはなかなか秀逸だ。ガチャが存在せず、「みたま」がランダムでドロップするというのもありがたい。

将棋に詳しくない人は難しく感じてしまうかもしれないが、解説がかなりていねいで、駒を動かせる場所も1つずつ確認できるので、将棋のルールを覚えるのにももってこいといえる。

頭の体操にもぴったりのタイトルとなっているので、これから将棋にチャレンジしたいという人に、ぜひおすすめしたい。もちろん、将棋ファンの方ならハマってしまうこと間違いなしだ。

  • 使用した端末機種:HTC 10
  • OSのバージョン:Android 6.0.1
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
  • 課金総額:0円

(C)つめつめロード制作委員会