エラキス ~永遠の塔と騎士の物語~【ゲームレビュー】

すごろくのようなマップを進みながら、移動や攻撃をつかさどる仲間「ダイサー」を使って立ちはだかるモンスターを倒していく『エラキス ~永遠の塔と騎士の物語~』。ダイサーを育てて、マップの種類や相手の動きに合わせていかにデッキを編成するかの戦略が重要となっている。

ボードゲームの戦略性とRPGの育成要素が融合

『エラキス ~永遠の塔と騎士の物語~』は、すごろくのようなマップを、手持ちの「ダイサー」を使って進んでいくファンタジーRPGだ。

プレイヤーは「ダイサー」と呼ばれる仲間をうまく活用し、モンスターを撃退したりやり過ごしたりしながら、ゴールを目指して進んでいく。

ステージごとのオブジェクトやダイサーのスキルを活用し、いかにダメージを受けずに進むかの頭脳戦が楽しめる

ゲームを起動した際には、データダウンロード中にゲームのルールを学べるコミックが楽しめる。これに目を通しておけば、基本的なルールは把握できるはずだ

ストーリー

平和の国プリドンでは、かつて運命の神「リーベ」との戦いに敗れた神「エビル」の力を封印するため、少女たちがいけにえとしてささげられ続けてきた。

プリドン王国の姫レイチェルは、この習わしを終わらせるため、いけにえにされた少女グレイルを助けようとする。しかしその時、突然巨大な塔が出現し、2人は塔の中に取り込まれてしまう。

姫を助けるため、ブレイカー騎士団は塔の中へ入っていくが……。

すごろく状になった不思議な塔の中で、ブレイカー騎士団たちの冒険が始まる

ダイサーの使いどころが勝負を左右する

各ステージではマップの途中にモンスターやトラップや特殊な効果のあるオブジェクトが配置されており、プレイヤーの行く手を阻んでくる。

ダイサーをうまく使ってモンスターを倒したり、罠を回避したりして、制限ターン内にゴールに到達すればステージクリアだ。

各ダイサーには移動力や攻撃力、攻撃タイプなどの数値が設定されており、プレイヤーは毎ターン、自分のデッキから1体だけ選択したダイサーの性能に応じて移動や攻撃を行う。

画面の下側に並ぶのが、ダイサー。攻撃タイプは「近接型」「突撃型」「魔法型」などの6種類で、左上のマークで判別できる。敵とぶつかったタイミングで攻撃する近接型以外は、それぞれに設定された範囲に攻撃を行ってから移動する仕組みだ

ターンの流れを画像で解説

まずは手持ちのデッキから、攻撃タイプが「突進型」で移動力が2のダイサーを選択

「突進型」のダイサーは、プレイヤーの正面に向かって一直線に攻撃してから移動する。正面にいた「エビル剣兵」を焼き払い、2マス移動した

続けて、4、5マス離れた敵を攻撃する「狙撃型」のダイサーを使用して、「貫通の門番」を攻撃

しかし、移動力が3だったため、3マス進んで毒のマスを踏んでしまった

大逆転を狙えるダイスバトル

敵と同じマスにとまった場合、ダイスバトルが発生する。ダイスバトルはそれぞれ同時に3体のダイサーを出し、左上に描かれたダイスを振って出目を競い合う。

ダイスは3種類あり、それぞれで出目の最大値が異なっている。

この出目勝負に勝てば、3体のダイサーの攻撃力の合計をダメージとして与えられるので、ピンチからの逆転を狙う際などに使いたい。

ダイスの種類は4面体、6面体、10面体の3種類。ダイサーによっては4面体2個など、複数のダイスを振って合計値で戦うことができる

多様性を備えたデッキ編成が重要

プレイヤーが使用するデッキは、クリア報酬やガチャなどで入手したダイサーから6体を選択して編成するのだが、この編成と強化が特に重要になってくる。

例えば、同じ移動力や攻撃パターンのダイサーが何体もデッキにいたとしても、同じ位置を攻撃し、同じ距離しか移動できないため、戦略の幅が広がらない。

そのため、ただ単純に強いダイサーを集めることよりも移動力や攻撃タイプを分散させて、マップの形や状況に応じて動けるようにしておきたい。

実際にプレイしてみて、ダイサーの強さよりもこの戦略の幅こそが重要であると感じた。有利なマスに移動できなかったり、敵の攻撃範囲を回避できなかったりしたために苦戦することのほうが多かったからだ。

ダイサーがそろっていない序盤は、移動用のキャラクターと攻撃用のキャラクターを完全に分けたほうがいいだろう。

攻撃タイプは、接近戦になったときのために「近接型」を最低2体は入れておきたい。後方から敵が追ってくる「レーシングバトル」のような状況もあるので、後方を攻撃できる「旋風型」か「爆撃型」を1体入れておくと安定感が増す

ダイサーの育成には、ほかのダイサーを合成してレベルを上げる「強化」と、素材を集めてランクアップさせる「進化」がある。特に進化を行うと能力が大きく強化され、ダイサーの見た目も変わっていく。

星4以上に進化すれば、新たなスキルを習得する。手持ちのダイサーがどのように成長するかに期待しながら育成するのも楽しい。

最初はモンスターのような見た目だが、進化によってランクを上げていくことで人間のような姿になり、徐々に格好よくなっていく

対人や協力などゲームモードは盛りだくさん

メインのストーリーモードである「永遠の塔」以外に、他のプレイヤーのデッキと戦える「リーグ」やリアルタイムの対人戦の「アリーナ」、協力プレイの「レイド」といった多彩なモードで遊べるのも本作の大きな特徴だ。さらには、「アリーナ」というモードも存在する。

特に対人戦においては、ゲームシステムをフルに活用して相手の裏をかく、ボードゲームのような戦略性を強く感じた。ついつい、もっと対戦したくなってしまったというのが正直な感想だ。

1日に4回開催されるリーグはトーナメント形式で、AIが操作するほかのプレイヤーのデッキと対決。マップのオブジェクトをどう使うかが勝負を分ける

リーグ戦の決勝にて、有利に進めていたところをダイスバトルで逆転負け……。勝ったと確信した瞬間だったため、とても悔しかった

レイドはほかのプレイヤーとリアルタイムで協力し、巨大なボスと戦うもの。うまく協力してボスのHPを削っていかなければならないが、筆者のデッキではまだ歯が立たなかった。育成してリベンジしたい

ボードゲームのように練り込まれた完成度の高いルール

本作をプレイして印象に残ったのは、ドイツのボードゲームを遊んでいるような練りこまれたルール性だ。

ダイスバトルを除いて、基本的には運の要素を大きく排除しており、プレイヤーの判断が成否を分けるゲーム性に仕上っている。

これに加えて、ダイスバトルという一発逆転の運の要素を盛り込んだゲームシステムにはうならされる。

各ダイサーの性能など、覚えなければいけないことは多いが、ルールを理解できたときにはデッキを組んだり戦略を立てたりする楽しさをより深く味わえる。

ボードゲームファンやシミュレーションRPG好きにはたまらないタイトルといえるだろう。

マスター(プレイヤー)の着せ替え要素や、チュートリアルをおさらいして景品がもらえるビンゴモードなど、遊べる要素はまだまだある

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.1.2
  • 課金総額:0円

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