クロノドラゴン ~ななつの光と太初の樹~【ゲームレビュー】

スピード感あふれるアクションが特徴の本格ファンタジーRPG『クロノドラゴン ~ななつの光と太初の樹~』がマーベラスからリリースされた。近接系攻撃や、魔法系、遠隔攻撃というバトルスタイルのバリエーションと、仲間との連携攻撃がこれまでにない爽快感を生み出す!

集めて着替えて、強くなる!
ファンシーな見た目の本格アクションRPG

スマホゲームに限らないが、コレクション性というものがゲームのホビー要素に寄与してきた面は大きい。ネットワークにつながないオフラインのゲームの場合は、フラグを解除していくことでこれらを集めていくことがほとんどだが、ゲームがネットワークにつながることで、フラグの解除ではなく抽選というスタイルに形を変えた。

本作『クロノドラゴン ~ななつの光と太初の樹~』もコレクションが楽しいゲームではあるが、集めるのはユニットではなく装備品。マップを進める、あるいはガチャを回すことで手に入れた装備は、自分のキャラクターを強化してくれるだけでなく、外見も変化させる。この着せ替えが、実に楽しいタイトルだ。

見た目のかわいい装備にもちゃんと優れたパラメータが設定されており、装備することでキャラが強化される

同じアイテムでも性能に差がある。また、各アイテムは強化していくことで能力をさらにアップさせることが可能だ

3つの職業は、いずれすべてが使用可能に

プレイヤーが選べるのは、防御に優れるウォーリア―、攻撃力と速度がのパラメータが高いものの防御力に劣るアーチャー、バランス型のウィザードの3種類。残念ながら性別は選択できない。また、武器はもちろん、防具も各職業専用になっている。さらに「広場」に入れるようになると、最初に選んだキャラクター以外も作成できるようになる。

どのキャラクターで始めるか悩むところだろうが、いずれ3種すべて使えるようになるので、フィーリングで決めていい

そのため、クエストを進めるうちにほかの職業の装備品を拾うこともあるだろうが、これらを売却したり、分解したりする際は注意が必要である。ただし、各マップには何度も入ることができるので、そのマップで出現する特定の職業のアイテムを狙って拾得するのは決して難しくないはずだ。

装備によってキャラクターの外見が変わるのはもちろんだが、最初に設定したアバターの基本デザインは変えられない。この部分は熟考して決めてもらいたい

アクションパートはかなり本格的。ミスがなくなるインターフェース

クエストは全編がアクション&バトルで進行。プレイヤーは左の親指で移動を、右の親指で攻撃とスキル、アイテム使用を操作する。移動キーは親指でタップした場所に現れる仕組みのため、自分の好きなところを触って操作できるのがありがたい。また移動速度がかなり速く、ストレスなく進めるのも評価できるポイントだ。反面、端末が熱を持ってしまうことが多々あり、それなりに負荷が掛かっていることがわかる。アクションゲームなので仕方ない部分だが、クエストをやり続けていると電池の消費はそれなりに激しそうだ。

移動キーは、画面左側をタップすればその場所に現れる。これにより、タッチ位置がずれて移動をミスするといったトラブルが起きづらくなっている

攻撃はボタンをタップする、あるいは押し続けることによって連続で発動する。ただし、攻撃中には移動ができないことに注意。攻撃をキャンセルすることもできないので、敵の攻撃を回避するのか、あるいは攻撃を続けるかという判断が駆け引きのキモとなる。

いわゆる必殺技扱いのスキルは4つまで装着でき、使用すると待機時間(クールタイム)の後に再使用が可能となる。スキルとは別に回避ボタンも用意されており、緊急時などに攻撃を回避してくれる。回避の発動はボタン以外にも、スワイプでも可能になっている。なお、回避も発動後、再使用には冷却時間が必要になる。

スキルには、自分の意思で発動させるアクティブスキルと、自動で発動するパッシブスキルの2種類がある

戦闘開始時にルビーを使用すると、無限に回避を行えるようになる「無限回避」が選択可能に

優秀なオートモードで 誰でも攻略に挑戦できる

かわいいキャラクターを着飾らせて楽しみたいけれど、アクションはどうも苦手……という人も少なくないだろう。そういったプレイヤーのために、戦闘時にはオートモードが用意されている。このオートモードが非常に優秀で、序盤とはいえ、オートにおまかせのままSSランクでクリアできてしまうほど。また、オートモード中でもスキルの使用などは任意のタイミングで行える。オートでもスキルを使ってくれるが、基本はオートで介入したいときだけ自分でスキルを使うというスタイルもアリだ。

進むべき先に進んでくれて、倒すべき敵は的確に倒してくれるオートモードなのだが、マップに配置されたアイテムボックスは壊してくれない。とはいえ、そこまで求めるのはぜいたくな気も……

プレイ動画を保存して友だちと楽しめる

クエスト中、RECボタンにタッチすることでプレイ動画を録画できる。この動画はさまざまなサービスを介して共有もできるので、自分のプレイの様子をほかのプレイヤーに見せることも、他のプレイヤーのプレイを参考にすることもできる。特に、特定の場所で攻略に詰まった時など、言葉で説明しづらいアクションを動画で説明できるのはとても便利である。

家庭用ゲーム機でも搭載され始めたリプレイ共有の機能。今後のゲームのスタンダードになっていくのかもしれない

ガチャは装備部位ごとに用意

いずれはすべての職業のキャラクターを作成することになるだろう。一般的な話として、装備品のガチャが完全ランダムではそれなりにストレスを感じてしまう。その点、本作では職業と武器、防具でガチャが分けられており、狙った装備を手に入れる際のむだが少なくなるのがありがたい配慮だ。

キャラクターを均等に育成するより、どれかを1つを強くしていった方がゲーム進行はスムーズになる。その点でも、職業&部位ごとに用意されたガチャはうれしい

アクション部分は細かな部分に至るまで、いろいろとプレイアビリティーを高める仕様になっているのだが、なぜかストーリー部分にこの配慮がなく、画竜点睛を欠く結果となっているのがちょっと残念だ。ストーリーを読み進めるためには画面右側を小まめにタップしないと進まず、オートの読み進め機能もない。スキップではテキストを一気に飛ばしてしまうのでそれはそれで困ってしまう。

通常は端末を左手で固定する人が多いので、タップは左側でも反応してくれないと必ず両手でのホールドを要求されることになる。そのため、電車内などで何かにつかまりながらというプレイが非常にやりづらい(ちなみに右手でホールドしてみたが、とても遊びづらかった……)。

端末を取り落さないようにとの配慮かもしれないが、上記2つの枠以外は入力を受け付けない仕様である

ライトユーザーもコアゲーマーも満足できる、間口の広い作品

アバターの着せ替え要素にアクション要素をプラスした形の本作だが、見た目のかわいらしさがライトユーザーへのハードルを下げ、さらにアクションが苦手な人たちのための救済策まで用意されている配慮が心憎い。もちろん、アクション部分はやり込み系ハードコアゲーマーを満足させる本格的なものであり、真の意味で幅広いユーザーに向けた作品であると言えるだろう。

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 8.4.1
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.3
  • 課金総額:0円

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