Warp Shift【ゲームレビュー】

『Warp Shift』は、ブロックに閉じ込められた少女をゴールへ導くパズルゲーム。美しいグラフィックとやさしいサウンドによって独特の雰囲気を楽しみつつ、気づいたらその独特な世界観にはまってしまう作品だ。

2つの操作で少女を導く難解パズル

宇宙を舞台としたスペースシューティングゲーム『Galaxy on Fire』シリーズを手掛けたFISHLABSの新作は、不思議な世界観を持つパズルゲーム『Warp Shift』。

ブロックが組み合わさったステージで、その中に閉じ込められた少女「パイ」をゴールであるワープホールまでつれていくのが基本ルールとなっている。

操作するのは、宙に浮く不思議な力を持つ少女パイ。ブロックの出口は多種多様なパターンで設置されていて、さまざまなルートが考えられる。その中から最短のルートを探っていく

限られた手数でゴールまで導け!

パイをゴールまで誘導するためにできることは2つ。

それは、ブロックをずらすことと、つながっているブロックの間でパイを移動させること。

2つのブロックの間で、出口が開いている部分同士をつなげると、その間をパイが行き来できるようになる。ゴールまでつながるようにブロックをずらしていくのが、ステージクリアに至る流れだ。

ずらしたいブロックをその方向にスワイプすることで、ゴールまでのルートを作っていく。ルートができたら、移動先をタップしてパイを移動させてステージクリアだ

画面左上には、クリアまでの残りの手数が表示されている。与えられた手数を使い切ると、ステージクリア時の星の獲得数が減少。再度、手数が与えられ、再び使い切るとさらに星が減少してしまう。

最終的には星が0になってしまうが、ステージクリアの条件はあくまでゴールまでたどり着くこと。スタミナのようなシステムはなく、好きなだけプレイできるので、難しいステージでは最初は手数を気にせずにいろいろ動かして、最短のルートを探るのがおすすめ

ステージの数は、5つのエリアに各15レベル。計75レベルのステージが用意されている。

当然ながら、進めば進むほどブロックの数が増えたり、ギミックが出現したりして難易度は上昇。その分だけ手数も増えるが、考えられるルートも増えるため、答えを見つけるのが困難になっていく。

また上位のエリアは、一定の星を獲得しなければ開放されない。各レベルで最短ルートを見つけ出し、星を3つ獲得して進まなければならない。

星の数を気にせずに進めると、新しいステージに挑戦できなくなってしまう。できれば星3つ、最低でも2つを目標にクリアしたいところ

難しい場合は電球アイコンをタップ

画面右上にある電球のアイコンをタップすると、最短でゴールまでたどり着けるルートを指示してくれる機能も搭載。

最短ルートを示してくれるので、当然ながら星3つを獲得してクリアすることができる。

スワイプやタップを1手ずつ指示してくれる、便利な機能。どんな難関ステージも、一瞬でクリアすることが可能だ

ただし、利用できるのは3回までという制限があり、使い切った場合は課金することで回数を増やさなければならない。

そもそも、そのルートを見つけていくのがこのゲームの醍醐味なので、個人的にはあまりおすすめしたくない機能ともいえる。

ギミックがルートを複雑に

ステージを進めていくと、扉を開けるスイッチや、ゴールを開放するための鍵など、さまざまなギミックが出現するようになる。

今回、筆者の頭を悩ませたギミックのいくつかを紹介していこう。

ピンクの出口

ブロックの出口は通常では黄色。

しかし、2-1からは、ピンク色の出口が登場。ピンク色同士が隣接していないと通ることができない、やっかいなギミックだ。

画像のように、黄色からピンク、またその逆のピンクから黄色には移動できない。ゴールの周りがピンクだと、ルートはかなり限られてしまう

キューブ

2-10から出現。ゴールのカギのような役割で、これを回収しないと、ゴールにたどり着いてもクリアにはならないギミック。

キューブを取ってからゴールに向かう必要があるため、手数が足りなくなってしまうことが頻発。最短ルートがより複雑になり、難易度が一気に上昇したと感じた。

キューブを取るためにブロックを動かすと、ゴールから離れていってしまうなど、かなり複雑になってしまう。キューブを回収した後、ゴールまで行くことも考えてルートを考えなければならない

赤い出口

ステージ開始時は閉まっていて、スイッチに触って開放しなければ通ることができない特殊な出口。

キューブと同様に、スイッチに触るという手間が増えるため、こちらも攻略を難しくするギミックだ。

スイッチに触れば、すべての赤い出口が開放される。ピンクの出口とは違って、黄色からでも通ることは可能

上記のようなギミックは同時に出現することも多く、その組み合わせによって、それぞれの凶悪さがさらにアップ。考えに考え抜いてこれを攻略したときは、なんともいえない達成感が味わえる。

サウンドやムービーなどの世界観を楽しむ要素も

ブロックや背景のデザインは、どこか古代文明のような雰囲気。それでいて、キューブやワープホールが放つ光はSFチックで、これらが混在した世界観はかなり独特。

それを支えるBGMは、まるでヒーリングミュージックのように非常に落ち着くサウンドで、本作のような冷静に思考しなければならないパズルゲームにぴったりだ。

オープニングやエリアクリア時にはムービーが再生される。謎のキューブを発見し、地下深くまで転落してしまったパイが、地上を目指すというストーリーだ

ゲーム性と演出面がマッチしていて、ついつい没頭してしまう本作。制限時間や敵キャラクターはないので、焦らずじっくりと、気軽にプレイできるはずだ。

  • 使用した端末機種:iPhone 6s
  • OSのバージョン:iOS 9.3.1
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0

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