【西川善司のモバイルテックアラカルト】番外編: ストVってどうですか?(前編)

  • 2016年04月21日

今回は趣向を変えて、西川さんが個人的に大好きだという格闘ゲーム(以下、格ゲー)についてフォーカスしていこう。西川さんの格ゲーに対する熱い思いを語ってもらった。

大学の研究室にストIIの基板を置いてプレイ

――今回は特別企画ということで、「格闘ゲーマーとしての西川善司」を押し出していければと。

西川さん(以下、西川):うれしいですね。ボクはE3(アメリカで開催されているコンピュータゲームの展示会)に取材に行ったときなどは、合間を縫ってカプコンブースの対戦コーナーに遊びに行くくらい好きです(笑)。

そういう光景を見て、知り合いの記者たちに「あっ、西川善司がサボってる」と写真を撮られることもありますね。

大好きな格ゲーについての話ということで、うれしそうな西川さん。さまざまな逸話が飛び出した

――かなり古くから格闘ゲームをプレイされているということですが、プレイヤー歴はどれくらいでしょうか。

西川:思い起こしてみると、やはり『ストII』(ストリートファイターII)が起源じゃないかと。それで、調べてみたらストIIは1991年リリースなので、そこから考えるともう20年以上になります。

ボクはゲーセン小僧だったので、当初からゲームセンターでプレイしていたんですよね。

実はリリースしてすぐのころは「ボタン多いし難しそうだ」と思って敬遠していたんですが、当時記事を書いていた『Oh!X』というパソコン雑誌の副編集長が、基板を買って編集部に設置したんです。

そうしたら、ゲーセンでは100円かかるストIIがただで遊べるということで、社員の編集だけでなく、学生ライターもたむろしますよね。

そんな中で、「これなら触ってみるか」と思って始めたのがきっかけです。

空前の格ゲーブームを生み出したストII。あまりゲームを知らない人でも、これだけはわかるというほど知名度が高い(写真は『カプコンジェネレーション ~第5集 格闘家たち~』より)

学生のころの100円って、お金がないから100円の重みが違いますよね。それがただで遊べるということで、ずっとプレイしていました。

そんな環境だと、編集や学生ライターでもそこそこの腕前の人が集まるので、そこで揉まれていくうちに好きになっていきましたね。

――それはうらやましい環境ですね(笑)。全国的に「対戦」が盛んになったのは『ダッシュ』(ストリートファイターIIダッシュ)のころだったように記憶していますが、西川さんは『ストII』のころからすでに対戦にはまってたんですか?

西川:ゲーセンとOh!X編集部でやってましたね。で、あまりにもハマったので、当時は学生にしてはライターの仕事をしていてお金もあったこともあり、ボクも基板を買ってしまいました(笑)。

その基板は、当時在籍していた大学の研究室に設置しました(笑)。当然、そんな場所に設置したら、大学生が出入りし出すわけですが、そこでも強い人たちに揉まれていったんです。

そういった形で、大学に行っても、編集部に行っても『ストII』をプレイするという生活でしたね。

当時の格闘ゲーマーからすれば、夢のような大学生活を送っていた西川さん。ストII基板の値段もしっかり覚えていた

――まさに、ストII三昧といった学生生活ですね。

西川:あと、当時の記憶で思い起こされるのは、ゲームミュージックコンポーザーの古代祐三さん(現:株式会社エインシャント代表取締役)が編集部に来たことがあったんですよ。

そのときボクも対戦したんですが、ものすごくうまかったですね。

――古代さんは『ゼロ2』のロレントが超強い、というのは聞いたことがありますが、ストII時代から強かったんですね。

西川:古代さんは確か、都内でも著名なプレイヤーだったという噂も聞いたことがあります。ボクは当時プレイを始めたばかりのころだったので、古代さんにはまったく歯が立たなかったんですよ。

そのころは、ためキャラクターで扱いやすかったのでガイルを使っていたんですが、「ガイルはね、こう使うんだよ」という感じで逆にレクチャーを受けました(笑)。

古代さんはどのキャラクターを使っていたかよく覚えていないですが、いろいろなキャラクターを使えたと思います。

初代ストIIでは必殺技のスキが小さく、ガイルはかなり強いキャラだった

ストIIからNEOGEO格ゲーへ

――ストII以降は、どんな格ゲーをプレイされてきたのでしょうか。

西川:ストII基板はCPシステムを使っていたので、互換性のある『ストリートファイターIIダッシュ』『ストリートファイターIIダッシュターボ』『スーパーストリートファイターII』『スーパーストリートファイターIIX』と買い換えていったと思います。

古いタイトルを下取りしてもらって、差額を払う感じでした。

スパII(スーパーストリートファイターII)の発売が1993年なので、そのころは学校を卒業しているんですよね。もしかしたら、スパIIX(スーパーストリートファイターIIX)は買ってないかもしれないです。

実はストIIにはまった直後あたりから、NEOGEOにも手を出しました。

しばらくNEOGEOは下火だったんですが、『餓狼伝説』を皮切りに、『龍虎の拳』などのデカキャラ格闘ゲームが出てからは一気にヒットし始めた印象です。

初代『餓狼伝説』。多彩な必殺技と、2ラインバトルが印象的だった。NEOGEO人気の火付け役である(写真はPS3版)

――龍虎の拳のズームアップ機能は斬新でしたね。

西川:ストIIシリーズにはまりつつ、NEOGEO格ゲーも並行してプレイしていました。Oh!X編集部にはNEOGEOはなかったので、自分で購入して、大学の研究室に置いたんですよ。

ストII台とNEOGEO台があって、研究室がミニゲーセン状態でした(笑)。よく教授が許してくれたと思います。

こちらもNEOGEO人気の立役者となった『龍虎の拳』。キャラクターが接近するとカメラがズームインし、迫力のあるバトルが楽しめる(写真はPS2アーカイブス『龍虎の拳 天・地・人』)

――教授はゲームが好きな方だったんですか?

西川:好きでもなんでもなくて、ただほほえましい目で見ている感じでした。研究室自体は計算機言語の研究をしていたので、関係がありそうでなさそうで、いや、ないだろう、みたいな(笑)。

そしてマイナータイトルへ

西川:主にプレイしてきたタイトルをまとめると、思い出す限りでは餓狼伝説シリーズ、龍虎の拳シリーズ、『KOF』(THE KING OF FIGHTERS)シリーズ、『サムライスピリッツ』シリーズなどです。

これはみんな通る道ですよね。この辺はだいぶやりました。あと、例えばの話ですが、ラーメンマニアの人って、王道の有名店に行った後に、マイナー店に手を出すじゃないですか。

あれと同じで、格ゲーもブームのタイトルをひととおり遊ぶと、マイナーな方に行きだすんですよね。誰もやってないよ、みたいな(笑)。

その流れで、『GALAXY FIGHT』とか、『天外魔境真伝』とか、あとはブーメラン格闘技という謎の『風雲黙示録』ですね。いわれれば「ああ、あれか」という感じだと思います。

キャラクターが全員格闘技+武器というスタイルの『風雲黙示録』。稼働しているのを見た方はラッキーかもしれない(写真はPS2アーカイブス『風雲スーパーコンボ』より)

――風雲黙示録は、オープニングで「うおおおおお!」と叫んでいるハヤテが印象的でしたね。

西川:そうですね。加えて、これは「マイナー」に分類するとファンが怒るかもしれないですが、『ワールドヒーローズ』シリーズなどもです。

あとは『ファイターズヒストリー』『ニンジャマスターズ』『月華の剣士』などプレイしてきました。

3Dの格ゲーも手は出しているんですが、あまりハマれなかったんですよね。たぶん、原始体験でストIIがあるからだと思うんですが、どこか「自分のゲームじゃない」感覚がありましたね。

『バーチャファイター』(以下、バーチャ)『鉄拳』『デッド オア アライブ』『ソウルキャリバー』とひととおりプレイしましたが、ストIIのように入り浸るような感じではありませんでした。

――私も、2D格闘がほとんどで3Dの系統はあまりプレイしませんでした。

西川:やっぱりそういう人、一定の割合でいますよね。両方やる人もいるし、逆に3Dしかプレイしない人もいます。原始体験がバーチャの人だと、「2D格ゲーはやれることが少なくて嫌だ」という話も聞きます。

でも逆にストIIやってる人間からすると、バーチャは3ボタンしかないので、音ゲーをやってるような感覚になるということもあります。

タタタタタン、と空中コンボが入って、「えっ、いまので1本終わり!?」みたいな。

新しめのシリーズではコンボダメージが控えめだが、それでも展開がかなり早いバーチャシリーズ(写真は『バーチャファイター5 ファイナルショーダウン』)

後はマイナーどころだと、『ZERO DIVIDE』もプレイしましたね。音楽がよくって、やっていました。他にもいっぱいあった気もしますが、ひとまずこんなところです。

――なるほど、2D格ゲーはほとんど網羅されているような感じですね。

西川:新作が出ると必ずやってはみる、というスタンスです。『ギャラクシーファイト』や『天外魔境真伝』はNEOGEOカートリッジも持っていましたね。

――風雲黙示録は続編も出ていましたね。

西川:あれはカルト的な人気で、一般人気はないですよね。「お前、あのタイトル知ってる?」みたいな(笑)。あのタイトルを極めたという人の話は聞かないですからね。

――「風雲黙示録全国1位」とか聞きませんもんね。プレイされてきたタイトルの中で、印象深かったものはありますか?

西川:繰り返しにはなってしまいますが、やはりNEOGEOのタイトル全般ですね。夢中になったタイトルはストIIだし、やりこんだタイトルはKOFシリーズなんですけど、印象深かったというのはNEOGEOの割合が多いです。

当時のNEOGEO自体が、ほぼ格ゲーのゲーム機になっていたというのもあるんですが、目をつぶってあのころを思い出すと、研究室にいつものメンバーが集まっていて、弁当箱みたいなNEOGEOのカートリッジを差し込むと。

で、起動する時たまにバグってうまく読み込めないので、接触を変えてみるとかしてました(笑)。

NEOGEO本体。高価ではあったが、ゲームセンターとまったく同じゲームが遊べるということで、人気は高かった(写真はNEOGEOミュージアムより)

――1990年代のNEOGEOは、異様に格ゲータイトルが多かったですよね。それもあるんでしょうか。

西川:なんでそこまで出すんだろう、というくらい出してましたね。あとはNEOGEOではないんですが、『豪血寺一族』もプレイしました。あれはおばあちゃんが笑えるだけで、あまりハマることはなかった(笑)。

当時のNEOGEO格闘ゲームって、餓狼伝説シリーズもKOFシリーズも、サムライスピリッツもいいできなんですけど、「出落ち系」多くなかったですか?

変なキャラクターが出てきて笑えるんですけど、それだけで「さあ、次行こう!」みたいな(笑)。

――ファイターズヒストリー辺りから、その傾向はあったように感じますね。ちなみに、KOFシリーズではどれがお好きでしょうか。

西川:あまり奇をてらった回答でなくて恐縮ですが、名作と言われるKOF ’98とKOF 2002ですね。KOF ’98 UMは、Xbox 360でよく遊んでました。

アドバンストとエキストラの他に「アルティメットモード」が追加されていて、避けか緊急回避か、MAX発動かパワーためかを選べたんですよ。ボクは緊急回避+パワーためでプレイしてましたね。

パワーためはすぐ止められるので、「誘い」にいいんですよね。あれで誘って、跳んできたところを対空するとか、体力が減ってくると超必殺技が出し放題になるので、覇王翔吼拳で削りまくるとかやってました。

シリーズ最高傑作として挙げられることも多い KOF ’98。理不尽な攻撃が撤廃され、バランスが秀逸(写真はPS2アーカイブス『THE KING OF FIGHTERS ’98 ULTIMATE MATCH』)

KOF 2002はKOF ’98がベースだったのでゲームシステムもよくできているんですが、中でも隠し超必殺技の「MAX2」の演出が派手でおもしろかったですね。

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