MLB パーフェクトイニング16【ゲームレビュー】

メジャーリーグをフィーチャーした人気野球ゲームのシリーズ最新作『MLB パーフェクトイニング16』が登場。前作にはなかった新システム「コーチ・監督カード」の追加や、究極の選手「ブラックエディション」の解禁によって、さらなるパワーアップを遂げている。

1試合をフルで戦える本格ベースボール! テンポのいい進行でサクサクプレイ

球春到来! 日本の各球団の滑り出しも気になるところだが、海の向こうでもメジャーリーグが開幕を迎えている。今年は前田健太投手が新たにドジャースに加わるなど、日本人選手の活躍も大いに期待される。

そんな中でリリースされたのが、MLB事務局である「MLBAM」とMLB選手協会「MLBPA」とのライセンス契約に基づいてゲームヴィルがリリースした本格野球ゲーム「MLB パーフェクトイニング15」だ。

シリーズの前作もかなり人気のタイトルとなっており、新たなバージョンの登場を心待ちにしていた人も多いのではないだろうか。

選手たちの動きはかなりリアル。個々のモーションが用意されているというわけではなさそうだが、体格の違いなどはある程度再現されている

ゲームを開始すると、まずは自分のオリジナルチームの作成。メジャーリーグ全30球団をベースに、チーム名やユニフォーム、本拠地などを設定する。

さらに、6種類のチュートリアルが用意されていて、攻撃、守備、ラインナップ、トレード、選手育成、選手獲得の基本を知ることができる。

ベースになるチームを選んだら、チーム名と、プレイヤー同士の対戦時に表示する自分の住んでいる地域を登録する。また、ユニフォームは後から手に入れたデザインに変更することも可能だ

各チュートリアルをクリアするごとに報酬を受け取ることができる。すべてクリアすれば、チームを運営していくのに必要最低限のリソースは確保できるはずだ

最近リリースされた野球ゲームは、ペナントレースを争うことを念頭に、1試合ごとの中身は省略されていることも多い。

しかし、本作は昔ながらの「1球ごとの駆け引きを繰り返しながら試合を戦う」というリアルさにこだわった本格的な野球ゲームだ。

育て上げた選手の活躍を肌で体感できるという意味では、貴重なタイトルといえるだろう。

試合後には、各選手の成績がしっかりと記録される。それぞれのデータを後から振り返るのもシーズンを戦う野球の面白みの1つだ。AIを相手に戦うレギュラーシーズンでは3/6/9イニングでのプレイを選択することが可能で、試合後にもらえる報酬が増減する

操作はかなり本格的だが、慣れれば1試合が10分程度に

打撃については、手動と自動の2つの操作方法がある。デフォルトは自動で、「準備完了」を押して試合進行を再開したら、投球のタイミングに合わせてスイングボタンをタップするだけ。

手動の場合では、これにバットコントロールの操作が加わる(バーチャルパッドで位置を調整)。

タイミングを合わせるだけ……のバッティングのはずが、AIの投手はそれなりにボール球を使ってくる。頭を空っぽにしてフルスイングしているだけでは簡単に追い込まれてしまうので、カウントを考慮しつつコースを見極めていこう

また、盗塁に関しては、ランナーのリードの大きさを4段階に設定することができる。続いて、投球の前に進塁するベースを指定すれば、ランナーは自動的にスタートを切る。

もちろん、走力の遅い選手では余裕でタッチアウトとなってしまうが、俊足のランナーが1塁にいるときは積極的に狙っていくといいだろう。

塁上のランナーは画面左上のスコアボードに走力が表示されるので、参考にしよう。40程度の走力で盗塁を狙うのはちょっと無謀だ

一方、守備側に回ったときは本格的な投球を行うことができる。

まずはバーチャルパッドで球種を選択。コースは同じくバーチャルパッドで設定できるが、コントロールの悪い投手であれば当然ながら狙った場所には行きづらい。

チュートリアルの説明によれば、コースの設定に関しては指定しない場合でも自動での処理が行われるようだ

あとは、狙った場所の周囲で縮小するサークルがなるべく小さくなったタイミングで、投球ボタンをタップするだけ。

タイミングに応じてPERFECT、GOOD、NORMAL、BADの4段階で判定され、投じたボールの威力やコントロールの精度が変わってくる。

投球の前に画面下にある「パーフェクトピッチング」のボタンをタップしておけば、スタミナと引き換えに自動でPERFECTの投球を行うこともできる

打球が内野に転がったら、任意のベースにボールを投げてランナーを刺す必要がある(ランナーなしなら1塁に送球)。

内野手、外野手ともに捕球までは自動だが、微妙な打球が飛んだときには内野安打になってしまうこともあったので、あまりモタモタとせずに素早く打球を処理しよう。

なお、外野手がゴロを捕球した場合には、「中継」でボールを内野に戻すことが可能だ。

送球の際は焦らず、ランナーの動きをよく確認しておこう。外野からの送球は、いったん内野の中継に回すのが基本だ

塁上にランナーがいる場合には、「投球」ボタンの代わりに任意のベースをタップして指定し、けん制球を投げることができる。それなりにランナーを刺せる可能性があるので、忘れずにけん制しておこう

試合の進行はかなり早く、テンポよくペナントレースを進めていくことができる。1試合の所要時間はおおよそ10分ほど。

ただ、相手の投手はストライクゾーンを外した球を投じてくる。焦ってクソボールをフルスイングしてしまわないように気をつけよう。

打撃で空振りしたときは、スイングが早いのか遅いのかがヒントとして表示される

走塁の指示は、打撃後に画面左側に表示される2つのボタンで全ランナーに対して行う。また、個別に進塁、帰塁を指示することもできる。慎重に、かつ素早く判断しよう

チームの管理と選手の育成

「チーム管理」では、各試合で起用する選手たちのラインナップを設定したり、育成などを行ったりすることができる。

投手のラインナップは、先発5人、抑え3人、ロングリリーフ1人、セットアップ1人、フィニッシャー1人の合計11人。

また、野手はレギュラーと控えを合わせて合計14人を登録できる(日本のプロ野球は一軍28人制だが、メジャーリーグは25人)。打線のラインナップは、DHあり、なしの2パターンを設定する。

投手も野手も、それぞれに役割や打順の適性がある。ラインナップの選択画面で「自動選択」を行えば、最も適した配置に変更されるので、メジャーリーグの選手に詳しくない人でもスムーズにラインナップを設定できるはずだ、2人の選手の能力をグラフで比較して入れ替えることもできる

特定の条件を満たすことでボーナス効果が発動する「チームセット」という要素もある。

例えば、3人の投手がプラチナ以上のグレードだった場合、「体力+2」と「回復+2」の効果が得られる「プラチナ 投手Lv.1」のチームセットを選択できる

選手の育成は「強化」と「覚醒」の2つのやり方で行う。

強化では、選手の経験値を上げてステータスをアップ。経験値は、試合で手動プレイを選択したり、不要な選手を素材にしたりすることで入手できる。上昇させるステータスの項目は任意で選択可能だ。

それぞれの選手のグレードによって強化上限が決まっているが、強化がマスター状態になれば覚醒を行うことができるようになる。

トレーニングポイントの上限に達すると、素材となる選手をそれ以上選択することができなくなる。強化に成功したら、任意の能力にポイントを振り分けよう

覚醒を行うには、同じグレードのマスター選手が2名必要になる(1名は素材となる)。1名しかいない場合は、素材として課金通貨の「スター」を代用することが可能だ。

そして覚醒に成功すると、1グレード上の選手を獲得! ただし、失敗する可能性もあるので、その点は注意しよう。

マスター選手とは、最大まで強化された選手のこと。覚醒によってさらに上のグレードとなり、能力もアップする

新たな選手の獲得は、基本的にドラフトチケットを使用する(試合報酬やショップでの購入)。これはガチャ形式となっており、ルーキードラフト、プロドラフト、オールスタードラフト、監督ドラフト、打撃コーチドラフトに挑戦することが可能だ。さらに限定選手が獲得できるVIPガチャも!

「トレード」では、自分のチームで不要となっている選手を何人かピックアップして、トレード市場に放出する。

その内容によって、獲得できる選手のグレードが変化するが、どんな選手がやってくるかは天のみぞ知るだ。

トレードでは数名の候補が提示され、いずれかを選択することになるが、再交渉で別の選手を要求することもできる。ただし、提示される選手の数は減ってしまうので注意しよう

綺羅星のようなスター選手を獲得できるチャンスのある「FAポスティング」も用意されている。課金通貨である「スター」で入札を行い、最も高い評価をしたプレイヤーがその選手をチームに加えることができる

今作から追加された最上位の選手グレード「ブラックエディション」。トレーニングによって、既存のグレードにはなかった「シークレットステータス」を最大3つまで獲得できる

新システムとなる「コーチ・監督カード」については、スターを使ってガチャを引く必要がある。それぞれ違った効果があるが、コーチに関してはブラックエディションの選手がいなかれば無意味なので、必要に応じて利用しよう

投手と打者の駆け引きが面白い! メジャーならではのモーションにも注目

ゲームモードは「シーズンモード」と「対戦モード」、そして「マッチデー」の3種類。

このうちのマッチデーは、ゲームをプレイしている当日に行われる試合をゲームの中で再現しようというもの。実際の対戦カレンダーによって試合の組み合わせが決定される。

マッチデーは、メジャーリーグをライブで追いかけているコアなファンにはたまらないモードだ

プレイした時点では、まだリリース直後ということもあってサーバーが安定していなかったのか、頻繁にメンテナンスが行われていてプレイしづらいということがあった。この辺り、ぜひとも改善していただきたい。

また、スペックの低い古めの端末だと、ゲームを始めてもサーバーに接続できない状態となることもあった。

とはいえ、野球ゲームとしてはかなりクオリティーの高い出来栄えとなっている。特に、投球および打撃時の駆け引きは、シミュレーションゲームとしてもかなり面白い。

グラフィックの質は高く、実にリアルな選手たちの動きを楽しめる。ややわかりづらい要素もあるが、いったん理解してしまえば特に問題はないだろう。

内野手の送球など、日本のプロ野球選手とはかなり違うモーションも再現されているので、そういった部分にはぜひ注目してもらいたい。

とにかく野球が好き、という人には自信を持っておすすめできるタイトルだ!

試合途中に観戦モードに切り替えることもできる。カメラアングルは3種類が用意されている

ゲーム内の演出はかなりあっさり風味で、ホームランを打ったときでもファンファーレすらない。かなり大人な雰囲気だ

投手の頭上にビックリマークが出現したら、失投の前触れ。長打を放つ絶好のチャンスだ。抜けたボールが来るので、しっかりと引きつけてフルスイング!

前作『MLB パーフェクトイニング15』との連携要素

●連動可能なコンテンツ

– HIVE、facebook、Googleアカウント
– 選手ドラフト、経験値、トレーニングポイント
– チーム情報、選手カード、アイテム(インベントリ、郵便箱)の情報
– すべてのスターパッケージ、毎月累積報酬、VIPポイントとランク

●連動不可能なコンテンツ

– 対戦モード、シーズンモード – マッチデー、デイリーミッション
– チュートリアル、ゴールデンボールリスト
– ゲストアカウントは70日後に一括削除

  • 使用した端末機種:iPhone SE
  • OSのバージョン:iOS 9.3
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:4.0.0
  • 課金総額:0円

(C) GAMEVIL, Inc.